チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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104.隣町へ

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「次はこっちの番だな。馬車に乗ってるのが隊長のキース、基本的にコーラル様の守りに徹する」
まぁそうだろうな
そういう人がいるから俺達は動きやすい
「俺はジーン、風魔法が使えるが剣の方が扱いやすい」
「ルイジ、双剣使いだ」
「モウリス、見ての通り弓使いだ」
「デニス、知ってると思うが火魔法だな」
それぞれが自己紹介してくれる
最後のデニスはよくコーラルさんについて家に来ている中の1人だ

「隊長さんが来てて町は大丈夫なの?」
ケインがふと疑問に思ったことを口にする
「ああ、大丈夫だ。副隊長が代わりに町に残ってる隊をまとめてくれてるからな」
「そっか。よかった」
満面の笑みに空気が和む

「そう言えば、領主邸の騎士ってどうやったらなれる?」
ルークが何か思い出したかのように尋ねる
「大半が2つのパターンで決まる。1つは貴族のルートで紹介を受けた者、もう一つは一般応募。これは俺達みたいな平民に開かれた道だ」
「一般応募は毎年5月に募集を出して6月に試験がある。貴族の紹介は騎士学校の成績によって採用、不採用が分かれるらしい」
「試験ってどんな?」
「筆記と実技だな。筆記に関しては午前中に講義があって、午後一番でその内容に関する試験だ。その後体力測定と得意な攻撃方法での実技試験がある」
「何だ、冒険者をやめて騎士になるのか?」
からかう様に尋ねられてルークは苦笑する

「僕じゃなくて孤児院の中で騎士になりたいってのが何人かいるんだ」
「孤児院に?」
「戦う術がないんじゃないのか?」
「そうでもない。『弾丸』と俺達『無限』、マリクたちの『暁』が孤児院で剣や魔法に関して教えてるからな」
「何だと?」
ルイジが身を乗り出した
「今はシャノンが生活魔法、ルークが剣を毎週教えに行ってるんだったよな?」
「そうだよ。生活魔法を使いこなせるようになった子には持ってる属性に合わせて対応かな」
シャノンはサラッと言う

「その、生活魔法を使いこなせるようになったのはどれくらいいるんだろうか?」
「ん~今在籍してる子の中では3人かな。引き取られた子や別の町の孤児院の子を合わせたらもっといるよ」
「剣も結構筋のいい子がいるんだ。その子が将来騎士になりたいって言ってる」
だからこんな話題になったのか

「聞いていいだろうか」
「ん?」
「その子の引き取り手はもう決まっていたりは?」
「いや、今のところそんな話は聞いてないけど?」
「何だジーン、養子でもとるのか?」
「ああ、前から考えてはいたんだ。娘が2人いるが3人目は息子が欲しいと家族揃って言ってたんだが…医者にこれ以上は危険だと言われてな」
「そう言えばお前の嫁さん、元々体が丈夫じゃなかったか?」
「そうなんだ。俺としては自分が剣が好きなだけに打ち合いできる息子が欲しいと思ってな?」
ジーンさんはちょっと恥ずかしそうに言う

「流石に孤児で剣が使える子なんていないだろうと諦めてはいたんだが…」
「そういう事だったらあいつ、セシリオも喜びそうだけど」
「セシリオというのか…いい名だ」
「ジーンさんなら基礎からしっかり剣を教えてもらえるからピッタリなんじゃない?」
「そうだな。後は他の家族含めた相性の問題か」
ジーンさん的には決まりって感じだけど相性だけは実際に会ってみないと分からないからな
この任務を終えたら家族そろって孤児院に顔を出すと宣言してしまうあたり潔いというか何というか…
予想外の展開とは言え引き取り手が見つかるならそれにこしたことは無いと、皆好意的に受け止めていた
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