ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

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高校時代 〜結衣side〜

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目が覚めるともうとっくに日は昇って外は明るかった

時計を見ると午前11時

結構寝たな……

辺りを見渡すと隣にはハルが寝ていて

下の布団にはレンが眠っている

セナの姿が見当たらない

ベッドから少し顔を出しもう少し見渡すと
テーブルにはみんなで飲んでいた形跡があり
きっと疲れてゴミを片付ける前にみんな眠りについたんだろうと伺える

2人を起こさないようにベッドから抜けお手洗いに向かう

この部屋にはやっぱりセナの姿は無かった

「あいつ、どこいったんだろ」

用を済まして部屋に戻りもう一度部屋を見渡すとセナのバイクの鍵がテーブルに置いてあることに気づいた

やっぱり帰った訳じゃないんだ

じゃあどこいったんだろ…


「んんっ、」

少しザラつきのある声が後ろから聞こえて振り返るとレンが起きたのか座っていた

「あ、ごめん起こしちゃった?」

私の問いにレンは「んー」と曖昧な返事をしてベッドに移動してまた眠りについた

セナもそうだったけど男の人って寝起きみんな声ガラガラ

まあ男に限った話じゃないか

それにしても…………

今年の夏休みは昨日の1日だけでかなり濃いものになっちゃった

「こんな時間に起きるのも久々だなあ」

あ、そうだ

2人寝てるのにずっと部屋に居てもしょうがないし

昨日の海にでも行こうかな。




思い立ったらすぐ行動!!

歯を磨いて髪を整えて外に出る

スマホに繋げたイヤホンを耳に付けてお気に入りのプレイリストを開く

シャッフルをタップして歩き出した





ハルの家からそう遠くない海は割と直ぐに着いた

階段をのぼり1番上に辿り着くと目の前に広がる砂浜に海

こんな時間だというのに辺りに人は全然居なくて遠くの方に年配の人がチラホラ居るくらいだった


暗かったからよく分からなかったけど至る所に階段あるんだ

そんなことを思って視線を左右に散らしていると見覚えのある、いや"いつもの"あいつを視界にとらえる



セナだ

昨日みんなで座ってお酒を飲んだ階段に1人で座り海を眺めるセナの姿を見つけた

1人でタバコを吸っている

私より早く起きてるしあいつちゃんと寝たのかな?

そんな心配をしながらタバコを吸うセナを見る

………なんだかセナ







____すごく切ない表情

あいつ普段はすごいアホでふざけ倒してるのに1人の時ばっかあんな顔して……

そんなセナを見て少し話かけに行くのを躊躇したけどその前にセナが私に気づいた

少し驚いたような顔をして何か呟いているけど距離があるから私には聞こえない

すぐにいつもの表情に戻り私に手を振りながらこっちに来た

「おはよ、ゆいちゃん」

私に煙が向かない位置を探りながら話しかけてくるセナ

「あんた1人で何やってんの?」

なんでかセナにはこういう態度を取ってしまう

「え?あぁ暇だったから」

「ちゃんと寝た?」

「あー多分寝た」

なんじゃそりゃ



そこから少し沈黙が続いた

でも昨日と違って気まづさは感じなかった





どれぐらいだったんだろう

先に口を開いたのはセナだった


「あのさ、ゆい」

「ん?」

「ちょっと聞いて欲しいんだけど」

海を眺めていたセナが私を見る

すごく………すごく真剣な表情をしている

セナのこんな顔初めて見た

「おれさ」

邪魔をせず頷く私

「おれ……………」






「好きなんだよね、ゆいちゃんのこと」











何でかは分からないけど


不思議と驚くことは無かった




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