チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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56.接触

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嫌な予想は当たるものだ
それを俺は現在進行形で実感していた
あの翌日から付きまとってくるミーコを完全にしかとして既に3日
言葉は聞かない
触れられそうになれば避ける
それでもミーコは諦めない

「ある意味すごいな」
「でも迷惑だよな」
「…あれは私でも勘弁してほしい」
今日はギルドから出た途端絡んできた
初めて見たシャノンを憎たらしそうに見てたから負けたと思ったのは明白だ
それに気づいた俺達は普段よりもシャノンを甘やかしながら宿まで帰ってきた

「あの子も随分しつこいね。いっそ相手してやったらどうだい?」
「そんなボランティア精神持ってないから」
サイラさんに言い返すと爆笑された

「成人したての子なんて誰彼構わず発散したがるのが多いのに珍しいねぇ?うちの子たちなんかすぐに飛びついたのに」
「…」
それは暴露してもいい話なのか?

「そんな女がよく領主の息子の婚約者になれたね?」
「あの男は気付いてないみたいだからね」
「「「は?」」」
そんなことあり得るのか?
あれだけなりふり構わずなのに?

「ミーコに言い込められてるみたいだよ?仲がいいだけ、町を案内してあげていただけってさ。この先あなたが納めるこの町のためだからって、それを信じるのもどうかと思うけどね」
「…脳内お花畑」
「あんたうまいこと言うねぇ?確かに現実を見てないわ」
豪快に笑うサイラさんを見てるとちょっと胸がスッキリするから不思議だ

「サイラさん、この町の男たちはミーコをどう思ってる?」
「どうも思ってないよ。精々安上がりの娼婦じゃないかね?といってもミーコで満足するのは経験の少ない若い子だけだけどね」
「「「…」」」
「だから私達女も気にも止めてないんだよ。まぁ自分の息子があの子に本気になったら慌てるかもしれないけどね」
ミーコはそう思われてることさえ気づいてないんだろうなぁ…?

「ある意味哀れね」
シャノンがそう言ったタイミングで入り口が騒がしくなった

「…あれがその領主の息子だよ。面倒なことになったねぇ…」
サイラさんが小声で教えてくれた

「お前達か?ミーコの親切を無下にしたのは!?」
「…あんた誰?初対面の人間にそんな風に言われる覚えは無いんだけど?」
「な…俺はこの町の領主の息子でニールだ。俺を知らないとはどういうことだ?!」
ニールは顔を真っ赤にして怒鳴り散らす

「…町の住民ならともかく旅人が知るわけないじゃない」
「シャノン、気持ちは分かるが今は黙ってようか」
「はぁい」
素直に頷き俺の背後に移動した

「この俺を侮辱するとはいい度胸だ。父上に言って捉えてもらうぞ?!」
こんなくだらないことで領主を出すとか…
しかもその後ろではミーコがニヤニヤ笑ってるのが見える
領主を出せば自分たちの言いなりになると思ってるのが透けて見える

「…面倒だからコーラルさん使うぞ?」
「了解」
「私も賛成」
2人の同意を得たならこっちのもんだ

「ならその領主と直接話をさせてもらう」
「ほぅ。いいだろう。ついて来るがいい」
ニールは勝ち誇ったように笑いながら言った
その態度がどこまで続くか見ものだ
そう思いながら俺達はニールについて領主の屋敷に赴いた
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