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91.コイバナ?
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「ってことで、俺は今月中にプロポーズするからな」
「へ?」
思わぬ爆弾発言に呆けてしまった
マリクもそろそろだろうとは皆がぼやいてたけどまさかの今月中
「ギルマスに結構前から言われてたんだよ。いい加減けじめつけろって」
そういやローラはギルマスの娘だったっけ
2人が付き合い始めた頃は、よくギルマスの娘に手を出したもんだって周りが騒いでたっけ
よくよく聞いてみればマリクからじゃなくローラから迫ったって言うから余計驚いた
ローラが迫ったこともだけど、マリクが迫られて落ちたってことの方が俺には衝撃的だったのを覚えてる
「ずっと探してた魔石がやっと手に入ったからな。ブレスレットが出来上がれば準備完了だ」
「ローラの目の色だっけ?」
「ああ。淡い緑は中々無いんだよな」
確かにローラの目の色の魔石は滅多に見かけない
青系と赤系は濃淡問わず比較的入手しやすいけどそれ以外は一気に難しくなる
因みに魔物から取れる魔石は、同じ魔物から出た物だと色系統は同じになる
でもなぜか濃淡は個体により差があるから同じ濃淡の物を見つけるのは困難だ
魔道具に使う場合も濃淡で能力に差が出るらしい
それでもマリクは買うんじゃなく自分で入手すると言って、けっこう長い間頑張ってたはずだ
ギルマスもローラもそれをリアムから聞いて知ってるから気長に待ってたらしいけど、流石に痺れを切らしたというあたりだろうか
まぁ婚前交渉は普通に認められてても、婚前で妊娠するのは喜ばれないからな
抱きつぶすことが多いならその分心配も大きくなるってことか
「そういやリアムも焦り出したみたいだぞ」
「リアムが?何で?」
「シャノンが旅の中で付き合ってたって聞いたからみたいだな」
「あ~あいつも引き強いからなぁ…」
俺達の中では問題しかないシャノンの辛い初恋は、リアムにとって心配の種だったってことか
「知らないところで手に入らなくなるのは後悔してもしきれないってぼやいてた」
「あはは~でもあのシャノンに気長に付き合えるのなんてリアムぐらいな気もするけどな」
「確かに…シャノンはかなり特殊な育ち方してるからな」
俺達は思わず渇いた笑いを零した
「弾丸の親父にソーサリーマスターの母親、最年少Aランクの兄とくればなぁ…しかも弾丸ファミリーにお姫様扱いされてきたわけだし?」
「マリクやリアムも変わんねぇじゃん。おかげで俺はルークのフォロー役だぞ?」
「あはは!確かに違いない!でもそんなシャノンだからこそ、その辺の男じゃ無理だと思うんだよな」
「それには同意する。リアムには精々頑張ってもらいたいもんだよな」
兄としてもその辺は切に願う
「とにかくだ。俺もリアムも動き出した。なのにシアは立ち止まるのか?」
「…その言い方はずるいだろ…」
ニヤリと笑いながら言うマリクを恨めしく思いながら返す
「なら進むしかないだろ?そもそもだ。『今さら』なんて言葉、俺達は絶対言わないからな」
「マリク…」
そうだった
マリクたちは本当に気持ちを伝えたかった人に二度と伝えることは出来ない
ある日突然失った大切な人達に、なすすべもなかった自分を悔い続けてきただけに言葉の重みが違う
「何があるのかわからないのが当たり前なんだ。後で後悔するくらいなら恥ずかしかろうが情けなかろうが、想ってることは伝えるべきだと俺は思うけどな」
「…」
「まぁ頑張れ」
「…あぁ」
俺は少し照れくさく思いながらもけじめを付けようと決めた
「それにしても…」
「ん?」
「シアとこんな話をする日が来るとはな~」
「言うな…」
バツが悪くなり吐き捨てる様に言った俺を見てマリクは噴き出した
人生初の恋の相談は、その後マリクからからかわれるネタとなることを、この時の俺はまだ知らなかった
+-+補足+-+
マリクとリアムの過去が気になる方は
「ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました」を覗いてみてください
マリク:19.養子
リアム:27.マリクの弟
「へ?」
思わぬ爆弾発言に呆けてしまった
マリクもそろそろだろうとは皆がぼやいてたけどまさかの今月中
「ギルマスに結構前から言われてたんだよ。いい加減けじめつけろって」
そういやローラはギルマスの娘だったっけ
2人が付き合い始めた頃は、よくギルマスの娘に手を出したもんだって周りが騒いでたっけ
よくよく聞いてみればマリクからじゃなくローラから迫ったって言うから余計驚いた
ローラが迫ったこともだけど、マリクが迫られて落ちたってことの方が俺には衝撃的だったのを覚えてる
「ずっと探してた魔石がやっと手に入ったからな。ブレスレットが出来上がれば準備完了だ」
「ローラの目の色だっけ?」
「ああ。淡い緑は中々無いんだよな」
確かにローラの目の色の魔石は滅多に見かけない
青系と赤系は濃淡問わず比較的入手しやすいけどそれ以外は一気に難しくなる
因みに魔物から取れる魔石は、同じ魔物から出た物だと色系統は同じになる
でもなぜか濃淡は個体により差があるから同じ濃淡の物を見つけるのは困難だ
魔道具に使う場合も濃淡で能力に差が出るらしい
それでもマリクは買うんじゃなく自分で入手すると言って、けっこう長い間頑張ってたはずだ
ギルマスもローラもそれをリアムから聞いて知ってるから気長に待ってたらしいけど、流石に痺れを切らしたというあたりだろうか
まぁ婚前交渉は普通に認められてても、婚前で妊娠するのは喜ばれないからな
抱きつぶすことが多いならその分心配も大きくなるってことか
「そういやリアムも焦り出したみたいだぞ」
「リアムが?何で?」
「シャノンが旅の中で付き合ってたって聞いたからみたいだな」
「あ~あいつも引き強いからなぁ…」
俺達の中では問題しかないシャノンの辛い初恋は、リアムにとって心配の種だったってことか
「知らないところで手に入らなくなるのは後悔してもしきれないってぼやいてた」
「あはは~でもあのシャノンに気長に付き合えるのなんてリアムぐらいな気もするけどな」
「確かに…シャノンはかなり特殊な育ち方してるからな」
俺達は思わず渇いた笑いを零した
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「マリクやリアムも変わんねぇじゃん。おかげで俺はルークのフォロー役だぞ?」
「あはは!確かに違いない!でもそんなシャノンだからこそ、その辺の男じゃ無理だと思うんだよな」
「それには同意する。リアムには精々頑張ってもらいたいもんだよな」
兄としてもその辺は切に願う
「とにかくだ。俺もリアムも動き出した。なのにシアは立ち止まるのか?」
「…その言い方はずるいだろ…」
ニヤリと笑いながら言うマリクを恨めしく思いながら返す
「なら進むしかないだろ?そもそもだ。『今さら』なんて言葉、俺達は絶対言わないからな」
「マリク…」
そうだった
マリクたちは本当に気持ちを伝えたかった人に二度と伝えることは出来ない
ある日突然失った大切な人達に、なすすべもなかった自分を悔い続けてきただけに言葉の重みが違う
「何があるのかわからないのが当たり前なんだ。後で後悔するくらいなら恥ずかしかろうが情けなかろうが、想ってることは伝えるべきだと俺は思うけどな」
「…」
「まぁ頑張れ」
「…あぁ」
俺は少し照れくさく思いながらもけじめを付けようと決めた
「それにしても…」
「ん?」
「シアとこんな話をする日が来るとはな~」
「言うな…」
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人生初の恋の相談は、その後マリクからからかわれるネタとなることを、この時の俺はまだ知らなかった
+-+補足+-+
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マリク:19.養子
リアム:27.マリクの弟
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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