チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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19.遠い道のり

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「Aランクが来たらエンドレスな」
「わかった」
「1体だよね?」
「流石に無茶は出来ないからな。今日は1体で様子を見て明日以降はまた考えよう」
討伐依頼で1人で仕留めたとはいえ単体だった
1体で完了ならほぼ全力でかかれるけどそれが出来ないのがエンドレスだ
最初から2体以上を狙うのは自殺行為でしかない

「Aランクを避ける選択肢は無いもんね」
「そりゃそうだよルーク。お母さんだって言ってたじゃない。Aランクのいる場所を抜けなきゃセトイカには行けないって」
「分かってるよシャノン。自分に言い聞かせてただけだって」
ルークはそう言いながら苦笑する

「できれば午後がいいけどな」
「流石に朝からは勘弁して欲しい。このフロアにしかない薬草もあるんだよね?」
「光草だな。Bランクだけど依頼で出てたら破格になる」
「いくらくらい?」
「20本3000Gってのは見たことがあるな」
「常設なら10本700Gだよね?」
「何でそんな値になんの?」
「このフロアだからだろうな」
「このフロア?」
「Bランクの薬草だけど、ここはAランクも出る」
「「あ…!」」
2人はそう言うことかとでも言うように顔を見合わせる

「さらに言えば光草は10本で通常の薬を作れるけど上級を作る場合は20本以上必要だ」
「Aランクが出る中で20本採取するのは結構きついね」
「しかも中級だからフロア自体も広いし…そう言えば光草って何の薬に何の?」
「日の光に対する拒否反応だったはずだな」
「あ、日の光に当たると肌が爛れるとかいう?」
「それ。通常の薬で爛れとか炎症を抑えることが出来るけど、上級だと短い時間だけだけど光に当たっても大丈夫らしい」
「短い時間ってどれくらい?」
「30分くらいだったと思うぞ」
「たったそれだけ?」
普段から一日中外に出てるのが当たり前のシャノンにしたらそうなるか
「それでも全く外に出れないよりはマシって感じだろうな」
一日中部屋の中がずっと続くと考えたら俺でもキツイ
「本数が増えれば効果が上がったりする?」
「いや、効果ってよりは時間が伸びたはず。薬自体の質が上がるのか、利用する方が途中で飲みたすのかは分かんねぇけどな」
なるほどね~と頷きながらシャノンは薬草を探す

「シャノン!」
「え?うわっ…ごめん!」
採取に夢中になっているシャノンの足元からバジリスクが頭を出していた
こいつはBランクの蛇型の魔物で大抵地中で生活してるらしい
強い魔物と戦ってる時に地中から現れたらシャレにならないかも…?
とりあえず目の前のは頭を切り捨てる

「油断はするな」
「うん。ありがと」
シャノンは謝って来るけど俺も悪いな
賭博のせいでシャノンは金が喉から手が出るほど欲しいはず
カルムさんからの報告で壊滅すべく動いてるらしいけど、今は証拠がようやく集まったところらしい
返金されるとしても全額ではないだろうって父さんも言ってたしそれはシャノンも納得はしてるけど…
それから暫くの間、バジリスクを倒しつつ光草を採取していた

「来た!」
ルークの声に振り向いた先にいたのは人の顔に獅子の胴体、コウモリの羽、サソリの尾を持つ合成獣だった
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