チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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23.念願の

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「ちょっと相談があるんだけど」
リビングにみんながいるのを確認して俺は切り出した
「どうした?」
それまで騒いでたチビ達までこっちに注目する
「Aランクのランクアップ条件満たしてるみたいなんだ」
俺はそれだけ言って父さんを見た

「そうなのシア?ランクアップ当然するんでしょう?」
シャノンが興奮気味に言っても誰も何も言わなかった
「…何か問題有るの?」
恐る恐る尋ねるシャノンに苦笑する

「Aランク以上は国に報告されるから貴族が絡むらしい」
「貴族…」
その言葉にシャノンの顔が歪んだ
賭博の件でトラウマになってるからしょうがない
奪われた金もまだ全額返ってきたわけじゃないしな…

「それなら心配ないぞ」
「え?」
突然そう言ったカルムさんに首をかしげる
流石にこの返答は想定外だった

「あいつが言ってただろ?お前達の後ろ盾も大歓迎だって」
あいつってコーラルさんの事か?
俺は記憶を引っ張り出した
そういえばあの時最後にそんなことも言ってた気がする

「シアの『無限』もマリク『暁』も、メンバーの誰かがAランクになった時点でパーティーランクにかかわらず、そのパーティーの後ろ盾になる手はずは整ってる。勿論条件は『弾丸』と一緒だ」
「え?けど俺のパーティーってみんな孤児だぞ?」
マリクはリアムと顔を見合わせ困惑気味に言った
この世界の貴族は基本的に孤児には見向きもしないしむしろ嫌悪する
子供は宝だという世界だけど貴族の中で平民というのは人間と思われてないことが多い
ちょっと気に食わなかっただけで簡単に処罰されたりすることもあるし、貴族にとっての平民の命はきっと貴族の馬車を引く馬よりも軽い

「あいつがそんなこと気にするはずないだろうが。ランクアップ要件満たしたなら何も気にせずランクアップすればいい。国に報告が言った時点で自動的にあいつが後ろ盾になるし、それと同時に貴族に通達が行くはずだ」
「すげ…」
「まじか…」
俺もマリクもそれしか言えなかった

「ま、嫌なら断わることも出来るぞ。シアは実際に会ってるからわかるだろうがあいつは変人だしな」
「いや、変わった人とは思うけど断わるなんてもったいないことはしないって」
すでに恐れ多いものも貰ってるしな

「何にしても、シアがAランクになるってことでいいのよね?」
「そういうことだな。頑張ったなシア」
母さんと父さんの言葉に皆から祝いの言葉が飛んでくる

「まさか出発するまでにランクアップするとはな。流石『エンドレスの申し子』ってところか?」
「その称号は勘弁して。滅茶苦茶恥ずかしいんだけど」
困ったように言うと皆が笑い出す

翌朝ギルマスに報告してランクアップした
コーラルさんの事を話すとそれなら安心だとギルマスは明らかにホッとした顔をした
どうやら高ランク冒険者と貴族のトラブルは多いらしく、その度にギルマスは謝罪や仲裁に駆り出されると嘆いていたのにはちょっと笑った
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