65 / 370
17.誘惑
3
しおりを挟む
「何にでも興味を持つお前は元々狙われやすいタイプだ。甘い誘惑なんていくらでも転がってるんだから、これからはもっと慎重に判断しろ」
「はい…」
「今回はシアたちが気づいてくれたからよかったけどな、下手したら借金する羽目になってこの先の旅どころじゃなくなる可能性もあったことだけは覚えとけ」
「ぅん…めんなさ…」
震えながらかすれる声でそう言うシャノンを抱きしめてやる
「お兄ちゃ…ごめ…さ…あり…とぅ…」
多分シャノン自身どうしていいかわからなくなってたんだろう
負けた分を取り戻して何とか帳尻を合わせる事しか考えられなくなってたのかもしれない
そう思えば思うほどシャノンをカモにした奴らに怒りがわく
簡単に乗ったシャノンも悪いけど、判断力の弱い未成年をカモにした奴らの方がどう考えても悪いだろ
まぁ、普通に考えたら平民の未成年なんてカモにする以前の問題のはず
それにも関わらずルークのいない所を狙って声かけてる時点で悪質極まりない
確実に俺達の事を調べた上で近づいてる
「もう二度としないな?」
「しない…!」
うん。この様子じゃ怖くて二度と手を出せないだろう
あとはもう父さんたちに任せてしまえばいい
「シャノンはいつまでたってもお兄ちゃん子ね」
「母さん…」
何も今それを言わなくてもいいと思うんだけど
「母さんって時々誰よりもキツイ留めさすよね」
ルークは俺だけに聞こえるように呟いた
俺もそう思うよ
その言葉はあえて口にはしなかったけどな
「シャノンもちゃんとわかってるし反省してるみたいだからこれ以上は言わないわ。シア」
「ん?」
「あとはお願いね。私たちはカルムさん達と話をしなきゃいけないから」
「分かった」
「お前が自分の出来ることと出来ないことの区別がつくようになってくれて良かったよ」
父さんはそう言い残して母さんを促して出て行った
俺だってそれくらい分かる
だからこそ余計に悔しい
「確かにシアなら一人で突っ込んでいきそうな気がする」
「おい?」
部屋に3人になった途端ルークが呟いた
「だってシア昔から僕たちに何かある度に突っ込んで行ってたじゃん」
「そんなこと…」
あるな…
思い当たる事が多すぎる
「頼もしい兄貴で僕は心強かったけどね」
頼もしいもなにも小さい頃は殆ど念動力でやり返してただけだ
多分誰も俺がやり返したなんて気づいてない
「シャノンももう泣き止め。不細工になるぞ」
「ならないもん…」
そう言いながらも何とか泣き止もうとする当りがシャノンだな
身体を離して涙を拭くものの既に目元は腫れていた
「ほら」
俺は前に母さんがしてくれたようにシャノンの目元にヒールをかける
「え?今何やったの?」
「ヒールを掛けただけだ。前に母さんに教えてもらったんだよ」
「すごい。そんな使い方もあるんだ…」
「魔法は奥が深いからまだまだ知らない使い方があると思うぞ」
そんな話をしていると下から食事だと呼ぶ声がした
その夕食の席で俺達は驚く話を聞くことになる
「はい…」
「今回はシアたちが気づいてくれたからよかったけどな、下手したら借金する羽目になってこの先の旅どころじゃなくなる可能性もあったことだけは覚えとけ」
「ぅん…めんなさ…」
震えながらかすれる声でそう言うシャノンを抱きしめてやる
「お兄ちゃ…ごめ…さ…あり…とぅ…」
多分シャノン自身どうしていいかわからなくなってたんだろう
負けた分を取り戻して何とか帳尻を合わせる事しか考えられなくなってたのかもしれない
そう思えば思うほどシャノンをカモにした奴らに怒りがわく
簡単に乗ったシャノンも悪いけど、判断力の弱い未成年をカモにした奴らの方がどう考えても悪いだろ
まぁ、普通に考えたら平民の未成年なんてカモにする以前の問題のはず
それにも関わらずルークのいない所を狙って声かけてる時点で悪質極まりない
確実に俺達の事を調べた上で近づいてる
「もう二度としないな?」
「しない…!」
うん。この様子じゃ怖くて二度と手を出せないだろう
あとはもう父さんたちに任せてしまえばいい
「シャノンはいつまでたってもお兄ちゃん子ね」
「母さん…」
何も今それを言わなくてもいいと思うんだけど
「母さんって時々誰よりもキツイ留めさすよね」
ルークは俺だけに聞こえるように呟いた
俺もそう思うよ
その言葉はあえて口にはしなかったけどな
「シャノンもちゃんとわかってるし反省してるみたいだからこれ以上は言わないわ。シア」
「ん?」
「あとはお願いね。私たちはカルムさん達と話をしなきゃいけないから」
「分かった」
「お前が自分の出来ることと出来ないことの区別がつくようになってくれて良かったよ」
父さんはそう言い残して母さんを促して出て行った
俺だってそれくらい分かる
だからこそ余計に悔しい
「確かにシアなら一人で突っ込んでいきそうな気がする」
「おい?」
部屋に3人になった途端ルークが呟いた
「だってシア昔から僕たちに何かある度に突っ込んで行ってたじゃん」
「そんなこと…」
あるな…
思い当たる事が多すぎる
「頼もしい兄貴で僕は心強かったけどね」
頼もしいもなにも小さい頃は殆ど念動力でやり返してただけだ
多分誰も俺がやり返したなんて気づいてない
「シャノンももう泣き止め。不細工になるぞ」
「ならないもん…」
そう言いながらも何とか泣き止もうとする当りがシャノンだな
身体を離して涙を拭くものの既に目元は腫れていた
「ほら」
俺は前に母さんがしてくれたようにシャノンの目元にヒールをかける
「え?今何やったの?」
「ヒールを掛けただけだ。前に母さんに教えてもらったんだよ」
「すごい。そんな使い方もあるんだ…」
「魔法は奥が深いからまだまだ知らない使い方があると思うぞ」
そんな話をしていると下から食事だと呼ぶ声がした
その夕食の席で俺達は驚く話を聞くことになる
87
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
お気に入りに追加
656
あなたにおすすめの小説

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。

私が産まれる前に消えた父親が、隣国の皇帝陛下だなんて聞いてない
丙 あかり
ファンタジー
ハミルトン侯爵家のアリスはレノワール王国でも有数の優秀な魔法士で、王立学園卒業後には婚約者である王太子との結婚が決まっていた。
しかし、王立学園の卒業記念パーティーの日、アリスは王太子から婚約破棄を言い渡される。
王太子が寵愛する伯爵令嬢にアリスが嫌がらせをし、さらに魔法士としては禁忌である『魔法を使用した通貨偽造』という理由で。
身に覚えがないと言うアリスの言葉に王太子は耳を貸さず、国外追放を言い渡す。
翌日、アリスは実父を頼って隣国・グランディエ帝国へ出発。
パーティーでアリスを助けてくれた帝国の貴族・エリックも何故か同行することに。
祖父のハミルトン侯爵は爵位を返上して王都から姿を消した。
アリスを追い出せたと喜ぶ王太子だが、激怒した国王に吹っ飛ばされた。
「この馬鹿息子が!お前は帝国を敵にまわすつもりか!!」
一方、帝国で仰々しく迎えられて困惑するアリスは告げられるのだった。
「さあ、貴女のお父君ーー皇帝陛下のもとへお連れ致しますよ、お姫様」と。
******
不定期更新になります。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

どーでもいいからさっさと勘当して
水
恋愛
とある侯爵貴族、三兄妹の真ん中長女のヒルディア。優秀な兄、可憐な妹に囲まれた彼女の人生はある日をきっかけに転機を迎える。
妹に婚約者?あたしの婚約者だった人?
姉だから妹の幸せを祈って身を引け?普通逆じゃないっけ。
うん、まあどーでもいいし、それならこっちも好き勝手にするわ。
※ザマアに期待しないでください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる