チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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22.令嬢達の処罰

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「お前の思うとおりに言えばいい」
その言葉に頷いて返す

「…俺はこいつらとその関係者が二度と俺や俺の家族、親しい人の前に現れないことを望む。あと、シャノンの金をこの女たちから返却させて欲しい」
「シャノンのお金とは?」
首を傾げるコーラルさんに、そう言えばまだ説明していなかったと思い出す

「こいつらがシャノンを裏賭博に沈めようとしてた張本人。それを自慢げに言ってきた」
「なるほど?」
コーラルさんの眉がピクリと動く
ここしばらく調べ回ってくれてたから思うところがあるんだろうなぁ…

「シャノンが奪われた正確な金額は分からない。でも手に入れた大体の金額ならわかる」
「その信ぴょう性は?」
「俺達は報酬を自分たちと旅の為の共有カードに4等分してる。母さんに言われて共有のカードに入ってるのは記録を付けてある。ここに入れてるのは素材も全て売却した上での金額。素材の売値はタイミングとかで多少誤差があるだろうけど…」
俺は言いながら記録したノートをコーラルさんに見せた

「少なくともこの日の後から父さんたちに報告する前日まで、手に入れた分は全て巻き上げられてる」
ルークがランクアップした3日後を指す

「ここまできちんと記載されているなら充分証拠として通用するでしょう。ではこの日からこちらに報告を頂いた前日までの金額を彼女たちから返済させるというのでどうでしょう?」
「それでいいよ。でも返済分差し引いてこいつらの手元に残った金は全額、国内の孤児院に寄付して欲しい。それでも成人前の未熟な妹をコケにしたこいつらの事は許せないけど」
「そんな…」
「あとこいつらの持ってるドレスや宝石も売りに出してその金も寄付してもらえる?」
女たちが縋る様な目を向けて来るけどそれにこたえる気は一切ない

「奪われる辛さを知らしめたいということですね?その支払先が孤児院となれば陛下も了承されるでしょう」
陛下は無類の子供好きですからとつぶやくのが聞こえた
コーラルさんは側に控えていた執事に必要な期間の金額をメモさせてからノートを返してくれた

「では先ほどの処罰で陛下と再び話をさせていただきましょう。まぁ、反対されることは無いでしょうけどね」
コーラルさんの笑みが黒い…
しかもその言葉の直後コーラルさんの連れて来た騎士達が女たちを掘り出すと、その場で拘束し、刻印を施していく

「いやー!!放して!!」
「お願いよシア様!この通り謝るから!!」
手の甲に現れた真っ赤な刻印に女たちは泣き喚き、未だに俺にすがろうとする
どんな思考回路を持ってたらこの状況で助けて貰えると思うのか俺にはサッパリわからない
「貴族って随分都合のいい思考回路してるんだな?」
「「「え…?」」」
「監禁するって言い放った相手が助けてくれると思ってるなんておめでたすぎるだろ?それとも何か?俺が平民だから許すのが当然だとでも思ってんのか?」
「それは…でも私はただシア様を…」
「それが迷惑だっつってんだよ!こんなことしといて相手にしてもらえると思ってるお前らの思考回路が気持ち悪い」
こいつらの言動があまりにもあさましくて俺は二度と関わりたくないと強く思った
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