チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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別荘に来て2週間がたった
レティとの時間を堪能しながら変化した体にもかなり慣れた
不思議なことに龍化するたびに力や魔力を操る力が向上する
膨大な力と魔力を手に入れた割になじむのが早いのは一体何のおかげなのか…
とにかく今では龍化しても人型の時と同等の繊細な魔力操作ができるようになっていた

「もう大丈夫なのかな?」
家に向かう道中レティが呟くように尋ねて来る
「どうかな。シャノン達が色々広めてるみたいだしこれまで程ではないと思いたいけど」
「そう…だね」
「そんな不安そうな顔すんなって」
俯くレティに苦笑する
気丈にやり返しててもそりゃ不安だよな…
幸か不幸か、レティは前世で言う有名人と付き合ってるような状態だ
個人的には有名人なんて立場に立ちたいわけじゃなくても、『弾丸』の家族であることや最年少のAランクってことで嫌でも目立つ
好意的に受け取ってくれる人もいるけどそれ以上に妬みも多い
それは俺自身がどう思っていても変わらないわけで…
俺がもっとうまく周りを捌ければよかったんだろうけど今さらどうしようもない
昔からそんな視線にさらされてきた俺にとったら適当に流せることでも、いきなりそんな中に放り込まれたレティにとったら辛いだろうことも想像は出来る

「変わらないとか、時間置いてまた酷くなるようならその時に考えればいい。今回みたいに別荘に避難してもいいし、なんならまた旅に出てもいい」
「旅…」
「セトイカみたいに遠い所じゃなくても近場の町に行くのも有だと思うしな」
「そんなこと許してもらえる?」
「俺達は成人した冒険者だぞ?たとえ反対されても理由なんていくらでも並べれるって」
実際この町の側にある初級と中級の迷宮は全て踏破した
上級迷宮は歩いていける範囲には存在しない
つまりそれを理由に一時的に拠点を移すことだって可能だ
『弾丸』が上級迷宮に挑めたのは馬があるからだしな
その辺を説明するとレティはホッとしたように表情をやわらげた

「あ!シア、レティシアナお帰り!」
家の前で遊んでたスカイが俺達に気付いたらしい
大声でそう言いながら駆け寄ってくると、その声を聞きつけて皆が飛び出してくる
「お帰りなさい2人とも」
「ただいま」
「ただいま戻りました」
俺達はもみくちゃにされながら家に押し込まれるようにして入った

「順調に愛を育めたみたいね?」
「愛…育むって母さん…」
開口一番それは勘弁してくれ
「だって当然の様に肩を抱き寄せてるものね~」
「本当、レイの時を思い出すわ~」
「ナターシャ余計なことは言わなくていいから」
父さんが釘をさすところを見ると似たような状況だったってことか…

「ねぇシア」
「どうした?」
「リトス大きくなった?」
ケインがリトスをじーっと見ながら尋ねて来る
「ああ。大きくなっただけじゃないんだけどな…」
俺はそう言いながらレティと顔を見合わせた

「…何があったのか説明してもらわないと、かしら?」
母さんがそう言いながらソファーに腰を深く腰掛け直した
「あー説明するより見てもらった方が早いかな」
俺は閲覧権限を変更してステータスを表示した

「…は?」
「どういうこと?」
皆の目が大きく見開かれて言葉を発した次の瞬間沈黙が流れた
「そうなるよな…」
苦笑しながら言う俺に説明しろと言う視線が集まった
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