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57.ゴミ掃除
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領主の屋敷は思ったよりも質素だった
「これが領主の屋敷?しょぼくない?」
「それでも周りの家に比べたら立派だって」
「…お前達ちょっと黙ってようか」
これ以上いらぬトラブルが勃発するのは勘弁してほしい
俺のそんな気持ちを無視するかのように2人は小声で悪態をつきまくる
マジでやめろ…
「ここだ」
ニールは重厚そうな扉の前で止まるとノックした
「父上、ニールです」
「入れ」
中から聞こえてきた声にニールとミーコがニヤリと笑って扉を開けた
「早く入れ」
俺達はニールに押し込まれるように部屋に通された
「…彼らは?」
俺達3人を見て男が尋ねて来る
「こいつらはミーコの親切を無下にした不届きものです」
「は…?」
「だから父上、こいつらに重い罰を」
ニールは得意げに言っているが父上とやらは違うらしい
「…私はこのセトイカの領主でサントスと言う。君達は…」
「少し前にこの町に着いた冒険者だ。海を見たくてこの弟妹と3人で旅をしてきた」
「それを証明できるものは?」
「2人共カード」
「「はーい」」
2人が取り出したギルドカードと自分の物を合わせてサントスに渡す
「これは…確かに納得できるランクだ」
そう言いながら返してくれるのをニールとミーコが困惑しながら見ている
「とりあえず息子の話が見えないのだが説明してもらえるか?」
おいおい、それでいいのかよ?
思わず心の中で突っ込んだ
「発端は俺達がこの町についてすぐにそこのミーコって女が“町を案内してあげる。あなた好みの顔だからこの体を使って色々サービスしてあげるわよ“って声をかけてきたことだよ」
ルークが言った
「な…!ミーコがそんなこと言うわけがないだろ!そうだろミーコ」
「え…?そ…」
「俺が何度断わってもしばらくしつこく付きまとわれていい迷惑だったんだ。それが少し前に落ち着いたと思ってたら…」
「次は俺をターゲットにしてきたってわけだ。さそい文句は同じ。興味ないから断るって言ったら“普通なら喜んで求めてくるからプレゼントと引き換えに抱かせてあげるのに”だったか?」
ルークの視線を受けて続けるとミーコの顔が真っ赤に染まる
「抱かせて…?!ミーコ?!」
ニールがミーコに掴みかかった
うっとうしいから他所でやって欲しいもんだ
「二度と近づくなと言ってから既に数日、毎日しつこく付きまとわれた挙句、あんたの息子がその女の親切を無下にしたと怒鳴りこんで来たってわけだ」
「…」
そこまで言うとサントスは何とも言えない顔をした
「カード見て分かったと思うけど返り討ちにするのは簡単なわけ。でも曲がりなりにも領主の息子とういう立場を口にした。貴族の名を出すなら俺達も手を打つ必要があるってわけ」
「だから領主であるあなたの前まで連れてきてもらったんだけどね」
シャノンがそう言いながらミーコに向かってにっこりと笑う
この笑顔を見せる時はかなり怒ってる時だ
「俺達は旅を楽しみたい。町の人にも良くしてもらってるのにこの2人が全てを台無しにしてくれたわけだ」
「それは…しかし君達はよそ者だからねぇ」
サントスは言葉を濁す
「これが領主の屋敷?しょぼくない?」
「それでも周りの家に比べたら立派だって」
「…お前達ちょっと黙ってようか」
これ以上いらぬトラブルが勃発するのは勘弁してほしい
俺のそんな気持ちを無視するかのように2人は小声で悪態をつきまくる
マジでやめろ…
「ここだ」
ニールは重厚そうな扉の前で止まるとノックした
「父上、ニールです」
「入れ」
中から聞こえてきた声にニールとミーコがニヤリと笑って扉を開けた
「早く入れ」
俺達はニールに押し込まれるように部屋に通された
「…彼らは?」
俺達3人を見て男が尋ねて来る
「こいつらはミーコの親切を無下にした不届きものです」
「は…?」
「だから父上、こいつらに重い罰を」
ニールは得意げに言っているが父上とやらは違うらしい
「…私はこのセトイカの領主でサントスと言う。君達は…」
「少し前にこの町に着いた冒険者だ。海を見たくてこの弟妹と3人で旅をしてきた」
「それを証明できるものは?」
「2人共カード」
「「はーい」」
2人が取り出したギルドカードと自分の物を合わせてサントスに渡す
「これは…確かに納得できるランクだ」
そう言いながら返してくれるのをニールとミーコが困惑しながら見ている
「とりあえず息子の話が見えないのだが説明してもらえるか?」
おいおい、それでいいのかよ?
思わず心の中で突っ込んだ
「発端は俺達がこの町についてすぐにそこのミーコって女が“町を案内してあげる。あなた好みの顔だからこの体を使って色々サービスしてあげるわよ“って声をかけてきたことだよ」
ルークが言った
「な…!ミーコがそんなこと言うわけがないだろ!そうだろミーコ」
「え…?そ…」
「俺が何度断わってもしばらくしつこく付きまとわれていい迷惑だったんだ。それが少し前に落ち着いたと思ってたら…」
「次は俺をターゲットにしてきたってわけだ。さそい文句は同じ。興味ないから断るって言ったら“普通なら喜んで求めてくるからプレゼントと引き換えに抱かせてあげるのに”だったか?」
ルークの視線を受けて続けるとミーコの顔が真っ赤に染まる
「抱かせて…?!ミーコ?!」
ニールがミーコに掴みかかった
うっとうしいから他所でやって欲しいもんだ
「二度と近づくなと言ってから既に数日、毎日しつこく付きまとわれた挙句、あんたの息子がその女の親切を無下にしたと怒鳴りこんで来たってわけだ」
「…」
そこまで言うとサントスは何とも言えない顔をした
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シャノンがそう言いながらミーコに向かってにっこりと笑う
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「俺達は旅を楽しみたい。町の人にも良くしてもらってるのにこの2人が全てを台無しにしてくれたわけだ」
「それは…しかし君達はよそ者だからねぇ」
サントスは言葉を濁す
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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