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31.パーティー
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「俺がここまで整えたのは、父さんに色々ぶちまけてしまいそうだった時に依頼を受けるふりして家出してたからなんだ。初級迷宮のボス部屋まで飛んでそこでテント出して時間を潰すのはお約束の行動だったし」
「あら、何か懐かしいわね」
「そうだな…あんな思いは二度としたくないけどな」
父さんと母さんがそんなことを口走ればカルムさん達がそんなこともあったなと笑い出した
「何かあったってこと?」
「あったぞ。昔サラサが一度だけレイの元から離れた時に迷宮で1か月くらい暮らしてたんだ。その間サラサが見つからなくて大変だったんだよな~」
「何それ?詳しく聞きたい!」
「だめよ。それは私達だけの秘密だもの」
シャノンの言葉を母さんは笑顔で拒否した
「滅茶苦茶気になる…」
「気になっても誰にも教えてあげないわよ?それより、これは私から旅立つあなた達へのプレゼントよ」
母さんが取り出したのは小さな魔石の付いたピアスだった
「いざというときにあなた達を守ってくれるように」
そう言いながらシャノン、ルーク、俺の順に母さんが付けてくれた
「今までのとおそろい?」
「そうよ。効果は違うけどね」
得意げに言う母さんにシャノンは嬉しそうに抱き付いた
「ありがとうお母さん!私このピアス大好きよ」
「嬉しいことを言ってくれるわねシャノン」
母さんはシャノンを抱き返しながら笑う
こういう素直な反応はシャノンならではだな…
小さい頃から俺達は左耳にピアスを着けてる
母さん自ら作ったものだからスペアがあるわけでもなく、俺たち兄弟はみんな物心ついたころから着けたままになってるけどその効果を俺達は知らない
シンプルで邪魔になるものでもないから特に疑問に思うこともなかったけど、今さらながらちょっと疑問を持ったのは多分俺だけじゃない
でもこの場で聞いても母さんは教えてくれないだろうことだけは分かるからやめておくことにした
周りは何故か俺のテントに興味を持って出たり入ったりを繰り返す
マリクとリアム、ヘンリーがその場で魔力を注いでいたのには笑った
これから地道に拡張すると決めたらしい
「旅から帰って来た時を楽しみにしてろよ。シアに追いつくのは無理だけど俺らしいテントを見せてやるから」
マリクはそう言いながらニッと笑う
「ああ、楽しみにしてる。俺も拡張はつづけるけどな~」
「私も頑張るもん。テント拡張するのってマジックバッグの領域が増えるのと変わらないってことだもんね」
お、そういう考え方もあるのか
「マジックバッグの拡張は出来ないけど、野営関連の物とか頻繁に使わない物をテントに入れておけばマジックバッグ側の空き容量は確保できるし…」
ヘンリーがブツブツ言っている
「あら、何か懐かしいわね」
「そうだな…あんな思いは二度としたくないけどな」
父さんと母さんがそんなことを口走ればカルムさん達がそんなこともあったなと笑い出した
「何かあったってこと?」
「あったぞ。昔サラサが一度だけレイの元から離れた時に迷宮で1か月くらい暮らしてたんだ。その間サラサが見つからなくて大変だったんだよな~」
「何それ?詳しく聞きたい!」
「だめよ。それは私達だけの秘密だもの」
シャノンの言葉を母さんは笑顔で拒否した
「滅茶苦茶気になる…」
「気になっても誰にも教えてあげないわよ?それより、これは私から旅立つあなた達へのプレゼントよ」
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「いざというときにあなた達を守ってくれるように」
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「そうよ。効果は違うけどね」
得意げに言う母さんにシャノンは嬉しそうに抱き付いた
「ありがとうお母さん!私このピアス大好きよ」
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母さんはシャノンを抱き返しながら笑う
こういう素直な反応はシャノンならではだな…
小さい頃から俺達は左耳にピアスを着けてる
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これから地道に拡張すると決めたらしい
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ヘンリーがブツブツ言っている
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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