チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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「シア、レティシアナ、お帰りー」
家に帰るとチビ達が群がってきた
「ただいま。何もなかったか?」
「大丈夫!」
「それよりその羊は?」
俺の足元にいるリアンを見てスカイが尋ねて来る
「それは今から説明する」
そう言いながらレティと一緒にリビングに顔を出す

「あらお帰り」
「ただいま」
「ただいまです」
「ふふ…なんだか増えてるみたいだけど?」
ナターシャさんが笑いながら俺達をソファーに促した
『シア、神獣か?』
俺の足元にやってきたカーロは珍しくサンドイッチを要求する前にそう口にした
『やっぱカーロにはわかるか?』
『カーロ…シアの言ってた神獣か』
リアンも俺の膝の上から興味深そうにカーロを見る

「シア―?」
そこに聞こえてきたのは母さんの少し低い声
これは説明を求めてる時の声だ
「あなた足になる契約獣を探しに行くっていってなかったかしら?」
「その子はどう見てもシア達の足にはなれないと思うんだけど…」
母さんだけでなくナターシャさんまで詰め寄って来る
「しかもカーロがそいつを神獣って言ったか?」
「神獣?この羊が?」
そう続いたのは父さんとカルムさん

「リアンは昔、闇の精霊王を助けたのをきっかけに神獣化したシープジェネラルなんだ。今は一緒に行動するためにこのサイズ」
『俺は長く生きてきた。さらにこの先200年程の長い時を森の中で一人で過ごすのは嫌で契約獣にしてもらった』
「「「「!」」」」
父さん達がリアンをガン見した
まぁそうなるよな
意思疎通できるのはカーロで前例があるからさほど驚きはしないだろうけど…
「…それはシアが龍神族になったのを知ってるってことかしら?」
『闇の精霊や妖精がサラサとシアの話をよくしていくからな。いつか会ってみたいと思っていたところに、クロムからシアが足になる契約獣を探してると聞いた』
『ククク…今回森へ出向いたシアに頼み込んだか?』
『そのようなものだな。そう言うカーロも飯で釣られたと聞いてるが?』
『違いない。リアンとは気が合いそうだな』
カーロはそう言って機嫌よさそうに鳴いた

「…神獣って一体…?」
「言うな」
父さんの言葉をカルムさんが遮った
「ところで、そうなると本来のサイズが気になるんだけど?」
「だよな」
俺は苦笑しながら立ち上がる
「リアン、庭で元のサイズになってくれるか?」
『いいぞ』
リアンはそう答えて俺の後に付いて庭に出ると元のサイズに戻った

「大きい!」
「すごーい」
チビ達が興味津々でリアンを見上げている
「これはまた…」
「カーロより大きいわね」
そう言われたカーロは自分も大きくなって見せる
カーロも充分でかいと思ってたけどリアンと並ぶと親子みたいだ
「馬2頭分は軽くあるか?」
「2頭どころじゃないだろ」
「俺達2人が乗っても余裕だったしな」
「多分大人4人くらい乗れるんじゃない?」
『ああ、それくらい問題ないぞ』
リアンも満更でもないようで得意げにそう言っていた
「これが膝乗りサイズになるとか…」
「意思疎通も問題なさそうだし…お前はとんでもない奴を見つけてきたもんだ」
「俺がって言うかクロムが連れてきてくれたんだけどな」
言い訳がましく言ってみても皆呆れたように俺を見るだけだった

「リアンも一緒に遊びたい!」
「僕も!」
チビ達がリアンに飛びついていく
『シア、いいか?』
「ん?リアンがいいなら相手してくれるとむしろ助かる」
『そうか!』
滅茶苦茶嬉しそうだなおい
「ずっと一人だったって言ってたもんね」
「あーそういやそうだったな」

レティの言葉に思い出す
いや、忘れてるわけじゃないけど実感がないだけだ
何にしてもチビがじゃれつくのも逆に嬉しいものなのか
「お互い喜んでるなら問題ないか」
深く考えるのはやめて楽しそうな光景を眺めることにした
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