チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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117.何でもいいわけじゃない

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『シアきたー』
「お、サンキュ」
リトスの言葉の少し後再びシープキングが現れた
風魔法でサクッと仕留めるとインベントリに格納する
「これで3頭、角6本か。うまくいけばあと2頭だな」
「だね。たまに角2本揃ってないのもいるけど…」
「まぁ習性から考えれば仕方ないけどな」
「角が武器変わりだもんね。岩も砕けるんだっけ?」
「砕けるらしいな。だからこそ武器の材料になる」
岩を砕く素材は少ない
普通は鉱石を素材にするけどシープキングの角を粉状にして鉱石に混ぜると強度が数倍になるらしい
おまけに魔力を含んでるから補助効果も乗せやすい

「それにしても…」
「ん?」
「シープキングあんま可愛くないな」
仕留めたシープキングを見ての率直な感想
個体によるものなのかは不明
まぁ、頭と体が切り離されてるのにと言われれば言い返す言葉もないけど
「モフモフはいい感じなんだけどな。顔は残念な感じだし何よりバランスが悪すぎる」
「…そう…ね…」
モフモフのデカい体にちょこんと乗った頭部が小さすぎる
契約すればそれなりに愛着は湧くんだろうけど…どちらかと言えば遠慮したい部類だ

「別の探すかなー。そういやレティ」
「何?」
「家出てからスライム結構見たけどまだ契約してないよな?」
「まだだよー。青い子がいいんだもん」
「青?」
そう言えば道中で見たのは緑と赤だったか
記憶をたどってみても青は覚えがない
「青は持ってたとしても水属性だろ?別に必要ないじゃん」
スライムの一部が魔法を使えるのは有名だ
基本的に色を見ればその属性が分かる
青は水、赤は火、緑は風みたいな感じ
レティ自身が水魔法を持ってるし、攻撃手段と関係なく生活魔法で水は出せるからたとえ魔法が使える個体だったとしてもあまり意味がない
「属性って言うか…」
レティが口ごもる
俺がシープキングを見て別のを探そうと思っただけに、スライムだからと言って何でもいいわけじゃないんだろうけど、レティのこういうのはちょっと珍しい

「属性じゃないならなんだ?」
「…シアの目の色と同じがいいなーって」
レティはそう言いながら顔をそむけた
耳元が少し赤く色づいてるのは気のせいじゃないよな?
何だこの可愛い生き物
「…ありがとな」
レティの頬に手を当てこっちを向かせるとそのまま口づける
口づけしながら魔力を交換するのはいつからか当たり前になったなーなんて、レティの甘い魔力を感じながら思う
甘いものなんて特に好きでもないはずなのにこれだけは別

「見つかるの楽しみだな」
そういうと嬉しそうに笑う
『しあー』
「どうしたリトス」
『クロムがなにかつれてきたよー』
その言葉に俺達は顔をみあわせる
「連れてきた?」
「追われてるとか追ってるとかじゃ、ないんだよな?」
『うん いっしょにこっちにむかってる』
「一緒に?どういうことなのかな?」
レティが首をかしげる

“ボク見つける。見つけてシアに会わせてあげるね”
不意に俺の頭の中に昨日のクロムの言葉が思い出された
あの時は特に気にもしてなかったけどよく考えたら表現がおかしい
まるで目的の魔物がいて、その魔物と意思疎通ができるとでも言ってるような…
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