チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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翌朝、朝食を済ませてすぐギルドに向かった
カウンターに昨日の職員がいたおかげですんなりギルドマスターの部屋に通された
「一応簡単には聞いたんだがな?」
エイルと名乗ったギルドマスターは気まずそうに切り出した

「死にかけてるのを助けるつもりがテイムしてしまった。その魔物が絶滅危惧種だったと」
「その通りですね」
エイルの言葉に頷いた

「さらに付け加えるとこいつは特殊で、テイムした時点で俺の魔力で生命を維持する個体になった」
「…つまり?」
「俺の魔力を吸えなくなったら死ぬ」
手のひらに乗せたリトスは相変わらず俺の指を吸っている

「参ったな…こんな状態をどうすりゃいいんだ?」
エイルも大混乱だ

「通常ならどう処理するんだ?」
「テイムを解除してもらって預かる。その際対価としていくらかの金が支払われることが多いな。だがそんな次元の問題じゃないだろう?」
「まぁそうですね。ってことでこれ」
俺は手紙をエイルに渡す

「手紙?ってこれは…」
手紙を持つエイルの手が震えだす

「待ってくれ、何がどうなってこうなった?」
「…一応俺達には貴族の後ろ盾がいてその人が王族と強い関係があるって感じ?」
「後ろ盾がいるのは知ってる『無限』の情報は一番新しい情報だからな。だが…」
「昨日のうちに現状を伝えたらその手紙を渡せって」
「…わかった。とにかく読む」
覚悟を決めたようにエイルは手紙の封を切った

そこにある蝋封は王家のものだ
母さんたちはすぐにコーラルさんと話をして王家から俺がテイムしたまま保護する許可を得てくれた
まぁ引き離せば死ぬ以上そうせざるを得ないだろうけど
今渡した手紙にはその旨が記載されてるらしい

「…取りあえず理解した。陛下から許可がある以上その個体は君がテイムすることを認める。登録もすぐにさせよう」
「どうも」
俺が頷くとエイルは職員を呼んでこの場で手続きをさせてくれた

「ではこのタグをつけてあげてください。これより小さいものがなくて申し訳ないのですが…」
「ああ、問題ない」
タグをネックレスの様につけてやる

「この町にはいつまで?」
「明日の朝には出る予定。目的地がもっと先なもんで」
「なるほど。では今日だけになるんだろうが楽しんで行ってくれ」
エイルはそう言って大きく息を吐きだした
まぁ、四方を山に囲まれた町のギルドで、王から手紙とは言え直接接触なんてそうある事じゃないだろうしな

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