302 / 370
119.リアンの登録
2
しおりを挟む
「イテ…」
「こんな重大なこと忘れてんじゃねぇ!」
「重大って寿命伸びて龍化できるようになっただけじぇねぇか」
実際コーラルさんに伝えた時は驚きはしてたけどただニコニコ笑ってただけだし…
そう言った俺をレティが残念そうな目で見て来る
「…それはだけって言うレベルじゃないと思うよ?」
「そうか?」
「そうなんだよこの馬鹿が」
「悪かったって。とにかく俺の寿命は多分レティと同じくらいになってるんだ。で、リアンだけど、ある事情で神獣化したおかげで寿命が長い。その長い時間を一人で過ごすのが嫌になったらしい」
これ以上突っ込まれないうちにサラッと説明することにした
「…つまり?」
「同じく寿命の長い俺の契約獣になれば一人じゃなくなるからってこと」
「そんな理由で神獣が契約獣になるのか…」
「そんな理由って…母さんのが酷いじゃん」
「あーあっちは飯に釣られたんだったか…神獣が…」
何とも言えない顔で続けるギルマスがちょっとかわいそうになってきた
でも話をやめる気はない
「とにかく、そういうわけだから登録頼む。ついでにクロムも」
「そうだな。ここで済ませるのがよさそうだ。クロムはレティシアナもだな?」
ギルマスはそう言いながら魔道具を取り出した
ギルドカードにリアンとクロムが登録されると一仕事終えたとでもいう様に大きなため息を吐く
終わったのを察したリアンが縮小化して俺の膝の上で猫の様に丸くなった
羊って丸くなって寝るのか…?
そんな疑問を持ったものの深く考えないことにした
「で、ここからがもう一つの報告」
「…」
向けられる恨めしそうな目に苦笑しながらさらに続ける
「今回のシープキングの依頼の事でリアンと話してたら、角だけなら定期的に回収できそうなことが分かった」
「…は?」
首を傾げるギルマスに俺はリアンから聞いた話を伝えた
そしてこれから父さん達に相談してからコーラルさんにもそのことを伝えることもついでに話す
「…なるほどな。そういう事情があるもんなんだな」
「俺も驚いた」
「まぁ何にしても国に投げてくれた方が俺の精神的にも助かる。Aランクの素材が森に入るだけで山ほど入手できるなんて事には直接関わりたくないからな」
「やっぱそういうもん?」
「当たり前だろうが。その辺の冒険者に投げれる依頼でもないし、回収したところで管理が面倒すぎる」
「まぁそうなるか」
高ランク素材の大量入手
広まれば値崩れするだけでなく無謀に森に入って命を落とす低ランクの馬鹿が激増することだろう
冒険者の間ではどこからとなく情報が流れるものだしな
出所を隠したとしても貴族の密偵やそれに近い者が調べに来るだろうし、そこからバレればまた面倒なもめごとが起きることも想像に難くない
「とりあえずギルド用に10本、キアナさん預けといたから」
それを商会におろすのか貴族に仕入れの倍以上の高額で売りつけるのかはギルマス次第だろう
ひょっとしたら一部を自分で買って武器作る可能性もありえるか
こう見えてギルマスも剣主体で戦う元Aランク冒険者だしな
そのへんは好きにしてくれればいいことだけど
「お前のそういうところはサラサにそっくりだな」
「そうかな?」
「ああ、オークションの時の肉の差し入れなんかもそうだがな」
『あれは美味かった』と言って豪快に笑うギルマスに苦笑する
おすそ分け、根回し的な感覚は確かにこの世界では珍しいのかもしれない
そういやまだレティにもちゃんと説明してないんだっけ
改めて思い出しながら俺達はギルドを後にした
「こんな重大なこと忘れてんじゃねぇ!」
「重大って寿命伸びて龍化できるようになっただけじぇねぇか」
実際コーラルさんに伝えた時は驚きはしてたけどただニコニコ笑ってただけだし…
そう言った俺をレティが残念そうな目で見て来る
「…それはだけって言うレベルじゃないと思うよ?」
「そうか?」
「そうなんだよこの馬鹿が」
「悪かったって。とにかく俺の寿命は多分レティと同じくらいになってるんだ。で、リアンだけど、ある事情で神獣化したおかげで寿命が長い。その長い時間を一人で過ごすのが嫌になったらしい」
これ以上突っ込まれないうちにサラッと説明することにした
「…つまり?」
「同じく寿命の長い俺の契約獣になれば一人じゃなくなるからってこと」
「そんな理由で神獣が契約獣になるのか…」
「そんな理由って…母さんのが酷いじゃん」
「あーあっちは飯に釣られたんだったか…神獣が…」
何とも言えない顔で続けるギルマスがちょっとかわいそうになってきた
でも話をやめる気はない
「とにかく、そういうわけだから登録頼む。ついでにクロムも」
「そうだな。ここで済ませるのがよさそうだ。クロムはレティシアナもだな?」
ギルマスはそう言いながら魔道具を取り出した
ギルドカードにリアンとクロムが登録されると一仕事終えたとでもいう様に大きなため息を吐く
終わったのを察したリアンが縮小化して俺の膝の上で猫の様に丸くなった
羊って丸くなって寝るのか…?
そんな疑問を持ったものの深く考えないことにした
「で、ここからがもう一つの報告」
「…」
向けられる恨めしそうな目に苦笑しながらさらに続ける
「今回のシープキングの依頼の事でリアンと話してたら、角だけなら定期的に回収できそうなことが分かった」
「…は?」
首を傾げるギルマスに俺はリアンから聞いた話を伝えた
そしてこれから父さん達に相談してからコーラルさんにもそのことを伝えることもついでに話す
「…なるほどな。そういう事情があるもんなんだな」
「俺も驚いた」
「まぁ何にしても国に投げてくれた方が俺の精神的にも助かる。Aランクの素材が森に入るだけで山ほど入手できるなんて事には直接関わりたくないからな」
「やっぱそういうもん?」
「当たり前だろうが。その辺の冒険者に投げれる依頼でもないし、回収したところで管理が面倒すぎる」
「まぁそうなるか」
高ランク素材の大量入手
広まれば値崩れするだけでなく無謀に森に入って命を落とす低ランクの馬鹿が激増することだろう
冒険者の間ではどこからとなく情報が流れるものだしな
出所を隠したとしても貴族の密偵やそれに近い者が調べに来るだろうし、そこからバレればまた面倒なもめごとが起きることも想像に難くない
「とりあえずギルド用に10本、キアナさん預けといたから」
それを商会におろすのか貴族に仕入れの倍以上の高額で売りつけるのかはギルマス次第だろう
ひょっとしたら一部を自分で買って武器作る可能性もありえるか
こう見えてギルマスも剣主体で戦う元Aランク冒険者だしな
そのへんは好きにしてくれればいいことだけど
「お前のそういうところはサラサにそっくりだな」
「そうかな?」
「ああ、オークションの時の肉の差し入れなんかもそうだがな」
『あれは美味かった』と言って豪快に笑うギルマスに苦笑する
おすそ分け、根回し的な感覚は確かにこの世界では珍しいのかもしれない
そういやまだレティにもちゃんと説明してないんだっけ
改めて思い出しながら俺達はギルドを後にした
140
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~
黒色の猫
ファンタジー
孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。
僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。
そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。
それから、5年近くがたった。
5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる