137 / 370
43.オルフィの町
1
しおりを挟む
山を抜けて街道を目指した俺達は予定通り夕方にはオルフィという町に到着した
「シャノンは一人部屋か?」
俺とルークは宿ではいつも同じ部屋を取るが、シャノンは気分次第で変わる
「うん!」
今回は1人部屋にするらしい
「じゃぁ2人部屋1つと1人部屋1つ朝食付きでとりあえず2泊」
「1人部屋は1泊1500G、2人部屋は2500G、朝食は1人50Gだから…合わせて8300Gだ。支払いはカードか?」
「ああ」
宿屋の主人の説明を聞きながら俺は共有のカードを取り出していた
泊ろうとして最初は拒否されたけど、俺が成人してるとわかるとようやく泊めてくれることになった
この旅の間、町では毎回そのやり取りをしてる俺は、父さん達が俺の成人を待った理由を身をもって知った
泊まる金はあるのに泊まれないとか勘弁してくれって感じだもんな
「水は無料だが自分で裏の井戸から汲んでくれ。朝食はそっちの奥で一般客と一緒だ。食べる時にこのタグを渡してくれればいい」
そう言いながら太陽の絵が描かれた3cm四方のタグを6つ渡された
「1人1回1枚?」
「そういうことだ。部屋は3階で、花の方が1人部屋だ」
この世界では読み書きが得意じゃない人が多いせいか、宿屋ではシンボルが使われることが多い
食事のタグで言えば太陽は朝食、夕食は月の絵が描かれてることが多いし、部屋に関しては魔物や花の絵が使われることが多い
扉には10cm四方のプレートが付けられていて、そのプレートの絵と鍵につけられたキーホルダーの絵が一致する部屋を使うことになる
カギを受け取った俺達はすぐさま3階に移動する
「ちょうど向かいだな」
扉の絵を見ながら進むと奥に近い場所で見つけることが出来た
「着替えたらそっち行くね」
「了解」
シャノンに答えてから俺とルークも部屋に入る
「意外と綺麗」
「おまけに結構広い」
ダミーの荷物をベッドの横の棚の上に置いて外を見る
流石に旅してるガキが小さなウェストポーチ1つなんてどう考えてもおかしいもんな
それがマジックバッグだなんて到底思わないだろうし…
「大きくはないけど賑わってるな」
眼下にあるのは屋台が並ぶ広場
その通りを突き抜けたところにギルドの看板が見える
「屋台のご飯が楽しみだ」
「お前は相変わらずだな…」
「動きながら食べるのはただの塩味で焼いた肉だけだからね。その点屋台には揚げ物も置いてるし。まぁ塩で焼いただけでも美味しいから不満はないけどさ」
そう言いながらもルークの目は景色よりも屋台にくぎ付けだった
「来たよ~」
扉をノックしながらシャノンが入ってきた
お気に入りのワンピースに着替えているあたり、女の子なんだなと思う
「返事待たなかったらノックの意味無いだろ」
ルークが苦笑しながら言うのをシャノンは“気にしな~い”と笑って流していた
「シャノンは一人部屋か?」
俺とルークは宿ではいつも同じ部屋を取るが、シャノンは気分次第で変わる
「うん!」
今回は1人部屋にするらしい
「じゃぁ2人部屋1つと1人部屋1つ朝食付きでとりあえず2泊」
「1人部屋は1泊1500G、2人部屋は2500G、朝食は1人50Gだから…合わせて8300Gだ。支払いはカードか?」
「ああ」
宿屋の主人の説明を聞きながら俺は共有のカードを取り出していた
泊ろうとして最初は拒否されたけど、俺が成人してるとわかるとようやく泊めてくれることになった
この旅の間、町では毎回そのやり取りをしてる俺は、父さん達が俺の成人を待った理由を身をもって知った
泊まる金はあるのに泊まれないとか勘弁してくれって感じだもんな
「水は無料だが自分で裏の井戸から汲んでくれ。朝食はそっちの奥で一般客と一緒だ。食べる時にこのタグを渡してくれればいい」
そう言いながら太陽の絵が描かれた3cm四方のタグを6つ渡された
「1人1回1枚?」
「そういうことだ。部屋は3階で、花の方が1人部屋だ」
この世界では読み書きが得意じゃない人が多いせいか、宿屋ではシンボルが使われることが多い
食事のタグで言えば太陽は朝食、夕食は月の絵が描かれてることが多いし、部屋に関しては魔物や花の絵が使われることが多い
扉には10cm四方のプレートが付けられていて、そのプレートの絵と鍵につけられたキーホルダーの絵が一致する部屋を使うことになる
カギを受け取った俺達はすぐさま3階に移動する
「ちょうど向かいだな」
扉の絵を見ながら進むと奥に近い場所で見つけることが出来た
「着替えたらそっち行くね」
「了解」
シャノンに答えてから俺とルークも部屋に入る
「意外と綺麗」
「おまけに結構広い」
ダミーの荷物をベッドの横の棚の上に置いて外を見る
流石に旅してるガキが小さなウェストポーチ1つなんてどう考えてもおかしいもんな
それがマジックバッグだなんて到底思わないだろうし…
「大きくはないけど賑わってるな」
眼下にあるのは屋台が並ぶ広場
その通りを突き抜けたところにギルドの看板が見える
「屋台のご飯が楽しみだ」
「お前は相変わらずだな…」
「動きながら食べるのはただの塩味で焼いた肉だけだからね。その点屋台には揚げ物も置いてるし。まぁ塩で焼いただけでも美味しいから不満はないけどさ」
そう言いながらもルークの目は景色よりも屋台にくぎ付けだった
「来たよ~」
扉をノックしながらシャノンが入ってきた
お気に入りのワンピースに着替えているあたり、女の子なんだなと思う
「返事待たなかったらノックの意味無いだろ」
ルークが苦笑しながら言うのをシャノンは“気にしな~い”と笑って流していた
77
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた
こばやん2号
ファンタジー
とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。
気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。
しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。
そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。
※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
不定期更新になります。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】

転生して何故か聖女なった私は、婚約破棄されたうえに、聖女を解任される。「え?」 婚約者様。勝手に聖女を解任して大丈夫? 後は知りませんよ
幸之丞
ファンタジー
聖女のお仕事は、精霊のみなさまに助けてもらって国を守る結界を展開することです。
この世界に転生した聖女のエリーゼは、公爵家の子息と婚約しています。
精霊から愛されているエリーゼは、聖女としての能力も高く、国と結界を維持する組織にとって重要な立場にいます。
しかし、ある夜。エリーゼは、婚約破棄されます。
しかも婚約者様が、勝手に聖女の任を解いてしまうのです。
聖女の任を解かれたエリーゼは「ラッキー」と喜ぶのですが……
この国『ガイスト王国』は、どの様なことになるのでしょう。
――――――――――――――――
この物語を見つけていただきありがとうございます。
少しでも楽しんでいただければ、嬉しいです。

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる