ephemeral house -エフェメラルハウス-

オトナ

6

この先何があったって、こいつらのような人間に出会うことは無いと思う。

全員が器用に周りと関わり、不器用に自分と向き合う。

そう生きてきたせいで、巡り会ってしまった縁。

関われば関わるほど、それは紛れもなくかけがえのないものになって行き、それと同時に破滅へと進んでいってしまう。

自分たちにとって、必要不可欠だったこの関係は、紛れもなく全員を暖かく…残酷なまでに暖かくさせてくれる物だった。

友達という言葉で表すには、少し物足りなさを感じてしまうが、大親友だなんて大それたものでも無い。

バッドエンドで終わると決められた奴らが少しでも劇的な最後を迎えるために求め見つけた最良のピースなんだ。

おれは、そんなこいつらが…ものすごく面倒で、ものすごく愛おしいこいつらが、どんな最後を迎えるのか、この目で確かめたくて仕方がない。

そして、どうしてもこいつらの幸せを願わずには居られない。





【オトナ】Fin.