チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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29.拡張

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「…まさか、シアお前も来い」
父さんに言われて慌ててついて行く
その先にはナターシャさんとソファーで休憩している母さんがいた

「サラサ」
「何レイ?シアに拡張教えてたんじゃなかったの?」
まだそんなに時間立ってないわよね?と続けた母さんに父さんは尋ねた

「お前インベントリの拡張する時何をイメージしてる?」
「イメージ?巨大なトランクルームが並んだ感じかしら」
「とらんくるーむ?」
父さん達が首を傾げると同時に俺の頭にも?が浮かぶ

「あぁ、シアも知らないかしら?貸倉庫って言うのがあってね、貨物列車で運ぶコンテナのようなものを1ついくらで貸すサービスがあったのよ」
「倉庫…」
「ええ。でもさすがにこっちの魔物が収まるサイズじゃないからそれを巨大化したのをイメージした感じ。1つ1つはこの屋敷くらいの大きさだけどね」
「母さんはその倉庫をいくつ持ってんの?」
「今は100個くらいかしら」
「100?」
「インベントリに入ってるものはパネルで確認できるけど、どう治まってるか確認できないのが気持ち悪かったのよね。だから倉庫ごとに入れる物を変えて整理してたらどんどん増えちゃって」
そう言って母さんは笑う

「巨大なコンテナかぁ…」
「あら、シアは何をイメージしたの?」
「前に商会で見せてもらった倉庫」
あれが俺が知る限り一番大きい建物だったからだ

「商会の?あぁ、確かにあれは大きいわね。ただのだだっ広い空間って気もするけど」
「こいつはそこに仕切りや棚を作ったらしいんだが…」
「え?」
父さんの言葉に母さんが驚いた声を出す

「仕切りに壁?シアあなた面白いこと考えるわね。ちょっと待って私も…」
母さんはそう言うなり何か始めたらしい

「本当だわ。棚も仕切りも作れるのね~楽しいわぁ」
「「「…」」」
はしゃぐ母さんを俺達は暫くただ眺めていた

「…お前はサラサのミニチュアだな」
父さんがため息交じりに言う

「ひょっとして俺さっきこんな感じだった?」
「ああ」
即答されて渇いた笑いを零した辺りでようやく母さんが落ち着いた

「仕切りや棚があると整理が楽しくなるわね。いいこと知ったわ」
「…それは良かった。ところでだ、その倉庫ごとに時間遅延効果を変える事なんて…」
「出来るわよ」
何を今さらとでも言うように母さんは即肯定した

「本当?どうやんの?」
「…シアは何で時間をはかるのかしら?」
「時計?」
「私もよ。倉庫ごとに時計を設置すればいいのよ」
「え?でも止めるのは?」
「時間を止めておけばいい。つまりこの倉庫の時計は進まないってイメージね」
「…じゃぁ送らせるのは針のスピードをゆっくりにすればいい?」
「そういうこと」
そんな簡単なことだったのかというのが正直な気持ち
でもそんな事だったから簡単に操作出来てしまった

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