チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
26 / 370
7.羨ましがられた

2

しおりを挟む
「そういえばエンドレスって遭遇できる階層に制限があったりする?」
「どうかしら。でも10層以下で遭遇したことは無いわね」
「最初のボス倒す前に遭遇しても困るけどな。特に初級」
「そりゃそうだ。迷宮ド素人がエンドレスなんてシャレにもならん」
たしかにそれは嫌かもしれない

「何にしてもシアは5人の中でも1番の規格外だったってことね」
「何でだよ?それならルークとシャノンも一緒だって」
「え~僕たちはエンドレスなんて遭遇しなかったけど?」
「そうよ。シアと組んでからだもん」
「それはそうかもしれないけど…変わんないよな?母さん」
俺は唯一味方をしてくれそうな母さんを見る

「そうね…下の4人とシアはちょっと違うかもしれないわね」
「へ?」
まさかの俺だけ違う発言

「下の4人は私やレイの血を引いてるからで説明がつくけど、シアはちょっと特殊でしょう?」
「特殊?どこが?」
「前世の記憶」
「あ…」
確かにそれは下の4人達と決定的に違う点だ

「そう言えば前世持ちも何らかの補正がかかるっていうな」
「え?」
「サラサは間違いなく特殊だけどな。そのせいで俺まで意味不明な体験してるくらいだし。下の4人のスキルは生まれつき持ってたものか祝福で得たものだ」
「それは俺も一緒じゃん」
「違うわよ」
「え?」
「シアの念動力だけはそのどちらでもないもの」
「まじ?」
それは流石に知らなかった
物心つく前から使ってたからてっきり生まれ持ったものだと思ってたし…

「ある日突然使えるようになったのよ。同時にステータスに表示されるようになったから、何かのトリガーがあったのかもしれないけど、それ自体が普通じゃないから」
サラッと告げる母さんの言葉が左から右に抜けていく

「その上達も早かった。まぁその辺はサラサの血を引いてるからとは思ったが」
「良かったじゃんシア。立派な規格外」
「ヘンリー?」
「でもエンドレスに遭遇するって補正なら俺も欲しいな」
「ヘンリーの言う通りよね。同ランクの討伐数450でも探すのと寄ってくるのじゃけた違いだもん」
「シャノン達はシアと行けるからいいじゃん。俺なんてまだEランクなんだぞ?」
「ヘンリー、お前は比べる相手を間違うなよ?」
「けど…」
「同じ年でもシャノンとルークは別だ。勿論1つ上のシアもな」
「…」
アランさんの言葉にヘンリーだけでなく俺たちまで黙り込む

「成人前でEランクになってる時点で普通は凄いことだからな?」
「そうよヘンリー。マリクやリアムも似たようなものだったでしょ」
「そうだけど…」
「ヘンリーはある意味災難だな。一番身近なのがこの3人だ。そりゃ凹みもするだろう」
「5人の中でもスカイとケインはそこまで規格外な感じはないのにね」
ナターシャさんがしみじみと言う

「それはカーロも言ってたじゃん。サラサの魔力の割合の問題だろ」
「スカイとケインは半々だったか」
「シア9割、ルークとシャノンは7割。レイ自身俺達よりずば抜けてるからな」
「ごめんねヘンリー。お母さん魔力ほとんどないのよね」
メリッサさんがヘンリーを抱きしめる

「うわっ…母さんやめてよ。僕そんなつもりで言ったんじゃないし…!」
皆の前でそんなことされたヘンリーはたじたじになっている
それを見て皆が笑い出す

「シアはエンドレスに遭遇できるのを当たり前と思わないようにしないとね」
「あんま実感ないけど気を付ける」
“羨ましい”は“妬み”に変わることが多い
それは小さい頃から散々実感してきたことだ
余計なトラブルは避けたい俺は素直に従うことにした
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫
ファンタジー
 孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。  僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。  そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。  それから、5年近くがたった。  5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

アリスと魔法の薬箱~何もかも奪われ国を追われた薬師の令嬢ですが、ここからが始まりです!~

有沢真尋
ファンタジー
 アリスは、代々癒やしの魔法を持つ子爵家の令嬢。しかし、父と兄の不慮の死により、家名や財産を叔父一家に奪われ、平民となる。  それでもアリスは、一族の中で唯一となった高度な魔法の使い手。家名を冠した魔法薬草の販売事業になくなてはならぬ存在であり、叔父一家が実権を握る事業に協力を続けていた。  ある時、叔父が不正をしていることに気づく。「信頼を損ない、家名にも傷がつく」と反発するが、逆に身辺を脅かされてしまう。  そんなアリスに手を貸してくれたのは、訳ありの騎士。アリスの癒やし手としての腕に惚れ込み、隣国までの護衛を申し出てくれた。  行き場のないアリスは、彼の誘いにのって、旅に出ることに。 ※「その婚約破棄、巻き込まないでください」と同一世界観です。 ※表紙はかんたん表紙メーカーさま・他サイトにも公開あり

【番外編】貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
『貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。』の番外編です。 本編にくっつけるとスクロールが大変そうなので別にしました。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

処理中です...