チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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23.念願の

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パーティーメンバーも揃ってるところを見ると俺達と同様ギルドに向かうんだろう

「お疲れ。珍しいな一緒の時間になるの」
長いことやってるけど意外と同じタイミングで終わることは無いんだよな

「だな。で、リアムに何を聞くって?」
マリクが興味津々と言った感じで聞いてくる

「俺じゃなくてシャノンだな」
「シャノンが?」
「頼みごとがあるらしい」
「へぇ…100%聞いてもらえるんじゃねぇの?」
「俺もそう思うけど一応な」
俺達がそんな話をしている間にシャノンはしっかり許可を取ったらしい

「シア、私も行っていいって」
それを聞いたとたん俺もマリクも噴出した
そんな俺達をシャノンは首を傾げながら、リアムは恨めしそうに見ていた



ギルドに着くと一旦依頼ボードを確認して俺とマリクだけが受付に向かう
「シア君ちょっと」
「?」
依頼の手続きが完了するなり改まって言われて首を傾げる
何か余計なことでもしたか?
そう思いながらも促されるまま2階に上がる
通されたのはギルマスの部屋

「ギルマス、俺なんかしたっけ?」
「いや、そういうんじゃない」
「だったら?」
「お前のランクアップ要件を満たしたらしい」
「まじ?」
正直、まだもう少し先だと思ってた

「で、どうする?」
「どうするってそりゃ…」
アップするに決まってんじゃん
そう言おうとして一旦止める
ギルマスがあえてこう聞いて来るにはきっと理由があるはずだ

「アップしたら何かあんの?」
ギルマスはそう尋ねたとたん大きく息を吐きだした

「Aランクになれば国に報告が行く」
あ~そういうことか…
父さん達がランクアップしなかったのもその辺が理由だって言ってたっけ

「直接国と関わるのはSランク以上だがAランクからは貴族からも直接声がかかるはずだ」
「…一旦持ち帰っていい?父さんたちと相談する」
「その方がいいだろうな。こないだの令嬢の件は俺も耳にしてるし同様の馬鹿が出てこないとも限らん。そうなった時俺の胃が悲鳴を上げる」
真剣にそう言われて笑いたいのを何とかこらえた

「と、とりあえず決まったらギルマスに言えばいいのか?」
「できればそうしてくれ」
「了解」
俺はギルマスと別れて外に出た

「なんかあった?」
「…帰ってから話す」
「…なら俺達もそっち行くわ」
マリクが何かを悟ったのかそう言った
リアムも頷きヨウ達は先に帰って行った

「マリクたちとこうやって一緒に帰るなんていつ振りかな?」
「リアムが成人してから家を出たから2年以上だな」
それまでは休みの日に一緒に町に来たりもしていたからこうやって一緒に帰ることも多かった

「シャノンにはよくおんぶをせがまれたからなあ…」
「それは忘れてくれていいんだけど?」
「無理だな」
即答されたシャノンは何とも言えない顔をする
そんな思い出話をしてるうちに家に到着した

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