チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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108.コーディネイト

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「悪い大分待ったか?」
「大丈夫」
「そんなに待ってないよ」
既にギルド前に居た2人に尋ねるとそう返ってきた
「ケイン何食べたい?」
「ちなみにお勧めは屋台だぞ」
「それお勧めって言うの?」
レティがクスクス笑いながら突っ込んだ

「お店自体はそんなに評判いい所ないみたいなんだよね」
「そうそう。でも屋台の串焼きで何軒か教えてもらった。魚もあるって」
「お魚!」
ケインが食いついた
「これは決まりか?」
「だね。よし行こう」
シャノンの先導で動き出す

「買い物は順調なの?」
「うん。いっぱい買ったよ」
「シャノンは服ばっか」
「服ばっかって…お前いっぱい持ってただろ?」
「旅の間テントにいっぱい詰まってたよね?」
「いいの。可愛いの一杯見つけたんだもん」
シャノンの服へのこだわりはどこから来るんだろうか?

「ルークは何買ったの?」
「僕は装備としてのコートと手袋。ケインは目ぼしい薬草見つかったのか?」
「うん!でも薬草じゃなくて薬屋さん」
「「?」」
ケインの言葉にルークとシャノンが首をかしげて俺達を見て来る
結果、屋台への道中で説明することになった

「ケインが薬屋に弟子入りか~」
「何となく予想は出来たけど向こうから望まれるのは予想外ね」
奇遇だなシャノン
俺もそう思うぞ
「でもケイン、弟子入りしようと思ったらシアに甘えてばかりはいられないね」
「分かってる。シエラもいるし僕はお兄ちゃんになる」
「これは…」
ケインの強い思いが伝わってるく
ひょっとしたら予想よりだいぶ早く弟子入りするかもしれない
ルーク達もそう思ったのか期待と同時にわずかに寂しさを含んだ顔をする
弟妹の成長は嬉しくもあり寂しくもあるんだよな

「シア」
「ん?」
「シアはレティシアナに服を買ってあげたりしないの?」
「は?」
ケインの突然の質問に唖然とする
何をもってそんな話が飛び出したのかさっぱりわからん
「お父さんはよくお母さんに服とか装飾品買ってあげてるよ?カルムさん達も」
「…」
俺はその言葉に思わずレティを見た

「私は別に望んでないけど?でもシアの服を選んでみたい気はするかな」
「それ面白そう」
「確かに。シアは無難な服しか着ないから僕も選んでみたいな」
この流れはまずい
何とか話をそらさないと…と思ってたのにケインに打ち砕かれる
「じゃぁ午後は4人でシアの服選びだね」
満足げに宣言したケインにシャノンとルーク、レティがワクワクした素振り
「…勘弁してくれ」
「だーめ。多数決で決まりでーす」
お約束の言葉“多数決”
人数の多い俺達の中で揉めたり意見が分かれた時は多数決が鉄則だ
これを出されると俺も逃れる自信はない
「…分かったよ。お前らが選んでくれた服を買うことにする」
ぶっちゃけ俺にとって服なんてそれなりに見栄えが良くて着やすくて、動きやすければ何でもいい
結果、似たような服しかないわけだが…
不本意ながら俺は着せ替え人形の気分を味わうことになるらしい
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