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「シア、あの話はいつするんだ?」
食糧と言う名の魔物を調達しに出た先でルークが尋ねてきた
レティとシャノンは魔物を待ちながら別の準備をしてるからここにはいない
「今日だな」
「…そっか」
「どうかしたのか?」
浮かない顔をしているのが気になる
「賛成してくれるかなって思ってさ」
「は?」
「短い間とは言えここまで一緒にやって来たのにさ…町に着いたら『はい、さよなら』は寂しいじゃん」
しんみりした感じでそうつぶやくように言う
次の町から道は2つに別れている
1つは俺たちの町へ続く道
もう1つは隣町を含めたその先の王都や他の町へ続く道
ちなみに俺たちの住む町の先は山や小さな集落しかない
つまり新たに住む場所を求めていくような場所じゃないし、仮に行ったとしても歓迎されることは無いだろう
野菜の買付とか商売としての繋がり以上のものを求めるような集落は少ないからな
隣町からは俺達の町を含めて4方向に道が繋がっていて、次の町から直接向かった方が1日~2日早く着く
だからレティが俺達と来るので無ければ次の町で別れることになる
そういやルークもシャノンも結構懐いてたか?
いや、1つしか違わないから懐いてたってのは語弊があるか…
「何にしても俺達が決めることじゃないな」
「分かってるけどさ…」
「けどなんだよ?」
「…シアは何ともないのか?僕としてはシアがあんだけ打ち解ける女の子なんて初めてだし、レティだってまんざらでもなさそうだし…」
「何ともないとか以前の問題だ。こんな旅の途中で恋愛とか勘弁してくれ」
「またそういうこと言う」
「…確かにレティとは気が合うし、パーティーの戦力を考えた時にもありがたい存在だとは思う。でも俺はそんな器用な人間じゃないんだよ」
「よく言うよ」
「女に関してはルークには敵わないだろ。何にしても旅の間にこれ以上考え事を増やしたくないんだよ」
ただでさえ町が近づいてるから気が緩みがちなんだからな?
ここまできて何かあったら絶対父さんにボコられる
そうなったら確実に数日間母さんの飯が食えない
「とにかく飯の後に話はする。でも決定権はレティに有るからな」
俺達が強制する権利は持っていない
無理やり連れて行く気もない
その点だけはたとえルークでも譲ることは出来ない
「…わかった。もうこれ以上は言わない」
そう言いながらも不満そうなのに気付かないふりをした
話は一旦切り上げて食糧調達に意識を戻す
インベントリに沢山入っていようと、よっぽどのことがない限りメイン食材はその場で調達する
それが俺達の中で決めたルールだ
気持ちのやり場がないせいかルークは思いのほか沢山の魔物を仕留めていた
食糧と言う名の魔物を調達しに出た先でルークが尋ねてきた
レティとシャノンは魔物を待ちながら別の準備をしてるからここにはいない
「今日だな」
「…そっか」
「どうかしたのか?」
浮かない顔をしているのが気になる
「賛成してくれるかなって思ってさ」
「は?」
「短い間とは言えここまで一緒にやって来たのにさ…町に着いたら『はい、さよなら』は寂しいじゃん」
しんみりした感じでそうつぶやくように言う
次の町から道は2つに別れている
1つは俺たちの町へ続く道
もう1つは隣町を含めたその先の王都や他の町へ続く道
ちなみに俺たちの住む町の先は山や小さな集落しかない
つまり新たに住む場所を求めていくような場所じゃないし、仮に行ったとしても歓迎されることは無いだろう
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隣町からは俺達の町を含めて4方向に道が繋がっていて、次の町から直接向かった方が1日~2日早く着く
だからレティが俺達と来るので無ければ次の町で別れることになる
そういやルークもシャノンも結構懐いてたか?
いや、1つしか違わないから懐いてたってのは語弊があるか…
「何にしても俺達が決めることじゃないな」
「分かってるけどさ…」
「けどなんだよ?」
「…シアは何ともないのか?僕としてはシアがあんだけ打ち解ける女の子なんて初めてだし、レティだってまんざらでもなさそうだし…」
「何ともないとか以前の問題だ。こんな旅の途中で恋愛とか勘弁してくれ」
「またそういうこと言う」
「…確かにレティとは気が合うし、パーティーの戦力を考えた時にもありがたい存在だとは思う。でも俺はそんな器用な人間じゃないんだよ」
「よく言うよ」
「女に関してはルークには敵わないだろ。何にしても旅の間にこれ以上考え事を増やしたくないんだよ」
ただでさえ町が近づいてるから気が緩みがちなんだからな?
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そうなったら確実に数日間母さんの飯が食えない
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そう言いながらも不満そうなのに気付かないふりをした
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インベントリに沢山入っていようと、よっぽどのことがない限りメイン食材はその場で調達する
それが俺達の中で決めたルールだ
気持ちのやり場がないせいかルークは思いのほか沢山の魔物を仕留めていた
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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