チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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83.新しい部屋

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「あなた達お腹すいてるでしょ?」
「もうペコペコ!」
「僕も」
シャノンとルークは即答していた
そういえば帰って来てからひたすら質問攻めで喉も渇いてる

「だと思って今日はバーベキューよ」
「肉!?」
「やった!」
2人は早速庭に飛び出していく
そういえばさっきから父さんたちの姿が見えないと思ってたんだよな
そう思いながら庭に眼をやると、既に飲み始めていた

「俺先に風呂入ってきていい?」
「もちろんいいわよ」
「あ、私も!レティ一緒に行こ」
「え?」
庭に飛び出して言ったはずのシャノンに促されて戸惑うレティ

「家の風呂はデカいから一緒に行ってくるといい。母さん!」
「なーに?」
「レティの部屋は?」
「シアの部屋と一緒に3階にしたわ」
「俺の部屋も移したのか?」
「そ。レティシアナ1人だけ3階って言うのも可哀想でしょ?最初はシャノンの部屋を移そうと思ったんだけどスカイが嫌がったの」
シャノンの部屋とスカイの部屋は内扉で繋がっている
それは嫌がるだろうな

「奥がシア、手前がレティシアナよ」
「了解。俺もついでに見に行ってくるよ」
俺はレティを促して3階に向かう
何故かシャノンとルークも付いてきた

「何でお前らまで来るんだよ?」
「見てみたいから?」
「僕も」
シャノンもルークも興味津々と言った感じだろうか
まぁ、当の俺もちょっとワクワクしてはいるんだけどな

「まずこっちがレティの部屋だな」
手前の扉を開けるとウッドテイストの部屋が広がっていた

「素敵…本当にいいのかしら?」
「母さんに言ってやって。内装全部母さんがやったっぽいから」
「え?すごい…!」
「お母さん、家具も作っちゃうからね。ねぇ、シアの部屋も早く見たいな」
「…了解」
俺達はレティの部屋を出て奥の部屋に向かう

「…」
扉を開けてすぐ俺は固まった
そこに広がっていたのは前世で言うモデルルームみたいな部屋
黒と茶色を主体としたモダンな空間って言うのかな?

「すごーい…」
「こんな部屋初めて見た…」
「僕も…」
順にシャノン、レティ、ルークのコメントだ

「参った…」
「え?」
「いや、何でもない」
俺は誤魔化す様にそう言って中に足を踏み入れた
元々部屋に物はあまり置いていなかったおかげかどこに何があるか予想は出来た

「これは?」
「それは時計。時間を表示する魔道具だな」
レティが興味を示したのは魔石を動力としたデジタル時計だ
もっともこの世界は鐘の音を基準にしてるから、時計を基準にしているのは俺と母さんくらいだけど

「このランプ僕も欲しいな」
ルークがベッドサイドのテーブルランプを手に取っていた
ダークブラウンの木の土台に乗った球体のランプだ
そこから放たれているのはオレンジっぽい淡い光で、それもこの世界ではあまり見かけない
そう。つまりこの部屋には前世あったものを魔道具化した物が使われていたんだ
昔から母さんと前世の話をした時に出てきたものが殆どで、俺の曖昧な記憶からのあこがれをまんま形にしたのがこの部屋ってこと
俺は本当に母さんにかなう気がしない

一通り部屋を見て気が済むと俺達は風呂に向かった
久々の広い風呂に入る時間は至福の時間だったのは言うまでもない
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