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22.令嬢達の処罰
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「最後に、この女は媚薬を所持してるって言ってたんだけど」
「おや、そうなると先ほどお伝えした処遇は変わってきますね」
「変わる?」
「この国で媚薬は麻薬と同じ扱いですからね。所持するだけでも犯罪となります。シアは媚薬に関して他にも何か言われましたか?」
「既成事実を作るために媚薬を使ってやるから、獣の様に自分達を求めろ、だったかな。しかもこの女は心が広いらしくて俺を他の令嬢にも貸し出すってさ」
「なるほど。シアに使用すると告げたわけですね?他の令嬢も媚薬を使うことを認識していたと?」
俺はその問いにただ頷いた
「であれば、彼女たちは娼館行きとなりますね」
「娼館行き?」
「麻薬の場合は男女問わず鉱山へ、媚薬の場合は男性なら男娼、女性なら娼婦と決まっているのですよ。いずれも所持で5年、使用もしくは使用を宣言することで10年です。その間の報酬は所持の場合は医療機関に、使用に関する場合はその相手に支払われます。さらに魔封じの悪用は犯罪奴隷と相場が決まっています」
「そう言えば例の事件の犯人も犯罪奴隷になってたわよね?」
「ああ」
「犯罪奴隷ってどうなるの?」
「手の甲に魔道具で赤い刻印を押されます。これは生涯に渡り消えることはありませんし、秘匿するために手首を切り落とした場合、首筋に刻印が移ります。奴隷の管理は奴隷商が行い、大抵の場合危険地帯の仕事を行うことになりますね。魔物に襲われた集落の弔いや片付けをはじめ、山を切り開いたり川に橋を渡す作業員として働くのも含まれます」
大抵の場合って言葉を使ったのは、多分人身売買みたいのが絡んでるんだろう
「それにしても困りましたね」
「何が困る?」
「弾丸の家族に手を出したということだけで先ほどの処罰を決めましたが余罪が大きすぎます。裏賭博の存在を秘匿した時点で秘匿した者は公開鞭打ちです」
「公開鞭打ちって?」
「1か月間、朝・昼・晩それぞれ15回ずつ王宮前広場で鞭打ちされる刑だな」
カルムさんがサラっと言った
「ちなみにその鞭には結び目が大量にあるから痛さも半端ないらしい」
「貴族が脱税したときもその刑が執行されるはずだぞ」
トータさんとアランさんは笑いながら言う
どう考えても楽しい話ではないんだけどな?
お陰で埋まってる女たちが泣き叫んで煩い
「さらに魔封じの悪用で犯罪奴隷、媚薬による娼婦落ち…最北の修道院どころの問題ではないですね。この状況では主犯かどうかなど微々たる問題ですし、さらに…」
「家の処遇も変わるってことか?」
「そうなりますね。独立した娘なら別ですが同じ屋敷にいる娘の罪です。これだけの事を彼女たちだけが行うのは不可能。実際、そこにくたばってる男たちもいますしね。となると…そもそも魔封じの悪用と裏賭博の秘匿については家族も連座と決まっていますし、それより軽い罪にはなり得ませんね」
「つまり一家そろって犯罪奴隷ってこと?」
「そうです。最低でもここにいる令嬢は家族を含めて公開鞭打ちの後犯罪奴隷となるはずです。令嬢たちに関しては公開鞭打ちの後、犯罪奴隷の刻印を押された状態での娼婦落ち、10年働いた後に奴隷商に引き渡しとなるでしょう」
俺は父さんを見た
「おや、そうなると先ほどお伝えした処遇は変わってきますね」
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96
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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