207 / 370
閑話8 暗闇に差す光(side:レティシアナ)
3
しおりを挟む
「無駄だよお嬢ちゃん。こんな場所に助けは来ない」
「そうそう。だから俺らと楽しもうぜ」
「へへ…こいつは上手そうだ…な!」
“ビリ…ッ”
破られる音と共に体中にひんやりとした空気が触れた
貴族に着せられていた服はワンピースのような薄いもの
下着と呼ばれるものなど与えられてもいなかった
最初の頃インベントリから取り出して着ていたのを見つかって、インベントリの存在迄バレてからは魔封じの効果のある枷に変えられてしまった
それ以来、中のものには触れることも出来ない
そんな質素な服を男が一息に破ったことで、私は生まれたままの姿をさらす羽目に陥っていた
「ぃ…やぁーーーっ!!」
さらけ出された肌に羞恥心と恐怖に包まれた
「ククク…その悲鳴がまたいい」
「おい、あとが使えてんだから早くしろ」
卑しい笑いと共にかけられる言葉とともに訪れた不快な感覚
厭らしく触れる手に吐き気すら覚えた
「やめとけ」
「はー?」
自分たち以外に誰もいないはずの場所でかけられた声に、一斉に振り向いた男たちを真っすぐ見据えていたのは多分同じ年頃の男の子だった
「何だガキかよ」
「悪いこた言わねえからどっか行っちまいな」
「できない相談だな」
男たちにそう答えながら少しずつ距離を詰めてくる
「なら痛い目を見るまでだ!…ぐぅ…?!」
言い切る前に殴りかかった1人が返り討ちにあっていた
あの人強い
本能的にそう感じた
今の攻撃もかなり手加減されてると思う
「な…?」
「何しやがるクソガキ」
次々と殴り掛かる男達は大柄なのに気づいたときには5人が身動きすら取れなくなっていた
「あんた大丈夫か?」
身体を起こされた瞬間感じたのは安堵
「…悪い」
彼は視線を反らしてそう言った
なぜあなたが謝るの?
そう思っているとインベントリから取り出した上着を肩にかけられた
その時になって初めて自分の状態を思い出して居たたまれなくなった
「ちょっとだけ我慢しててくれ」
そう言うと彼は側で転がっている5人を縛り上げるて大木に括り付けた
「もう大丈夫だ」
その言葉の直後、首と手首、足首の枷が破壊されていた
え…?
一体何が起こったというの?
魔封じの効果のある枷を触れもせずに彼は何をしたというの…?
でもそんなことよりも危機が去ったのだと思った瞬間意識が遠のいていった
意識を取り戻した私に彼、シアとその弟妹のルークとシャノンはとても良くしてくれた
シアは同じ年なのにしっかりしてるせいかもっと年上に感じる
シャノンは逆に年よりも幼い感じでとても人懐っこい
枷の話からこれまでの事を簡単に話した
その上で元の場所には戻れないことをシアは読み取ってくれる
その事に私は嬉しさを感じながらも、困った顔をしながら考え込むシアにすごく申し訳ない気持ちになった
多分ここでお別れなんだろうなって漠然と思いながら、それでもできるなら一緒に連れて行って欲しいなんて自分勝手なことを考えてしまう
そんな浅ましい願いが叶うわけないんだけど…
「そうそう。だから俺らと楽しもうぜ」
「へへ…こいつは上手そうだ…な!」
“ビリ…ッ”
破られる音と共に体中にひんやりとした空気が触れた
貴族に着せられていた服はワンピースのような薄いもの
下着と呼ばれるものなど与えられてもいなかった
最初の頃インベントリから取り出して着ていたのを見つかって、インベントリの存在迄バレてからは魔封じの効果のある枷に変えられてしまった
それ以来、中のものには触れることも出来ない
そんな質素な服を男が一息に破ったことで、私は生まれたままの姿をさらす羽目に陥っていた
「ぃ…やぁーーーっ!!」
さらけ出された肌に羞恥心と恐怖に包まれた
「ククク…その悲鳴がまたいい」
「おい、あとが使えてんだから早くしろ」
卑しい笑いと共にかけられる言葉とともに訪れた不快な感覚
厭らしく触れる手に吐き気すら覚えた
「やめとけ」
「はー?」
自分たち以外に誰もいないはずの場所でかけられた声に、一斉に振り向いた男たちを真っすぐ見据えていたのは多分同じ年頃の男の子だった
「何だガキかよ」
「悪いこた言わねえからどっか行っちまいな」
「できない相談だな」
男たちにそう答えながら少しずつ距離を詰めてくる
「なら痛い目を見るまでだ!…ぐぅ…?!」
言い切る前に殴りかかった1人が返り討ちにあっていた
あの人強い
本能的にそう感じた
今の攻撃もかなり手加減されてると思う
「な…?」
「何しやがるクソガキ」
次々と殴り掛かる男達は大柄なのに気づいたときには5人が身動きすら取れなくなっていた
「あんた大丈夫か?」
身体を起こされた瞬間感じたのは安堵
「…悪い」
彼は視線を反らしてそう言った
なぜあなたが謝るの?
そう思っているとインベントリから取り出した上着を肩にかけられた
その時になって初めて自分の状態を思い出して居たたまれなくなった
「ちょっとだけ我慢しててくれ」
そう言うと彼は側で転がっている5人を縛り上げるて大木に括り付けた
「もう大丈夫だ」
その言葉の直後、首と手首、足首の枷が破壊されていた
え…?
一体何が起こったというの?
魔封じの効果のある枷を触れもせずに彼は何をしたというの…?
でもそんなことよりも危機が去ったのだと思った瞬間意識が遠のいていった
意識を取り戻した私に彼、シアとその弟妹のルークとシャノンはとても良くしてくれた
シアは同じ年なのにしっかりしてるせいかもっと年上に感じる
シャノンは逆に年よりも幼い感じでとても人懐っこい
枷の話からこれまでの事を簡単に話した
その上で元の場所には戻れないことをシアは読み取ってくれる
その事に私は嬉しさを感じながらも、困った顔をしながら考え込むシアにすごく申し訳ない気持ちになった
多分ここでお別れなんだろうなって漠然と思いながら、それでもできるなら一緒に連れて行って欲しいなんて自分勝手なことを考えてしまう
そんな浅ましい願いが叶うわけないんだけど…
85
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説
今日から護衛と言われても。~元婚約者に、騎士として仕えることになりました。
みこと。
ファンタジー
「クラリス嬢! きみとの婚約は破棄する!」高らかに宣言した第一王子アルヴィン。けれどもあれよあれよと転落し、気付けば自分が捨てた令嬢クラリスに、護衛騎士として雇われる羽目に。
この境遇には耐えられない! よりにもよってアルヴィンは、自分の意識と記憶を一部放棄、代わりに務めるのは新しく生まれた人格で──。
"孤高の冷酷王子"という噂とはまるで違う、有能でフレンドリーな新・アルヴィンに、同僚の騎士たちは「王子の身代わりが来た」と勘違い。弟王子はクラリス嬢に求婚しに来るし、狩猟祭ではハプニング。
果たして最後に勝利を収めるのは誰? そしてアルヴィンが封じた記憶に潜む秘密とは?
真の敵を排除して、王子と婚約者が幸せになるお話!
※本編(全5話)。
※同タイトルを「小説家になろう」様「カクヨム」様でも公開しています。

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。

私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
不定期更新になります。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる