チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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34.オークションの裏側で…

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「待ってたわよシア君」
キアナさんは俺達を見るなりそう言った

「ルーク君も売ってくれるってことかしら?」
「いいですか?」
「勿論よ。今日は貴族の依頼人たちにも声をかけてあるからいくらでもどうぞ」
随分大きく出た
どうやら上の会議室に貴族の使用人はすでにスタンバっているらしい
解体出来たモノからオークションが行われるという

「俺達うまい具合に使われてる気がする」
「安心して。その分買取価格を上乗せするから」
胸をドンと叩いて言うキアナさん

「じゃぁ向こうでお願いね。素材の買取も解体もまとめて引き受けるように言ってあるから」
「それは助かる」
場所を行き来するのは面倒だから丁度いい

「おう、坊主たち来たな」
解体職人が10人、素材買い取りの査定職人が10人すでにスタンバっていた

「手前はルークの分」
「わかった」
「おっちゃん、真ん中は共通のやつ、奥は俺ってことで」
俺達が共通のカードを持ってることは既に知ってる職人たちは頷いた
こうしておけば混在することもないはずだ

「じゃぁ…」
俺は真ん中の台に魔物や素材を置いていく

「肉の戻しもなしでいいのか?」
「ああ、ストック分は迷宮のドロップで充分だから」
旅の最中の食事は基本的には現地調達の予定だけど、必ずしも食材のある場所とは限らない
そのためのストックは最後の2か月で入手した迷宮のドロップ品で賄うことに決めていたので結構な量のストックがある

「相変わらずだな」
「その分こっちは助かるがな」
職人たちが豪快に笑う
小山が出来たところで奥に移動すると俺自身の魔物や素材を取り出した

「あ、この熊の皮5頭分はバックで」
まだ1頭しか出してないけどその辺りのやり取りも職人は慣れている
1頭をつるして解体が始まると次を台に置く

「皮だけか?」
「ああ」
「了解」
2つの台の魔物や素材の量を見ながら俺は少しずつインベントリから取り出していく

俺としてはインベントリの拡張が出来るようになったから全てストックしててもいいけど、今回の事はギルマスから頼まれての事だったりする
前のスタンピードの被害はかなり大きかったらしくギルドの資金がかなり厳しいらしい
それに前のオークの集落の件以降貴族の中には値切ってくる奴まで出て来たという
そのくせ注文は前よりもうるさくなりその量も増えた
それに腹を立てたギルマスが弾丸に相談して今回のオークションが決ったんだ
俺がAランクに上がったことを通達する時に、俺のこれまでストックしていた素材を今日と明日2日かけてオークションで売りに出すという情報も流してある
インベントリを持っていることは知られているから期待はかなりのものだというあたりの事情は来る途中でルークにも説明済みだ
ルークが自分のマジックバッグから出し終えると俺が預かってる分も出していく

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