上 下
52 / 75
新学期

3

しおりを挟む
「出来るわけないでしょ」

周りに聞こえないくらい小さい声でそういうとセナはそれが面白いらしく笑っている

とりあえず教室を出て人のいないところに移った

「ねぇ、新学期初日だよ?」

「わかってるけど学校居ても暇でしょ?」

そりゃそうだけど………

「明日はちゃんと行くから出かけよ」

「………わかった」

「おっけい、じゃあ迎えいくね」





………すっかり流されてしまった





教室に戻ってカバンを手に取りまた職員室に向かっていると丁度廊下で担任を見つけた

「あ、先生」

「おー、何してんだこんなとこで」

少し気が引けるけど嘘つくしかない

「すみません、体調優れないので今日は帰ります」

「…………おう、気をつけてな」

あっさり受け入れた担任に一礼してスタスタ降りる

「あ、そうだ」

何かを思い出したようで担任が上から話しかけてきた

「悪さすんなよ、あと着替えろな」


…………バレてるわ

「失礼します」

この一言だけ返して学校を出ると校門の前に見覚えのあるバイクが1台

「よっ」

ばっちばちに外用で決め込んだセナがいた

……ってばかじゃないの!?

「ちょ、なんでここまで来ちゃったの!?」

「え、ゆいちゃん歩くの大変じゃん」

担任がなんで気づいてたか今わかった…

「は、早く動こ」

慌ててヘルメットを被り後ろに乗るとセナはケタケタ笑いながら動き出した








久々に乗るセナのバイクはまだ私の身体に感覚を残していたみたいで
夏休みの記憶が色々蘇ってくる

楽しいこともいっぱいだったけど苦いこともあった

……あとで、ハルたちと合流するのか。

何だかレンに会うのが憂鬱だ


「ゆいちゃんこっちだっけ?」


「あってるよー」





着替えるために一旦家まで送ってもらった






「やっぱ先生達にバレたか~」

タバコを手に取りながらそういうセナを呆れながら見ることしか出来ない

「うわっ、なんだよ山口神かよ」

そう言いながらスマホを見せてきたから覗くと担任の山口からのメッセージだった

『見なかったことにしてやるからタバコもバイクも学校に近づけんなよ、あと初音結衣を変な道に引っ張んな』

『先生神だね、わかってますよまかせて』

「良かったね、頭の柔らかい先生で」

「いや、あれは若者気分が抜けてないだけだろ」

ついさっきまで神だーって騒いでたのにもう貶してる

「待ってるから早く着替えてきなよ」

「え、あ、うん」

セナに急かされて急いで家に入る






……あ、セナに家バレちゃった

まあ、もうしょうがないか

最近買った服を取り出し急いで着替えて
これまた最近買った香水を振りまき
またまた最近買った靴に履き替えドアの前に立つ

「私のばか、あいつのペースに流されすぎ」

一言そう呟き外に出た




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

別れてくれない夫は、私を愛していない

abang
恋愛
「私と別れて下さい」 「嫌だ、君と別れる気はない」 誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで…… 彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。 「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」 「セレンが熱が出たと……」 そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは? ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。 その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。 「あなた、お願いだから別れて頂戴」 「絶対に、別れない」

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

処理中です...