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50.色々驚いた
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しおりを挟む「ん…」
浮上した意識に目を開ける
「気付いた?」
「シア大丈夫か?」
シャノンとルークが覗き込んでいた
「ベアは?!」
俺は体を起こして周りを見渡した
その視線の先で倒れているポイズンべアを捉えて胸をなでおろす
「何であんなことしたのよ!?」
シャノンが抱き付いてきて抗議する
念のためシャノンとルーク、リトスのステータスで毒状態じゃないのを確認した
「それはこっちのセリフだ」
「「え?」」
「離れろって言ったろ?」
「でも…!」
「父さん達に3人揃って死にましたって報告させる気か?」
万が一があってもそれだけは絶対に避けなきゃいけない
「俺は完全にブレスを受けてた。だからお前らに離れるように言ったんだ。3人とも毒にやられたら助けを呼びに行くことすらできないんだぞ?」
「あ…」
「…そんなこと気づきもしなかった…」
2人がうなだれる
まぁいきなり隔離した俺も悪いんだろうけどな…
「これからは窮地に陥った時ほど冷静に判断しろよ?」
2人の目を交互に見ながら言うとちゃんと頷いた
「…まぁ流石に今回は俺も覚悟を決めたけどな」
肩に乗ったリトスをなでながら零れたのはそんな言葉だった
「シア…」
「MAXの耐性持ってて超回復まである、自分に『キュア』をかけ続けてなお侵される。その状態でよく助かったもんだ」
それが正直な感想だった
「意識を失えば『キュア』は使えないし、母さんの薬に助けられたんだろうけ…ど…?」
「どうかした?」
ステータスを確認して固まった俺にルークが聞いてくる
「スキルが増えた」
「「え?」」
***
オートキュア
毒や病気などの状態異常を検知次第解消する
スキル『超回復』を持つ者が、スキル『キュア』の熟練度を50以上に高めた際に取得できるスキル
***
「『オートキュア』らしい。状態異常を自動で解消するスキルみたいだ」
2人が顔を見合わせた
『キュア』なんてあんまり使う機会がないし熟練度が低いままだったけど、ここにきて、ひたすらかけ続けて上がったらしい
自分でもどれだけかけたか覚えてないくらいだしな
何にしてもこれのお陰で勝手にキュアが発動してたってことか
「だとしてもあの壁は何?」
「そうだよ。突然現れてポイズンベアもシアも倒れてんのに壊れないっておかしいだろ」
「あぁ、あれは念動力の『隔離』だ」
「隔離?」
同じように首を傾げる2人を見ながら、流石にここまでデカくなると可愛さがないなーなんてどこかで思う
「空気感染を防ぐための物だな。隔離した範囲内を浄化する機能があって、範囲内の空気が正常に戻るまで壁は壊れない。母さんと考えた自信作だ」
「自信作って…」
「何とかなったからまぁいいだろ。それとさっき気づいたんだけど…」
「今度は何?」
ルークのとげとげしい言葉にちょっとビビった。絶対言わないけど
「そいつ、強い火で燃やし尽くすのが一番いいらしい」
「どういうこと?」
「俺の鑑定、そういうのも表示されるみたいなんだよな」
さっきルークたちの状態を確認するためにステータスを確認した時に見えた
***
ポイズンベア
Aランクの魔物
成体になるまで親と行動するがそれ以降は群れを成さない
牙と爪から毒を出すほか、危険を感じると毒のブレスを吐く
魔力:なし
弱点:業火
素材
皮:装備、敷物等に利用
肉:3日以上燻せば毒が抜けるため携帯食に利用
牙:装備に利用
爪:装備・薬に利用
***
「シャノンの方はどう表示されてる?」
俺の鑑定結果を伝えてからシャノンに確認する
「ポイズンベア、Aランク、毒持ちの魔物」
「だよな…」
そう思ってたから調べようとも思わなかった
75
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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