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高校時代 〜結衣side〜

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ハルの家に帰ってる間私たちが会話することはほとんど無かった

セナはタバコを吸いながらたまに鼻歌を歌ってたりしている

やっぱり私はこいつが掴めない

一体セナは今何を考えているの?

私に好きって気持ちを伝えてどうしたかったの?

好きだけ言われたら断ることも出来ないまま…………





「あ、そうだ」

セナがいきなり喋り出す

「ちょっと行きたいとこあるんだけど一緒に来る?」

「え?」

「めんどくさいならハルんちで待っててくれてもいいけど」

別に断る理由も特にない

いいけどどこ行くの?と尋ねるとセナはヘラヘラ笑いながら「ちょっとね…」と濁した

………


………………………



…………………………………。



また沈黙だ

一体どこに行くのか疑問に思いながらずっと着いていくとセナが立ち止まった




「ここって…………」




目の前に広がっていたのは………………





「…………いや、ハルの家じゃん」



行きたい所ってまさかハルの家?

私またこいつの訳の分からんノリに乗せられちゃった?

はーーーーっ!!!ムカつく!!!!

「あれ、どしたのゆいちゃん険しい顔して」

物凄く呑気に顔を覗き込んでくるセナ

「どうしたのってハルの家じゃんここ!!!」

セナは目を丸くしている

全く…ホントに呆れた男だなこいつは

ただでさえさっきの曖昧な告白のせいでイライラしてるっつーのにこの男は……

「あ、なるほど違うよゆいちゃん」

「ハルの家にはバイク取りに来たんだよ」


…………………あっ

私の早とちりだったのね

「マジで私用で買い物行くだけだから楽しくないよ?」

別にいい全然それでも

家の中であの2人と居るのはさすがに気まづいでしょ

…告白されたてホヤホヤも気まづいけども

「別にいいよ」

そんならこれ~とヘルメットを渡される

"いつも通り"被って後ろに乗ってセナの方に視線を向けるとセナは少し遠くを見つめながら半分まで減ったタバコを少し躊躇いながらも捨ててバイクに股がった。

「じゃ、ダーリンしっかり掴まって」

誰がダーリンじゃ

そしてセナは走り出した

セナの腰に腕を回しちゃんと掴まっている私はやっぱり不思議と心地良さを感じていた。




でもそれが"風"に対してじゃないという事をまだ受け入れることは出来なかった


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