チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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73.反撃

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「今の話の真偽を問いたい」
領主が俺を見てそう言った
俺の無実を証明するのは簡単だけど…

「ローガン、今の発言の意味を分かっているんだろうな?」
念の為に確認したその言葉にローガンは一瞬ひるんだ
あの事を公表しない条件自体は覚えているらしい
つまり俺が公表できない、もしくは俺が公表しても自分の方が信用してもらえると思ってるってことか?

「娘を傷つけたお前の言葉など聞きたくもない!たかだか冒険者風情に娘の未来を壊されてたまるか!」
「なるほど。あの約束はあんたから反故にしたってことだな。なら俺も容赦しない」
今更態度を変えることなど出来なかったようだ
そういうことなら遠慮なくやらせてもらうとしよう

「あんたがそう出るなら俺は自分の無実の証明をさせてもらう」
「な…出来るものならやってみるがいい!」
「そこまで言うなら遠慮なく」
俺はそう言いながらピアスを外し、取り出した魔道具にセットした
そして大勢の聴衆のいる前で映像を流した

「何だコレは…?」
「魔道具か?あんなの見たことないぞ?」
「そういえば以前声を保存できる魔道具があるって聞いたことは有るが…」
流れ出した映像を見て口々にささやかれる
前回シャノンの事件の時に使った後、母さんに頼んで映像を拡大して写せるように魔道具を作ってもらってたのが役に立った
広いこの場でも全ての人が確認することができる

「ま…まさか…」
ローガンが狼狽えているがもう遅い

『絶対逃がさないんだから』
そうつぶやきながら薄い夜着姿で入ってきたブリーナを捕まえた部屋でのやり取り
『これは迷惑をかけたお詫びだ。だからどうか…』
『助けてもらった礼も出来ていない。せめてもの償いに受け取ってもらいたい』
そう言って半ば押し付ける様に金や品物を寄越してきたローガン

「頼む…頼むからやめてくれ…!」
「馬鹿言うな!証明しろと言ったのはあんただ。今さら取り消せると思ってるのか?」
「そうだそうだ!もっと見せてくれ!」
ローガンの悲鳴のような叫びをギャラリーが認めなかった
俺にとっては気色悪い淫乱女でも好む男はいるらしい
ローガンが喚いて男たちが騒いでる間も映像は流れ続けてるんだけどな

この町の宿に現れた理由の問いかけに対して『会いたかったからよ!お願いだから私のものになってよ!1回抱いてくれるだけでいいから!』と縋りついて来るブリーナ
「純潔を奪われたなんてどの口が…」
呆れたような女性の声にブリーナは睨み返すが女性は気にも止めていなかった
『…私のものになってくれないなら殺してやる!』
『私が…こんなに気にかけてあげてるのに!!』
そう言ってブリーナの振り上げた手からナイフを叩き落として、気絶させた状態で宿主に引き渡した場面までの一部始終を容赦なく流した

「何てこと…あんな下品な夜着でみずから乗り込むなんて…」
誰かがこぼした
身につけてる意味があるのかわからない透けた素材を使った面積の小さい夜着は女性陣にも評判が悪いらしい
ブリーナは女性陣からは蔑んだ目を、男性陣からは欲をはらんだ目を向けられることになった

「やめて…!こんなの嘘よ!!」
自身の痴態をさらされたブリーナの発狂し泣き叫ぶ声が響いた
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