チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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閑話9 それぞれの反応(side:町の人々)

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「何なのよ…」
「あれだけアピールしたのにストーカーって…酷すぎじゃない!」
「近寄るのも話しかけるのもダメって何?!しかもあの女に手を出すなって…シアがあんなこと言うなんて信じられない!」
「シアが誰か一人に決めちゃうなんて…」
仲良さげに話ながら去っていくのを見ながら2、人と野次馬の中にいた女たちが口々に言葉を漏らしていた

「これまで散々女に興味なんて持たなかったくせに!だからずっと狙ってたのに!!」
狙ったからと言って自分の物になるわけではないということを彼女たちは理解していない

「でも…」
「何よ?」
「シアのあんな冷たい顔も、優しい顔始めてみた…」
その言葉に、やさしい眼差しでレティシアナを見るシアをじっと眺める女たちは悔しそうに手を握りしめた
彼女たちの知るシアはひたすら無関心を貫いていたのだ
笑いかけるのは冒険者やギルド、店の店主たちの一部だけ
それ以外には一切気も向けない
彼女たちが話しかけても最初の頃はウザいと返されたものの、それ以降は欠片程の意識すら向けられてはいなかった

「シャノンが言いふらしてるってことは弾丸も認めてるってことだよね…?」
「うん…」
「くやしいけど…綺麗な人だった」
「冒険者でしかも高ランク?」
「シアの理想ってそういう相手ってこと?適うわけがないじゃない…」
納得いかないといきり立つ中にもあきらめの声が出始める

「ま、同じ条件が揃ってても、自分のことしか考えてないお前らじゃ無理だな。いい加減身の程を知った方がいいんじゃないか?」
「な…!?」
「あいつは昔から言ってただろうが?自分の表面と背後しか見てない女は獣と変わらないってな」
そう言ったのは年配の冒険者だった
「獣って…酷い!」
「そうよ!私はあんなに醜くないわ!」
「醜いかどうかはともかく人を見れば餌と思う獣と、シアを見たら獲物と思うお前ら、さほど変わらんだろうに…」
「獲物だなんて思ってないわ!私はただ…」
言い訳しようとする言葉を遮って冒険者たちはさらに続けた

「見た目、ランク、金、弾丸。お前らが見てるのはそれだけだろうが?権力や金に群がるだけの女って思われてんだよ」
「酷…」
「酷い?どっちが?」
「え?」
「シアが嫌がってるのにも気付かずに、ひたすら付きまとい続けたお前らの方がよっぽど酷いだろうが。そのせいであいつは女嫌いになったんだぞ?」
「!」
「でも!最初の頃はウザいって言われたけど最近は何も言わなかったわ!」
言い返したのは野次馬の中にいた女だ
この場にいる中ではかなり容姿の優れた部類に入る
それを自分で理解して武器にしてるのがありありと見て取れた

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