チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
265 / 370
104.隣町へ

2

しおりを挟む
「次はこっちの番だな。馬車に乗ってるのが隊長のキース、基本的にコーラル様の守りに徹する」
まぁそうだろうな
そういう人がいるから俺達は動きやすい
「俺はジーン、風魔法が使えるが剣の方が扱いやすい」
「ルイジ、双剣使いだ」
「モウリス、見ての通り弓使いだ」
「デニス、知ってると思うが火魔法だな」
それぞれが自己紹介してくれる
最後のデニスはよくコーラルさんについて家に来ている中の1人だ

「隊長さんが来てて町は大丈夫なの?」
ケインがふと疑問に思ったことを口にする
「ああ、大丈夫だ。副隊長が代わりに町に残ってる隊をまとめてくれてるからな」
「そっか。よかった」
満面の笑みに空気が和む

「そう言えば、領主邸の騎士ってどうやったらなれる?」
ルークが何か思い出したかのように尋ねる
「大半が2つのパターンで決まる。1つは貴族のルートで紹介を受けた者、もう一つは一般応募。これは俺達みたいな平民に開かれた道だ」
「一般応募は毎年5月に募集を出して6月に試験がある。貴族の紹介は騎士学校の成績によって採用、不採用が分かれるらしい」
「試験ってどんな?」
「筆記と実技だな。筆記に関しては午前中に講義があって、午後一番でその内容に関する試験だ。その後体力測定と得意な攻撃方法での実技試験がある」
「何だ、冒険者をやめて騎士になるのか?」
からかう様に尋ねられてルークは苦笑する

「僕じゃなくて孤児院の中で騎士になりたいってのが何人かいるんだ」
「孤児院に?」
「戦う術がないんじゃないのか?」
「そうでもない。『弾丸』と俺達『無限』、マリクたちの『暁』が孤児院で剣や魔法に関して教えてるからな」
「何だと?」
ルイジが身を乗り出した
「今はシャノンが生活魔法、ルークが剣を毎週教えに行ってるんだったよな?」
「そうだよ。生活魔法を使いこなせるようになった子には持ってる属性に合わせて対応かな」
シャノンはサラッと言う

「その、生活魔法を使いこなせるようになったのはどれくらいいるんだろうか?」
「ん~今在籍してる子の中では3人かな。引き取られた子や別の町の孤児院の子を合わせたらもっといるよ」
「剣も結構筋のいい子がいるんだ。その子が将来騎士になりたいって言ってる」
だからこんな話題になったのか

「聞いていいだろうか」
「ん?」
「その子の引き取り手はもう決まっていたりは?」
「いや、今のところそんな話は聞いてないけど?」
「何だジーン、養子でもとるのか?」
「ああ、前から考えてはいたんだ。娘が2人いるが3人目は息子が欲しいと家族揃って言ってたんだが…医者にこれ以上は危険だと言われてな」
「そう言えばお前の嫁さん、元々体が丈夫じゃなかったか?」
「そうなんだ。俺としては自分が剣が好きなだけに打ち合いできる息子が欲しいと思ってな?」
ジーンさんはちょっと恥ずかしそうに言う

「流石に孤児で剣が使える子なんていないだろうと諦めてはいたんだが…」
「そういう事だったらあいつ、セシリオも喜びそうだけど」
「セシリオというのか…いい名だ」
「ジーンさんなら基礎からしっかり剣を教えてもらえるからピッタリなんじゃない?」
「そうだな。後は他の家族含めた相性の問題か」
ジーンさん的には決まりって感じだけど相性だけは実際に会ってみないと分からないからな
この任務を終えたら家族そろって孤児院に顔を出すと宣言してしまうあたり潔いというか何というか…
予想外の展開とは言え引き取り手が見つかるならそれにこしたことは無いと、皆好意的に受け止めていた
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界超能力だより!~魔法は使えませんが超能力なら使えます~

Mikura
ファンタジー
 その日、明日見 遥(あすみ はるか)は見知らぬ森の中で目を覚ました。  だが超能力者である彼女にとってそれはあり得ないことではない。眠っている間に誤って瞬間移動を使ってしまい、起きたら知らない場所にいるということはままあるからである。だから冷静に、家に戻ろうとした。しかし何故か能力を使っても家に戻ることができない。千里眼を使って見れば見慣れぬ髪色の人間だらけ、見慣れぬ文字や動植物――驚くべきことに、そこは異世界であった。  元の世界に戻る道を探すべくまずはこの世界に馴染もうとした遥だったが、重大な問題が発生する。この世界では魔力の多さこそが正義。魔法が使えない者に人権などない。異世界人たる遥にも、勿論魔法は使えない。  しかし彼女には、超能力がある。使える力は魔法と大差ない。よし、ならば超能力を使って生きていくしかないと心に決めた。  ――まずはそこの、とても根が良さそうでお人好しで困っている人間を放っておけないタイプらしいお兄さん、申し訳ないが私が生きるために巻き込まれてください。  これは超能力少女が異世界でなんやかんやと超能力を駆使してお人よしのお兄さんを巻き込みつつ、のんびり(自称)と暮らす物語である。

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫
ファンタジー
 孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。  僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。  そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。  それから、5年近くがたった。  5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

半神の守護者

ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。 超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。 〜概要〜 臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。 実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。 そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。 ■注記 本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。 他サイトにも投稿中

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...