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新学期
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その曲はどう聞いても私たちのことを言っていた
ただ、その中に「好き」や「愛」なんて言葉はひとつも無くただ、これまでの経緯が詰まっていた
経緯ってより思い出?
それだけ、ただそれだけなのにすごく切なく感じたのはセナの気持ちを知っているからなのかな?
ううん、違う
きっと誰が聞いてもそう思う
あんなにも明るい曲調なのに、とても切ない曲だった。
セナのバイクはやっぱりかっこいい
「そろそろどこ向かってるか教えてよー」
風の音がうるさく、どれだけ大きい声を出してもちゃんと聞き取ってくれない
車だったらこんな苦労しなくて済むのにね、、、
でも、しばらくすると見たことある景色が出てきた
「なるほどね」
多分あそこだ
突き当たりを左に曲がると"あの"駐車場が出てきた
「到着」
てことは、この段差を登っていけば
ほら、やっぱり
約1ヶ月ぶりに来た
「時間潰すって言ったらここでしょ」
あの時の海だ
「なんか久しぶりに来た」
「おれほぼ毎日来てるわ」
そりゃ、ご苦労さまなこと
「あいつらも抜け出してこっち合流するってよ」
全く新学期早々みんなして………
何時になるかはわかんないらしく
それまでセナと2人で他愛も無い会話を続けていた
どれくらい経ったのか
だんだんと会話も減ってきてセナはタバコを吸いながら海を見つめぼーっとしてる事が増えてきた
そうなってくると私もやる事が無く暇になるからケータイを意味も無くいじる
そうやってテキトーに時間を潰しているとセナが話しかけてきた
「ゆいちゃんゆいちゃん」
「んー?なに?」
「お腹すいちゃった」
知らんがな
時計を見てみると時刻は11時を回った所
「まだ昼前だよ」
「んー、でもお腹空いた」
「私何も持ってないよ」
「え?」
え?っていつでも食べ物持ってる人の方が少ないでしょ
「珍しい…いつも弁当作って来てるのに」
「はい?今日半日なんだから持ってきてるわけないでしょ?」
「え?」
でたよ、バカセナ
「なんで教えてくれなかったの!?半日なら行けばよかった」
あんたが後悔するといま無駄なことしてる気分になるんですけど…
「まあでもいっか、2人で海来れたし」
いいぞ、その意気だ
「あ、そういえばこんなのならあるよ」
本当は甘やかすの良くないしみんなが甘やかすからこのダメ男はすーーーぐ「お腹空いた~」だの「ジュース買ってーー」だの騒ぐから嫌だけど
可哀想だからカバンに入ってたパンをあげた
「メロンパンおれめっちゃ好き!!ありがと~」
嬉しそうに頬張るセナ
私やっぱり着実にこいつの保護者ポジションになってってるわ……
「あとでジュース奢るね!」
珍しいことを言うセナを軽く小突いてまたケータイに視線を落とし時刻を見た
そろそろ2人が来る頃だ
そんな気がした
ただ、その中に「好き」や「愛」なんて言葉はひとつも無くただ、これまでの経緯が詰まっていた
経緯ってより思い出?
それだけ、ただそれだけなのにすごく切なく感じたのはセナの気持ちを知っているからなのかな?
ううん、違う
きっと誰が聞いてもそう思う
あんなにも明るい曲調なのに、とても切ない曲だった。
セナのバイクはやっぱりかっこいい
「そろそろどこ向かってるか教えてよー」
風の音がうるさく、どれだけ大きい声を出してもちゃんと聞き取ってくれない
車だったらこんな苦労しなくて済むのにね、、、
でも、しばらくすると見たことある景色が出てきた
「なるほどね」
多分あそこだ
突き当たりを左に曲がると"あの"駐車場が出てきた
「到着」
てことは、この段差を登っていけば
ほら、やっぱり
約1ヶ月ぶりに来た
「時間潰すって言ったらここでしょ」
あの時の海だ
「なんか久しぶりに来た」
「おれほぼ毎日来てるわ」
そりゃ、ご苦労さまなこと
「あいつらも抜け出してこっち合流するってよ」
全く新学期早々みんなして………
何時になるかはわかんないらしく
それまでセナと2人で他愛も無い会話を続けていた
どれくらい経ったのか
だんだんと会話も減ってきてセナはタバコを吸いながら海を見つめぼーっとしてる事が増えてきた
そうなってくると私もやる事が無く暇になるからケータイを意味も無くいじる
そうやってテキトーに時間を潰しているとセナが話しかけてきた
「ゆいちゃんゆいちゃん」
「んー?なに?」
「お腹すいちゃった」
知らんがな
時計を見てみると時刻は11時を回った所
「まだ昼前だよ」
「んー、でもお腹空いた」
「私何も持ってないよ」
「え?」
え?っていつでも食べ物持ってる人の方が少ないでしょ
「珍しい…いつも弁当作って来てるのに」
「はい?今日半日なんだから持ってきてるわけないでしょ?」
「え?」
でたよ、バカセナ
「なんで教えてくれなかったの!?半日なら行けばよかった」
あんたが後悔するといま無駄なことしてる気分になるんですけど…
「まあでもいっか、2人で海来れたし」
いいぞ、その意気だ
「あ、そういえばこんなのならあるよ」
本当は甘やかすの良くないしみんなが甘やかすからこのダメ男はすーーーぐ「お腹空いた~」だの「ジュース買ってーー」だの騒ぐから嫌だけど
可哀想だからカバンに入ってたパンをあげた
「メロンパンおれめっちゃ好き!!ありがと~」
嬉しそうに頬張るセナ
私やっぱり着実にこいつの保護者ポジションになってってるわ……
「あとでジュース奢るね!」
珍しいことを言うセナを軽く小突いてまたケータイに視線を落とし時刻を見た
そろそろ2人が来る頃だ
そんな気がした
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