チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
251 / 370
100.変化

1

しおりを挟む
レティと2人で気ままに過ごす時間はあっという間に過ぎていく
龍神族という種族を得たらしい俺はレティと共にその力を探っていた
「やっぱり体が軽い」
今居るのは中級迷宮の最後のボス部屋
朝からボスだけに挑むいわゆるボス巡りをしていた

「そんなに違う?」
「ああ。旅から戻って来た後に挑んだ時と比べ物にならないくらいだな」
なんならもう1週軽くこなせる気がする
「龍神族が身体能力に優れてるのは聞いてたけどここまでとは思わなかったな」
レティが1人で生きてこれたのにも納得だ
「でもこの辺で一旦休憩するか」
「そうだね。丁度ボス部屋だし」
この世界の冒険者の共通認識『ボス部屋=どこよりも安全』だもんな
「リトスおいで」
ポーチを開けて呼びかけるとすぐに飛び出してきた
「…ねぇ、リトス大きくなってない?」
レティがリトスをじっと見ながら尋ねてくる
「そうなんだよな。この数日で一気に大き…く…?!」
言いながら気づく
リトスの命の源は俺の魔力
これまでの魔力と今の魔力は同じものなのか?
恐る恐るリトスを鑑定した

***
リトス(テイムにより進化し、龍神族の魔力を源とすることでとなったネームドモンスター)
ブルサモモンガとモモンガの血を引いたハーフ
テイマーの魔力を得ることで生命を維持できる固有種のため寿命はテイマーに準ずる
3ごとに分裂し個体数を増やす
特徴:成体時の最大サイズ30cm500g、臭い無し、袋有り(無限収納)
スキル:飛翔、気配察知、
***

「マジか…」
「どうしたの?」
「リトスが超越体に進化した」
「え?」
『ちょうえつたい なに?』
レティは驚き、リトスは不思議そうに尋ねて来る
「最大30cm、500gくらいになるらしい。それに結界と風魔法を覚えてるし、念話が意思疎通に変わってる。あとは分裂まで3年?」
「モモンガが結界に攻撃魔法…」
『シア、いしそつう なに?』
「…リトスが話したいと思う相手と会話できるみたいだぞ?」
世界辞書で調べるとそう表示されていた
因みに念話は通常、テイマーとしか行えないし、そのスキルをテイムした魔物が持っている場合に限られる
『レティシアナとはなしたい』
「あ」
リトスが言った途端レティがリトスを見た
「今の、ひょっとしてリトスの声?」
『ぼくのこえ きこえる?』
「ええ…ええ!聞こえるわリトス」
『わーい』
リトスは飛び上がってレティの肩に乗った
『レティシアナ だいすき~』
「嬉しい!私もリトスのこと大好きよ」
じゃれ合う1人と1匹が微笑ましい
どっちも可愛いから俺は眺めてるだけでも満足だ

「リトスのスキルは今度実際に確認してみるとして、今は飯だな」
『ごはん!』
「あ…」
ご飯と言いながらこっちに飛びついてきたリトスにレティが残念そうな声を漏らす
その気持ちはまぁわからんでもない
「リトスは果物か?」
別荘に来る前に仕入れた果物を3種類ほど皿に乗せてやると早速かぶりついていた
「俺達はサンドイッチでいいか?」
「うん」
レティの分も取り出した
ついでに飲み物、果実水を2人分用意する

「この後は龍化を試したいんだっけ?」
「ああ。レティの龍化を一度見せてもらったから何となくイメージは出来てるんだけどな」
だからって町中で龍化を試して失敗したらとんでもないことになる
だからここ---迷宮のボス部屋---を選んだ
丈夫さと大きさでここを上回る場所はそう多くないから
「龍化しても言葉は話せるんだよな?」
確かレティは話してたはず
「話せるよ。スキルも同じように使えるし変わるのは体の形や大きさ、あとはスキルの威力に、飛べるってことくらいかな?」
じゃないと思うけどな?」
「…そうね」
「まぁ、獣人族は獣化・人化・半獣の姿に変化できるらしいし、そういう意味ではと言えなくもないのか…?」
人族の視点で考えるからとんでもないことに感じるだけなのかもしれない
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~

沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。 ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。 魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。 そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。 果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。 転生要素は薄いかもしれません。 最後まで執筆済み。完結は保障します。 前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。 長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。 カクヨム様にも投稿しています。

私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない

丙 あかり
ファンタジー
 ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。  しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。  王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。    身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。    翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。  パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。  祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。  アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。  「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」    一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。   「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。 ****** 不定期更新になります。  

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜

三月べに
ファンタジー
 令嬢に転生してよかった〜!!!  素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。  少女漫画や小説大好き人間だった前世。  転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。  そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが? 【連載再開しました! 二章 冒険編。】

転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ

幸之丞
ファンタジー
 聖女のお仕事は、精霊のみなさまに助けてもらって国を守る結界を展開することです。 この世界に転生した聖女のエリーゼは、公爵家の子息と婚約しています。  精霊から愛されているエリーゼは、聖女としての能力も高く、国と結界を維持する組織にとって重要な立場にいます。    しかし、ある夜。エリーゼは、婚約破棄されます。 しかも婚約者様が、勝手に聖女の任を解いてしまうのです。 聖女の任を解かれたエリーゼは「ラッキー」と喜ぶのですが…… この国『ガイスト王国』は、どの様なことになるのでしょう。 ――――――――――――――――  この物語を見つけていただきありがとうございます。 少しでも楽しんでいただければ、嬉しいです。

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~

りーさん
ファンタジー
 ある日、異世界に転生したルイ。  前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。  そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。 「家族といたいからほっといてよ!」 ※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

処理中です...