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82.帰郷
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「とりあえず帰還報告しに来たんだけど…」
「そうね。すぐに手続するわ。ギルドカードをお願い」
涙を拭いて頭を切り替えたキアナさんは俺達の知ってる姿に戻った
「彼女がレティシアナ、新しいパーティーメンバーね?」
「ああ。旅の途中でパーティー登録は済ませてある」
「ええ。報告はこっちにも回って来てるわ」
「報告?」
「当然でしょう?あなた達には後ろ盾がいるんだから」
「あ~なるほど」
コーラルさんの存在がすっぽ抜けていた
そういやパーティーに加えたことは報告してなかったような…
でもこの様子なら既に知ってそうだからいいのか?
「あら?レティシアナ」
「はい?」
「あなたAランクの要件達成してるけどどうする?」
キアナさんはカードの情報を確認しながらそう言った
「どうする…って?」
「ランクアップするかどうか、だな」
「えっと…」
ティアは困惑気味にこっちを見て来た
既に俺達のパーティーに入ってるし貴族絡みの問題は心配ない
種族のことを考えたらむしろランクを上げた方が安全かもしれない
高ランクはギルドの保護も手厚くなるから
「上げても問題ないと思うけど?」
「…じゃぁ、おねがいします」
「了解」
「旅の間の素材も結構あるんだけどいつ持ってきたらいい?」
「そうねぇ…ひょっとしてまたオークション出来るくらいの量があったりするのかしら?」
「まぁそうだな。と言っても途中で売ってるから前の1/4くらい?あとはこいつらが出す量によるかな」
シャノンとルークは絶対肉は出さない
レティはほぼ売る感じだろう
「流石に前程はこっちも困るわ。でもそれなりにあるなら有り難いわ」
「なに、たった1年でまた貴族がうるさい?」
「そうね。前のオークションに参加できなかった人たちが特に、かしらね。だから1か月くらい待ってもらえるとありがたいんだけど…」
「俺は問題ない。お前らは?」
「大丈夫」
「僕も問題ない」
「レティは?」
「私?えっと…?」
1人自分は関係ない素振りをするレティに尋ねると突然慌てだした
「レティの分の素材をオークションに出してもいいなら買い取りを1か月くらい待って欲しいって話」
「オークションに出すの?」
「ああ。貴族相手にギルドが売りさばくんだ。俺らは通常通り売りに出すだけ」
「ただ案内を出す関係で1か月くらい待ってもらいたいのよ。勿論すぐに処理したいものがあればその分は先に出してもらって構わないんだけど」
「そういうことなら問題ないわ」
「そう?よかった!じゃぁ日が決ったらまた連絡させてもらうわね。レティシアナへの連絡は…」
「家にいるから問題ない」
「なら安心ね」
手続きの終わったカードをこっちに差し出しながらキアナさんは言う
「おいおい、何だよ?ガキの集団がこんなとこで何してやがる?」
背後からガラの悪そうな3人組が馬鹿にしたように声をかけて来る
「おいやめとけ」
「悪いこと言わないからそいつらには絡むなよ」
顔見知りの奴らがそう忠告するもこいつらは馬鹿にしたような笑いを止めない
「この町にもまだこんな奴いたんだな」
「そう言えば見たことない顔だなー」
「まぁ知ってれば…ねぇ」
俺達は思い思いに口にする
それが聞こえたのか3人は殴り掛かってきた
『反射』
俺達は動かない
でも3人はそのまま後方に吹っ飛んだ
「な…?!」
「は?」
「何が…?」
殴ろうとしたのに殴られた衝撃と共に吹っ飛んだ3人はパニック状態だ
想像以上の小物だったらしい
「馬鹿だなーお前ら」
「こいつら『無限』だぞ?」
「む…げ…?はーーー?」
3人の顔が青ざめる
「だからやめとけって言ったのに」
「この町でこいつらに勝てるのは『弾丸』くらいだぞ?これに懲りたら見た目だけで絡むのはやめることだな」
周りから嘲笑され3人は顔を真っ赤にしたまま逃げる様にギルドから出て行った
「…」
「相変わらず…だね」
「子どもの小遣い稼ぎも増えてんのにまだあんなのいるんだな?」
逆に驚きだ
ランクに関して絡んでくるならまだわかる
でもあいつらは単にガキがギルドに出入りしてることに対して絡んで来た
「あれ、よそ者だよな?」
「ああ。先週くらいに来てでかい顔して歩き回ってるな」
「へぇ…」
あのレベルででかい顔…ねぇ
ある意味おめでたい
「取りあえず用は済んだし俺達は帰るよ」
「お~レイ達に無事な姿を見せてやれ。あれでかなり心配してるからよ」
そんな昔馴染みの冒険者の言葉を聞きながら俺達は家に向かった
「そうね。すぐに手続するわ。ギルドカードをお願い」
涙を拭いて頭を切り替えたキアナさんは俺達の知ってる姿に戻った
「彼女がレティシアナ、新しいパーティーメンバーね?」
「ああ。旅の途中でパーティー登録は済ませてある」
「ええ。報告はこっちにも回って来てるわ」
「報告?」
「当然でしょう?あなた達には後ろ盾がいるんだから」
「あ~なるほど」
コーラルさんの存在がすっぽ抜けていた
そういやパーティーに加えたことは報告してなかったような…
でもこの様子なら既に知ってそうだからいいのか?
「あら?レティシアナ」
「はい?」
「あなたAランクの要件達成してるけどどうする?」
キアナさんはカードの情報を確認しながらそう言った
「どうする…って?」
「ランクアップするかどうか、だな」
「えっと…」
ティアは困惑気味にこっちを見て来た
既に俺達のパーティーに入ってるし貴族絡みの問題は心配ない
種族のことを考えたらむしろランクを上げた方が安全かもしれない
高ランクはギルドの保護も手厚くなるから
「上げても問題ないと思うけど?」
「…じゃぁ、おねがいします」
「了解」
「旅の間の素材も結構あるんだけどいつ持ってきたらいい?」
「そうねぇ…ひょっとしてまたオークション出来るくらいの量があったりするのかしら?」
「まぁそうだな。と言っても途中で売ってるから前の1/4くらい?あとはこいつらが出す量によるかな」
シャノンとルークは絶対肉は出さない
レティはほぼ売る感じだろう
「流石に前程はこっちも困るわ。でもそれなりにあるなら有り難いわ」
「なに、たった1年でまた貴族がうるさい?」
「そうね。前のオークションに参加できなかった人たちが特に、かしらね。だから1か月くらい待ってもらえるとありがたいんだけど…」
「俺は問題ない。お前らは?」
「大丈夫」
「僕も問題ない」
「レティは?」
「私?えっと…?」
1人自分は関係ない素振りをするレティに尋ねると突然慌てだした
「レティの分の素材をオークションに出してもいいなら買い取りを1か月くらい待って欲しいって話」
「オークションに出すの?」
「ああ。貴族相手にギルドが売りさばくんだ。俺らは通常通り売りに出すだけ」
「ただ案内を出す関係で1か月くらい待ってもらいたいのよ。勿論すぐに処理したいものがあればその分は先に出してもらって構わないんだけど」
「そういうことなら問題ないわ」
「そう?よかった!じゃぁ日が決ったらまた連絡させてもらうわね。レティシアナへの連絡は…」
「家にいるから問題ない」
「なら安心ね」
手続きの終わったカードをこっちに差し出しながらキアナさんは言う
「おいおい、何だよ?ガキの集団がこんなとこで何してやがる?」
背後からガラの悪そうな3人組が馬鹿にしたように声をかけて来る
「おいやめとけ」
「悪いこと言わないからそいつらには絡むなよ」
顔見知りの奴らがそう忠告するもこいつらは馬鹿にしたような笑いを止めない
「この町にもまだこんな奴いたんだな」
「そう言えば見たことない顔だなー」
「まぁ知ってれば…ねぇ」
俺達は思い思いに口にする
それが聞こえたのか3人は殴り掛かってきた
『反射』
俺達は動かない
でも3人はそのまま後方に吹っ飛んだ
「な…?!」
「は?」
「何が…?」
殴ろうとしたのに殴られた衝撃と共に吹っ飛んだ3人はパニック状態だ
想像以上の小物だったらしい
「馬鹿だなーお前ら」
「こいつら『無限』だぞ?」
「む…げ…?はーーー?」
3人の顔が青ざめる
「だからやめとけって言ったのに」
「この町でこいつらに勝てるのは『弾丸』くらいだぞ?これに懲りたら見た目だけで絡むのはやめることだな」
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そんな昔馴染みの冒険者の言葉を聞きながら俺達は家に向かった
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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