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34.オークションの裏側で…

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「結局どれくらい集まってんの?」
「200以上らしいぞ」
「まじ?」
「最初は会議室に席を用意してたけど取っ払ったらしい。貴族は8割マジックバッグを持ってるから各家から来るのは殆どが一人だがな」
「馬車は草原の方で待機してるらしいぞ」
そりゃこの町にそんな大量の馬車は入れないもんな

「貴族の使用人も大変だよな。こんなとこにほりこまれてオークションで競り勝たなきゃいけないんだろう?予算は家によって違うだろうし…」
「そりゃ言えてるな。俺らですら坊主たちがどんな素材を持ってるか把握してない上に処理した物からオークションにかけていくとなるとなぁ…」
最初に競り落としても後からいいものが出てくる可能性もある
その中で主の望む品を競り落とさなければならない使用人には同情の余地はある
が、所詮貴族の使用人
俺の知ったことではない

「しかも出る順は坊主たちの気分次第だ」
次々と出す魔物も素材も何も考えていないのが分かるほど順番に規則性がない
Aランクが出たと思ったらCランクが出る
Aランクが続いたと思ったらSランクが間に入る
その次に出るのはDランクと来ると誰にもどうすることも出来ないだろう
尤も俺はわざとそうしてるんだけどな

「目録も無けりゃ目玉が何かもわからない。とんだ闇オークションだな」
職人たちがゲラゲラと笑ってる

「シア、コレってかなり職人苛立ってたってこと?」
「多分な」
冒険者に直接交渉が禁止されてる以上、ギルドはかなりあおりを食らっていたのだろう

「コーラルさんはパーティーの時に色々持って行ったんだよね?」
「ああ。あの人も当然このオークションの事は知ってるからな」
「…コーラルさん一人勝ちってこと?」
「まぁ、そうなるな」
パーティーの途中でコーラルさんは俺が持ってる魔物や素材を全て確認していた
どうしても欲しいもののリスト以外の物で興味があるものを別のリストで渡された
それと照らし合わせながら持ってるものはその場で提供している
相場以上の金は受け取ってるけどオークションで手に入れるよりは確実に安く入手してる

「なぜかDランクくらいでも調達できそうなものもゴロゴロ入ってたのは未だに謎だ」
「はは…あの人ホントに変わってるよね」
貴族なのにパーティーでは見事に混ざりこんでいたことを考えれば貴族らしくないとも言える

「困ったときには使えって同じ内容の手紙を10通渡された時はびっくりしたけどな」
「言えてる。あれ、領主とかに渡す用って言ってたもんね」
何かトラブった時の保険だと持たされた手紙の内容までは分からないけど、かなり強力な切り札になるのは分かる
ルークとシャノンにも1通ずつ渡したのは俺にとっての保険だ
常に3人で行動できるとは限らないからな
俺達は話しながらも台の上の量を見ながら少しずつ出していくのは怠らない
ルークの分が終了するとそこは俺の分を出すスペースにする
共有分はまめに出してたから少しすると全てが俺の素材になった
そこから2時間ほどしてようやく手元に残しておきたい素材以外を出し終えた

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