ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

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新学期

3

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「出来るわけないでしょ」

周りに聞こえないくらい小さい声でそういうとセナはそれが面白いらしく笑っている

とりあえず教室を出て人のいないところに移った

「ねぇ、新学期初日だよ?」

「わかってるけど学校居ても暇でしょ?」

そりゃそうだけど………

「明日はちゃんと行くから出かけよ」

「………わかった」

「おっけい、じゃあ迎えいくね」





………すっかり流されてしまった





教室に戻ってカバンを手に取りまた職員室に向かっていると丁度廊下で担任を見つけた

「あ、先生」

「おー、何してんだこんなとこで」

少し気が引けるけど嘘つくしかない

「すみません、体調優れないので今日は帰ります」

「…………おう、気をつけてな」

あっさり受け入れた担任に一礼してスタスタ降りる

「あ、そうだ」

何かを思い出したようで担任が上から話しかけてきた

「悪さすんなよ、あと着替えろな」


…………バレてるわ

「失礼します」

この一言だけ返して学校を出ると校門の前に見覚えのあるバイクが1台

「よっ」

ばっちばちに外用で決め込んだセナがいた

……ってばかじゃないの!?

「ちょ、なんでここまで来ちゃったの!?」

「え、ゆいちゃん歩くの大変じゃん」

担任がなんで気づいてたか今わかった…

「は、早く動こ」

慌ててヘルメットを被り後ろに乗るとセナはケタケタ笑いながら動き出した








久々に乗るセナのバイクはまだ私の身体に感覚を残していたみたいで
夏休みの記憶が色々蘇ってくる

楽しいこともいっぱいだったけど苦いこともあった

……あとで、ハルたちと合流するのか。

何だかレンに会うのが憂鬱だ


「ゆいちゃんこっちだっけ?」


「あってるよー」





着替えるために一旦家まで送ってもらった






「やっぱ先生達にバレたか~」

タバコを手に取りながらそういうセナを呆れながら見ることしか出来ない

「うわっ、なんだよ山口神かよ」

そう言いながらスマホを見せてきたから覗くと担任の山口からのメッセージだった

『見なかったことにしてやるからタバコもバイクも学校に近づけんなよ、あと初音結衣を変な道に引っ張んな』

『先生神だね、わかってますよまかせて』

「良かったね、頭の柔らかい先生で」

「いや、あれは若者気分が抜けてないだけだろ」

ついさっきまで神だーって騒いでたのにもう貶してる

「待ってるから早く着替えてきなよ」

「え、あ、うん」

セナに急かされて急いで家に入る






……あ、セナに家バレちゃった

まあ、もうしょうがないか

最近買った服を取り出し急いで着替えて
これまた最近買った香水を振りまき
またまた最近買った靴に履き替えドアの前に立つ

「私のばか、あいつのペースに流されすぎ」

一言そう呟き外に出た




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