チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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「シア様は素晴らしいお方ですもの。その見た目に強さ、平民ですから正式な婿には無理ですが第二夫としてこれほどの者はおりませんわ」
「私共でも大歓迎ですのよ?それにエリザベス様は心の広い方なのです」
「は?」
「婚姻されても月に一度は私たちと閨を共にして、シア様の子種を提供してくださると約束してくださいました」
夫を共有?
あり得ない発言に吐き気が増した
「意味わかんねぇ…お前ら頭おかしいんじゃねぇの?」
「な…?!」
エリザベスの顔色が変わる

「それにお前らみんな臭いから近寄らないでくれ」
「ま…」
「なんてこと…」
女たちの顔が歪むのが分かった

「獣の方がまだましだ。こっちはお前らの臭いのせいで吐きそうなんだよ」
「なんて失礼な…こうなったら仕方ありませんわ。魔法は使えませんもの。このまま力づくでも連れて帰らせていただきますわ」
エリザベスは声を張り上げてそう言った

次の瞬間黒装束の男が5人現れた
気配はあったから驚きはしない

「捉えて拘束なさい。シア様が成人されるまで監禁させていただきますわね。成人されればご両親の許可は必要ありませんもの。後はお父様の力でそのまま婚姻迄進めます」
「…」
「シア様は安心なさって?シア様の憂いとなるご両親始め皆さまは、私共で捉えさえさせていただきますわ。我々の家で使用人として使って差し上げてもよろしくてよ?」
弾丸を使用人とはずいぶん舐めてくれる

「シア様には今夜から順に私共と閨を共にしていただきますわね。既成事実を作るために媚薬というものもご用意させていただきましたの。媚薬の力を借りて毎日獣の様に思う存分私達を求めてくださいましね」
「シア様に獣の様に求められるだなんて…ゾクゾクしますわ」
「お二人ともはしたないですわよ?」
「そういうあなたも口元が笑っていてよ?」
何を妄想してるのかは考えたくもないおぞましい表情から目を反らす
言質は取れたしもういいよな?
これ以上付き合ってたらこっちの気が狂いそうだし…

「そういうことですから、あなた達、さっさと捉えなさいな。少々生意気が過ぎますから痛めつけるくらいはかまいませんわ。シア様には後ほどしっかり調教して差し上げますわね」
「「「「「承知」」」」」
5人の男は一斉に飛び掛かってくる
痛めつけるだけにしては随分物騒な獲物を持った男たちを見すえる

『反射』

頭痛がしてようが吐き気がしてようがこれくらいはできる

「ぐぁ…」
「なっ…?!」
男たちは自らの攻撃を受けてうずくまる
骨が折れてる奴に腹から流血してるのもいる
それ、ちょっと痛めつけるレベルじゃないよな?
あとはこいつらを逃げれないように…

『掘削』

「キャァ…!!」

『埋没』

首だけ地面から出た状態で埋まった女たちを見下ろす
「ただの平民に見下ろされるのもたまにはいいもんだろ?」
「シア様!一体…?!あなたの魔法は封じたはず…」
「俺の力は魔法だけじゃない。あんたたち、誰に喧嘩を売ったのかわかってんのか?」
「何を…私はこの国で…」
「王の覚えがいい…か?だから何だ?俺の親のこと知らないのか?」
「親のこと…?平民の事をわざわざ調べる必要はありませんわ!」
「俺の…俺や、あんたが嵌めたシャノンの父親はこの国で唯一のSSランクパーティーだ。そして母親はソーサリーマスターでもある」
「え…?」
「この国の貴族や王がどれだけ偉かろうが、俺達には関係ない。なぜなら気に入らなければ国を亡ぼすだけの力を持ってるからだ」
「な…」
エリザベス達の顔から血の気が引いた
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