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81.提案
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夕食後いつものようにそれぞれにくつろいでいた
ルークは自分のテントで戦利品の仕分け
シャノンは片付け
そして俺とレティは俺のテントでそれぞれ本を読む
それが最近の過ごし方だ
「レティ」
「なに?」
声をかけると本から目を離してこっちを見た
「俺達から提案がある」
「提案?俺達ってルークとシャノンもってこと?」
「ああ」
俺は頷きながらいれたての紅茶をテーブルに置いた
勿論レティの分も
「今レティは即席パーティーで俺達と行動してるだろ?」
「…そうね」
レティの顔がこわばった
多分別の方向に誤解してるか?
「レティが良ければ正式に無限に入らないか?」
「…え?」
強張ってた顔が今度は呆然とした顔になる
表情豊かなのはいいことだ
「つまりだな、俺達の町に来ないか?当面の間住む場所は俺達の家があるし」
「えっと…シア?」
「何?」
「冗談じゃ…」
「本気だ。俺達はレティを正式にパーティーに迎えたいし、そうする以上は同じ町に居て欲しいと思ってる」
「…」
レティは驚いた顔をしたまま黙り込む
「もちろん無理にとは言わない。レティの人生だし俺達が縛り付けるわけにはいかないから」
「…」
無言のレティを前に俺は暫く沈黙を守った
簡単に決めれることじゃないのは分かってるし無理強いする気もない
勿論これからも一緒に組めるならそれにこしたことは無いけど
「…私にとったらこれ以上ない話だよ?」
「…」
「でも…そこまで迷惑かけるわけには…」
「迷惑ならそもそもこんな提案しないさ。それにに両親の同意は既に得てるんだ」
「え?」
「母さんの作った魔道具でいつでも連絡が出来るんだよ。ひょっとしたらレティを連れて帰ることになるかもって伝えたら母さんが大喜びしてた」
「大喜び?こんな得体のしれない人間連れて帰るのに?」
「そこは俺達が一緒に行動してるってことで信用はある」
「…」
レティの表情が困惑に変わった
「次の町まであと2日あるしその間に考えてみて欲しい。次の町で別れるか俺達と一緒に来てくれるか」
「そんなの…」
「え?」
「そんなの一緒に行きたいに決まってる…!」
「レティ…」
「でもそれはただの甘えなのかもしれない。一人に戻るのが怖いから…」
まぁそれも無理もないか
長い間奪われたり虐げられたりの生活をしてきたんだもんな
「別にそれでもかまわない」
「え?」
「ただ甘えるだけのお荷物なら保護した次の町で別れてるってことだよ。俺が女嫌いなのは気づいてるんだろ?」
そう尋ねると戸惑いを見せつつもうなづいた
「レティなら歓迎するよ」
「シア…」
「家のことも特に気にしなくていい。もともと4世帯の大所帯だし、養子も増え続けてるから」
「増え続けてるって…?」
「ああ、この旅の間に俺たちの一番下の妹が生まれたから年の近い乳児を探してるらしい」
「そう…なんだ…」
「そ。だからレティの気持ち次第ってこと。ゆっくり考える程の時間はないけど、次の町を出るまでに返事を聞かせてくれ」
「ありがとう。ちゃんと考えるね」
そう返してきたレティに、こういう子だからそばにいても拒否反応が起こらないんだろーな、なんて思っていた
そして町に着いた日の晩、レティは正式に無限に入ることを決めた
翌朝ギルドで正式にパーティーメンバーの登録をして母さん達にも報告を済ませた後、ルークとシャノンのテンションがやたらと高かったのは気のせいだと思いたい
ルークは自分のテントで戦利品の仕分け
シャノンは片付け
そして俺とレティは俺のテントでそれぞれ本を読む
それが最近の過ごし方だ
「レティ」
「なに?」
声をかけると本から目を離してこっちを見た
「俺達から提案がある」
「提案?俺達ってルークとシャノンもってこと?」
「ああ」
俺は頷きながらいれたての紅茶をテーブルに置いた
勿論レティの分も
「今レティは即席パーティーで俺達と行動してるだろ?」
「…そうね」
レティの顔がこわばった
多分別の方向に誤解してるか?
「レティが良ければ正式に無限に入らないか?」
「…え?」
強張ってた顔が今度は呆然とした顔になる
表情豊かなのはいいことだ
「つまりだな、俺達の町に来ないか?当面の間住む場所は俺達の家があるし」
「えっと…シア?」
「何?」
「冗談じゃ…」
「本気だ。俺達はレティを正式にパーティーに迎えたいし、そうする以上は同じ町に居て欲しいと思ってる」
「…」
レティは驚いた顔をしたまま黙り込む
「もちろん無理にとは言わない。レティの人生だし俺達が縛り付けるわけにはいかないから」
「…」
無言のレティを前に俺は暫く沈黙を守った
簡単に決めれることじゃないのは分かってるし無理強いする気もない
勿論これからも一緒に組めるならそれにこしたことは無いけど
「…私にとったらこれ以上ない話だよ?」
「…」
「でも…そこまで迷惑かけるわけには…」
「迷惑ならそもそもこんな提案しないさ。それにに両親の同意は既に得てるんだ」
「え?」
「母さんの作った魔道具でいつでも連絡が出来るんだよ。ひょっとしたらレティを連れて帰ることになるかもって伝えたら母さんが大喜びしてた」
「大喜び?こんな得体のしれない人間連れて帰るのに?」
「そこは俺達が一緒に行動してるってことで信用はある」
「…」
レティの表情が困惑に変わった
「次の町まであと2日あるしその間に考えてみて欲しい。次の町で別れるか俺達と一緒に来てくれるか」
「そんなの…」
「え?」
「そんなの一緒に行きたいに決まってる…!」
「レティ…」
「でもそれはただの甘えなのかもしれない。一人に戻るのが怖いから…」
まぁそれも無理もないか
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「別にそれでもかまわない」
「え?」
「ただ甘えるだけのお荷物なら保護した次の町で別れてるってことだよ。俺が女嫌いなのは気づいてるんだろ?」
そう尋ねると戸惑いを見せつつもうなづいた
「レティなら歓迎するよ」
「シア…」
「家のことも特に気にしなくていい。もともと4世帯の大所帯だし、養子も増え続けてるから」
「増え続けてるって…?」
「ああ、この旅の間に俺たちの一番下の妹が生まれたから年の近い乳児を探してるらしい」
「そう…なんだ…」
「そ。だからレティの気持ち次第ってこと。ゆっくり考える程の時間はないけど、次の町を出るまでに返事を聞かせてくれ」
「ありがとう。ちゃんと考えるね」
そう返してきたレティに、こういう子だからそばにいても拒否反応が起こらないんだろーな、なんて思っていた
そして町に着いた日の晩、レティは正式に無限に入ることを決めた
翌朝ギルドで正式にパーティーメンバーの登録をして母さん達にも報告を済ませた後、ルークとシャノンのテンションがやたらと高かったのは気のせいだと思いたい
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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