チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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65.再戦

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「ポイズンベア!」
シャノンが叫んだ
心なしか嬉しそうなのは気のせいだと思いたい

「行くぞ」
「うん!」
「分かった!」
俺達は同時に攻撃を仕掛けた
苦し紛れに毒のブレスを出されても困るから念動力の窒息と同時にキュアを纏わせた水球で後頭部を包んでみた

「シアそれ何?」
「ん?」
「ただの水じゃないだろ?」
ルーク、意外と余裕あるのか?

「キュアを纏わせてみた。シャノンは大丈夫か?」
「任せて!」
振り回す腕の先に照準を合わせる必要があるにもかかわらず中々の精度で命中させていた

「随分命中率が上がったんじゃないか?」
「回復薬にかかるお金減らすために頑張ったからね」
「あぁ…」
金の為なら努力を怠らない奴だったな
そんな会話が交わせる状態でポイズンベアは少しずつ動きが鈍くなり、そして崩れ落ちた

「意外とあっけない?」
「毒だけがネックってことだな。正直一人では超面倒だけど」
「言えてる。前足と後ろ足に頭、それぞれ見ながらとか勘弁してほしい」
「首切り落とせたら楽なのにね」
「切ったら血の噴水だからな…」
「おまけにブレスの追加攻撃だ。お前らがいなかったら逃げる1択だな」
ため息交じりに言うと2人も笑い出す

「でもこれで終わりならもっと狩ってもいいかも」
「高く売れるだろうしね」
こいつの素材は希少だからな

「売るとしてもコーラルさんに渡した後だ。何回か世話になってるし恩を売って返しとかないとな」
リトスの契約の件でもセトイカでも動いてもらった
これからも色々世話になることがありそうだから、返せるところで返しとかないと弱みを握られてるようで気持ち悪い

「出回る前にってこと?」
「そういうことだ。こんな機会はそうそうあるもんじゃないしな」
「確かに。大抵は弾丸がこなしちゃうもんね」
「しかもその弾丸の後ろ盾になって結構長いし」
つまりコーラルさんが欲しいものは大抵手に入れたことがあるってことだ
俺達に渡されてるリストは大半が高ランクであれば入手できるようなもので、そこまで希少なモノじゃない
だからこそ“すぐに必要なわけじゃないけど機会があれば入手してくれ”と言う前提があるんだろう
その為に動き回る必要が無いという意味では非常にありがたい

「さて、あと何体狩れるか…」
「とりあえず今日1日ここで狩ってもいいよね?」
「すぐに食えない肉がそんなに必要か?」
「いいじゃない。素材だけでもいい値になるんでしょう?」
「ってことは最低10体。それなら1体は回って来るだろ?」
「1日で終わるか?そもそもこいつなら1体から取引できるだろ?」
ランクの高い魔物は3体や5体で依頼が出されることが多い
多く見積もって依頼用5体に俺達3人分プラス共通で9体必要になる
何をもって10体と言ってるのか俺にもわからないがきっとキリがいいからとかそんな適当な理由なんだろう

「終わらなかったらもう1日。行きに見つけた洞窟も近いし問題ないでしょ?」
2人は意地でも10体狩るつもりのようだ
これは諦めさせるのも大変そうだから俺が折れるしかないか…

「わかったよ。でもきっかり10体までだからな」
それ以上譲る気はない

「わかったよ」
「ありがとうシア」
結局上機嫌の2人と2日間かけてポイズンベアを10体狩った
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