チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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118.契約獣

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『何言ってるのシア?シアの魔力はサラサより多いよ?』
「へ?」
当然の様に言うクロムに俺は口を開けたまま固まった
母さんより魔力が多い?
まじで?
『サラサを超えたのは種族が変わった頃で、その頃にサラサ3人分くらいの魔力になったよ』
「サラサさんの3倍…ってどれくらい?」
「…とんでもない量ってことだけは分かる」
むしろ俺が聞きたいくらいだ
ステータスにも鑑定にも魔力量は数値としては表示されない
出るのは『魔力枯渇』『魔力不足』『魔力減少』『魔力充足』『魔力最大』の5段階の状態表示だけだ
調べる魔道具は存在してるけど神殿でそれなりの金額を払っての事になる
故にわざわざ調べようとする人は少ない
俺がインベントリの拡張を始めたことrに確認してたのだってこの『魔力最大』の表示が『魔力充足』になる点だけ
結局変わることは無かったけど…

冒険者が自分の魔力量を把握する時は『魔力枯渇』状態まで使い切ってから、『魔力充足』まで回復するのに回復薬がどれくらい必要か確かめる
その本数が多ければ魔力量が多いという判断だ
一般人は初級の回復薬1本で事足りる
ちなみに家では5歳と10歳の時に皆その測定が行われていて、俺と双子は5歳の時で中級の回復薬を1本使い切ったらしい
つまり初級だと10本くらい必要になる

『そういうことだから問題はないと思うぞ?』
神獣が“だから早く契約してくれ”とでもいう様にすり寄って来る
毛並みが滅茶苦茶気持ちいい
これ、ヤバいやつだな
人間をダメにするクッションならぬ人間をダメにするモフモフ…言う名の毛並み
俺はその心地よさを想像してゴクリと生唾を飲み込んでいた

相手から申し出てくれてるこの状況で拒否はないよな…
「わかったよ。魔力量に問題ないなら俺も歓迎する。ただそのサイズだと大半の時間影の中になるぞ?」
『問題ない。このサイズなら普段から側にいれるだろう?』
神獣は突然子犬サイズになった
「かわいー!」
子犬サイズのフワフワの羊にレティは陥落した
気持ちは分からなくもない
俺はそのまま神獣と契約してリアンと名付けた

『シープキングの角なら生え変わりで不要になったものが山積みになってるはずだ』
リアンに依頼の話をしたらそんな答えが返ってきた
案内されたのは森の中の洞窟の1つで中をのぞくと文字通り角が山積みになっていた
「これを持って行けと?」
『やつらにはゴミだからな』
「ゴミを何でここに集めてるんだ?」
『子供がその魔力に触れると魔力酔いになるし下手すれば死ぬ』
よくよく聞くとシープキングの子供は魔力抵抗が弱いらしい
そしてシープキングの角は生え変わりと同時に古い角は自然と抜け落ちる
その抜け落ちた角は抜ける前と同等の魔力を保持するだけでなく常に放出している状態となり風化することも腐ることもなく森の中で存在し続ける

「その魔力が自らの子の毒になると?」
『ああ。だから洞窟にまとめてその付近には大きくなるまで近づかないようにしているようだ。この付近の洞窟には同様に角が山積みになっているものがいくつかある』
色んな場所に集めないのは出来るだけ行動範囲を制限したくないかららしい
「つまりシープキングにとったら、この角の残骸は回収してもらった方が助かるってことか?」
『そうなるな』
「…倒す必要なかったってこと?」
「必要なのが角だけならそういうことだな」
それはそれでどうかと思うが…
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