チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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24.挨拶

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「あとは次代を育てるという意味もあります」
「次世代を?」
弾丸はまだまだ現役のはずだけど…

「人は年を取る生き物ですからね。ある日突然弾丸に依頼できなくなってそこから冒険者を探すなど不可能です。いきなり指名されただけのAランクにスタンピードの指揮を取れと言っても難しいでしょう」
「それは確かに」
パーティーの中で連携して動くだけで良かった奴に、他のパーティーも含めて指揮を取るなんて簡単なことじゃない
冒険者は良くも悪くも自立心が高い
間違ったくだらないプライドを持ってる奴もいれば、強さが全てだと思ってる奴もいる
そんな連中が従うのは自分よりも強者と認めたものだけだろう

「まぁその点君たちは先日のオークの件がありますから心配はしていません。シアなら歯向かう馬鹿を黙らせることも出来るでしょうからね」
オークの殲滅情報は既にわたってるということか

「私もですが、私の後を継がせる息子も、あなた方に無理な依頼を押し付ける気は有りません。欲を言えば望んでるモノを入手される機会があれば、こちらに売ってもらいたいというくらいでしょう」
「それは父さんに聞いたことがあります。リストだけ送られてくると」
「僕たちも同じリストが送られてくるってこと?」
「ご協力いただけるのなら嬉しいですね」
「期限は無いって言ってたやつだよね?どこかで手に入れた分をっていうなら私は別にいいと思うけど」
「僕も」
シャノンとルークは頷いた

「という事らしいです」
「それは頼もしい。あぁ、それと先日も言いましたが戻ってからでいいので旅の話を聞かせて欲しいですね」
「僕たちの?それこそ意味ある?」
「貴族の視点、大人の視点、若い世代の視点それぞれ違うモノが見えるはずです。弾丸に依頼しても弾丸に対する対応は貴族に対するそれと変わらないでしょう。その点君たちはまだ顔も名前もしれわたっていないですからね」
「つまり弱者への対応を見たいってことですか?」
「そのとおりです。セトイカまでの道中であれば集落の方が多いでしょう。そのような領地では依頼を受けた代理の領主が管理しているケースが大半でしょうし、その不正は中々表には出ないんですよ」
「…そういえば王家とのつながりが強いんでしたね」
俺は思い出してため息を吐いてしまった

「誤解しないでください。それをどうにかして欲しいというわけじゃありません。ありのままを伝えて欲しいだけです」
「…まぁ見たことを伝えるだけなら別に…」
それでも面倒だという思いが強くて乗り気には慣れない

「コーラルさん、それって理不尽な扱いを受けた時の愚痴でもいいってことですよね?」
「おいルーク…?」
とんでもないことを言いやがる

「それは大歓迎です。弱者に対して理不尽なふるまいをする貴族や領主は碌な未来をもたらしませんからね。その類の情報料は弾みますよ」
「「やる!」」
2人の即答にコーラルさんは満足げに頷いた
こういうところは一体誰に似たんだ?

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