チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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38.繋がり

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「ルーク肉焼いてくれ」
「わかった」
準備の出来てる分ルークに渡すと塩と胡椒を振りながらルークが焼き始めた

「おい、その段階で塩を振るのか?」
聞こえてくるロイさんの声にカディアさんが苦笑する

「他所のパーティーと食事する時は大抵あんな感じになる」
「そんなもん?」
「ああ。おかげでレパートリーが増えたりする。ところでそれは?」
調味料を合わせて混ぜているのが気になるらしい

「サラダのタレですね。味見します?」
「是非」
少しだけ匙にとって渡すと気に入ったらしくレシピをメモしてた
やっぱ高ランクになると普通に紙を使ってるらしい

「スープももう出来るな。ルーク、肉はどんな感じだ?」
「そろそろ頃合いかな」
それを聞いてスープの味を調整する
食材の出汁が聞いてるから塩と醤油のみ

「塩だけじゃないのか?」
「醤油を足すと旨味が増します。味噌でも旨いですよ」
最後に味を見て器に入れれば完成だ

「シャノンはこっちな」
別で作ったお粥を渡す

「私もお肉」
「まずはそれ。その後にスープ。肉は最後だ。ずっと寝てたから最初から肉を食べても胃が受け付けない」
「はぁい…」
シャノンはしぶしぶと言った感じでお粥を受け取って食べ始めた

「なんだこのスープ…」
「滅茶苦茶うまいな」
「シア、スープの具に決まりはあるのかい?」
「特にはないですよ。俺達もそのときあるものを使ってるだけですから。ただ肉と野菜、きのこはそれぞれ違う出汁が出るんで合わさると旨味が増しますね」
「きのこは初めて食べたんだが…」
「良ければどうぞ。この2種類は年中森の中で見つけることが出来るんで便利です」
2種類のきのこをそれなりの量カディアさんに渡す
現物があれば採取する時も困らないだろう

「ほう」
「スープに入れても焼いても炒めても行けます」
「炒める?」
そこからか?
そういえば母さんがこの世界に来た時は肉の塊を焼いたのと塩味の具のないスープが普通だったんだっけ

「確か…」
皆が用意してくれた料理の中にきのこの炒めがあったのを思い出して取り出した

「何種類かのきのこを切って塩と胡椒、醤油で味付けしたのがこれですね」
「母さんのきのこ炒めだ」
ルークが嬉しそうに箸をつける
それを見て黒煙の4人も口に運んだ

「これはいいな」
「酒が進みそうだ」
「いやーお前たちと会えたのは僥倖だな」
「スープは寒い時期にもよさそうだ。体があったまる」
「きのこは確かに見覚えはあるんだよな。手に取ったことは無かったが」
「こんなにうまいと知ってたら絶対取ってたんだが…」
「道中の楽しみが増えますよ?」
そう言いながらシャノンを見るとちょうどお粥を食べ終えたところだった
スープを肉多めで入れてやる
それを見て満面の笑みを浮かべる辺りシャノンらしい
あれだけ食べれるならもう大丈夫だろう
シャノンはスープの後肉を少し食べ終えたタイミングで先にテントで休ませた
ルークも一旦体に毒が回ってたから同じように休ませることにした

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