チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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85.レア素材

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取り出したのはケースに入った3つの植物

「これは?」
「初めて見る花ね。とてもかわいいわ」
こういう時母さんは、初めて見る者でも鑑定を使わずみんなと同じように楽しむ
「ファシスネーションフラワー。白味が強いのは睡眠薬、赤みが強いのは媚薬の原材料になるらしい。生花の香りは加工したものより強くて即効性があるからこのままで」
ケースを開けようとしたスカイを抱き上げて伝える

「開けちゃダメ?」
「白い方なら触ってもいいぞ?ただ、開けてすぐスカイは夢の中だ」
「…じゃぁ開けない」
まだまだ楽しそうなことがありそうなのに眠るなんてもったいない
スカイはそう言って俺の腕の中から抜け出して母さんの膝の上に座った


「噂には聞いたことがあるが初めて見るよ」
「この花もたくさんあるのか?」
「群生地は分かってるけどそんなに持ってきてないよ。各段階3つずつ。色味が10段階あるからそれなりの量にはなったけど…」
「私この花の香ですぐ眠っちゃったんだよね。凄くきれいな花畑だったのに景色を楽しむこともなく、気づいたら洞窟の中で寝てた」
「寝落ちしたシャノンを運ぶのは大変だったんだぞ?起きるまであそこに置いとくわけにもいかないし」
「物みたいにいわないで!」
拗ねたように言うシャノンに皆が笑う

「とにかくそういうことだからこれはギルドに売るつもりはないんだ。確保してきた苗は母さんに任そうと思って。使い方次第では麻酔薬の代わりにもなるだろうしね」
「賢明な判断だな」
父さんの言葉にちょっと嬉しくなる
「その群生地の場所を正確に示すことはできるかい?」
「ああ。これがそう」
すでに書き写した紙をコーラルさんに渡す
媚薬絡みだから多分王家が動くと踏んで準備してたものだ

「助かるよ。流石に媚薬成分は放置できないからね」
これは…土産が面倒ごとになってなければいいけど

「おそらく王家管轄にして研究することになるだろうね。これで医療の発展につながればいいが」
「そこはアイツらの腕しだいだろ?普段偉そうにしてんだからその分の実力くらい示してもらわないとな」
「こんないいもん手に入れて何も出来ないじゃあ情けなすぎるってもんだ」
『弾丸』容赦ねぇ…
まぁ俺としても碌な貴族がいないと思ってる口だからわからなくもない
実際母さんが広めた薬草の使い道なんかに関して文句言ってくる奴もいるくらいだからな
その度にコーラルさんが動いてゴミ掃除が出来たと喜んでるみたいだけど、そう言う意味ではどれだけゴミ貴族が多いんだ?って感じ…

「これはこれで素晴らしい情報と言えるだろうね。3人には旅の間にもゴミ掃除を手伝ってもらったようだし感謝してるよ。情報料は一旦シアの口座に振り込ませてもらうよ」
「了解」
「いや~それにしてもポイズンベアにファイアスネーク…素晴らしい!」
結局この日、コーラルさんは晩御飯を家で食べて、父さん達と散々語り合ってから帰って行った
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