チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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11.ルークのランクアップ

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「どうかした?」
「いや。シャノンも成長したもんだと思ってな」
俺も同じことを思ったけど先にそう言ったのはマリクだった

「何よそれ?」
「いや、お前の事だから拗ねるかと思ってた」
「え~?あぁ~でもルークがCランクに上がった時はそう思った。その時にお母さんが言ってくれたの」
「母さんが何を?」
「補助は地味だけどランクが上がれば上がるほどありがたいものになるって。シャノンは攻撃と補助で人の倍体に覚えさせる必要があるから、人より時間がかかってもしっかり自分のモノにしなさいって」
あー何か母さんらしい

「だからね、ルークと張り合うんじゃなくて、自分自身との闘いなんだなって思うようになったの。それに双子って言っても男と女じゃどうしても差が出ちゃうから、同じように進めることが出来ないとも言われたかな」
「まぁ、それは確かにどうすることも出来ない部分ではあるな」
「でしょう?お母さんにそう言われてからはあんまり気にならなくなったんだよね」
そう言って笑うシャノンに無理した感じは見られなかった
やっぱり母さんは凄いや

「シャノンがそう思えるなら問題なさそうだな。じゃぁ俺は皆にも伝えたいから処理だけ済ませて行くよ」
マリクは頷いてからそう言うと依頼の処理を済ませに行った

「じゃぁ俺らも帰るか」
2人を促してギルドを後にした

「ルーク」
「ん?」
「ランクアップの祝い、希望はあるか?」
「ん~」
ルークは暫く唸りながら考えていた

「…シアが前に使ってた剣ってまだある?」
「前に使ってた剣?これか?」
俺は2か月前に剣を買い替えた
インベントリの収納量は結構あるから過去に使ってた剣もほとんど置いてある
何本かは手元に戻らない前提の攻撃に使ったからここにはないけど

「それが欲しい」
「これ?別に新しいの買ってやるぞ?」
そう言うとルークは首を横に振った

「シアの魔力が馴染んだそれがいい」
あぁ、なるほど
ルークの魔力と相性が悪いはずもないか

「お前がそれでいいなら」
俺は取り出した剣をルークに渡す

「いいなぁ。シアの装備っていいの多いもんね」
「俺はお前たちと違って他で金を使わないからな。インベントリのおかげで素材も売らずに保管できるし」
それはかなり大きい

特に高ランクの薬草はそのまま買い取ってもらうよりも依頼で収めた方が高額になる
モノとタイミングによっては10倍近い値になることもある
ルークたちが常設のCランクの薬草を10本ずつ売りに出した場合は500G
でも依頼では100本単位が多くて単純に5,000Gとなることはまずない
最低でも倍の10,000GにはなるしBランク以上だと最低でも5倍になるし、7,000G(700G/10本)が35,000Gになることも珍しくない

昔はルークもシャノンも父さんか母さんのインベントリに入れて集まるまで待ってたはずだけど、いつからか目先のお金を欲するようになっていた
2人はよく食べる
食事まで待てずに間食にかなりつぎ込んでるはずだ

シャノンはそれ以外にも装備以外の服なんかにもつぎ込んでるから、同じ年代の子供よりもはるかに稼いでるにも拘らず手元にはあまり残っていないはず
それでも母さんがギルドに頼んでる関係で貯金が[年齢×10万G]を切ることはないんだけど

ルークもシャノンと行動することが多いせいで同じように装備以外の服につぎ込んでる節がある
休みの日に出かけるわけでもないのにと思う俺は貯金が増える一方だ

家に帰るとルークは真っ先にランクアップしたことを報告して、次の休みに祝いのパーティーをすることが決まった
これはいつもの事だから想定内だ
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