チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

文字の大きさ
上 下
17 / 370
5.魔法の活用

1

しおりを挟む
「レイ、先に行ってるぞ」
「わかった」
下からかけられたカルムさんの声に父さんが返す
家中ドタバタと騒がしい

「一体何ごと?今日は魔法教えてもらう日だろ?」
俺はその貴重な時間が潰れるかもしれないと不安になっていた

「心配しなくても大丈夫よ」
母さんが俺の肩に手を置いてそう言った
「でもみんなドタバタしてるじゃん」
「ふふ…皆のピクニックも兼ねようって話になったのよ」
「ピクニック?」
シャノンが甲高い声を上げた
ちょっとうるさい

「マリクやヘンリーも教わりたいって言いだして、下の子たちも見てみたいって言うからね」
「…それで皆で行こうって?」
俺の開いた口が塞がらない…
だからって普通は総出でピクニックにはならないだろ?
人数を考えれば余計にそう思う

「あなた達も競争相手がいた方がやる気が出るでしょ?」
「え?じゃぁマリクのパーティーメンバーとかも?」
「そう。さらに、リルのパーティーメンバーも来るわよ」
「すんごい大所帯じゃん」
「でも楽しそう」
ルークとシャノンは嬉しそうだ
この2人は基本的にイベントごとに目がないんだよな
まぁ俺も別に構わないんだけどさ

「スカイ、ケインもいらっしゃい」
スカイは母さんに飛びつきケインはゆっくり歩いて来る
ケインは5歳の時に馬車にはねられてから片足を引きずってる
母さんは魔法で治そうとしたけどケイン自身が拒否したんだ
その理由は未だに誰にも分らないけど、母さんも父さんもケインの思う通りにとその場は医者に任せた
ただ一言、治してほしくなったらいつでも言いなさいって伝えてはいたけどね

「ケインはカーロに乗せてもらおうか?」
「うん。カーロ、お願いしてもいい?」
ケインが尋ねるとカーロはケインの足にすり寄った
これはいいよという合図だ
『よっと』
カーロは尻尾でケインを持ち上げるとそのまま自分の上に載せる
俺も小さい頃はあーやって乗っけてもらってたんだなって思うとちょっと恥ずかしい
まぁ、俺だけじゃなくルークもシャノンもなんだけどさ

「よし、じゃぁ行こうか」
家族7人揃って家を出る
既に皆出た後だった

「場所は?」
「歩いて10分くらいのところよ」
「いつも練習してた場所?」
「そうよ」
「じゃぁ先に行ってるね」
「あ、待てよシャノン。僕も行く」
走り出したシャノンをルークが追いかける

「俺も先に行く!」
負けてられないと走り出した俺の背後から『ルークを追い越せよ~』って父さんの声が聞こえた
これ、追い越せなかったら魔法教えてもらえない気がする
火魔法も時空魔法も父さんに教えてもらう予定なのに…!

『高速移動(足元の物質操作)』
物質を動かす念動力を使うことにした
そしてギリギリのところでルークを追い越した

「良かった…」
開けた広い場所につくなり座り込んだのは仕方ないと思う

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫
ファンタジー
 孤児院出身の僕は10歳になり、教会でスキル授与の儀式を受けた。  僕が授かったスキルは『眠る』という、意味不明なスキルただ1つだけだった。  そんな僕でも、仲間にいれてくれた、幼馴染みたちとパーティーを組み僕たちは、冒険者になった。  それから、5年近くがたった。  5年の間に、覚醒したスキルを使ってパーティーに、貢献したつもりだったのだが、そんな僕に、仲間たちから言い渡されたのは、パーティーからの追放宣言だった。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。 勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。

転生王子の異世界無双

海凪
ファンタジー
 幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。  特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……  魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!  それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...