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モテる妹は可愛い
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テストが終わり、放課後の予定を実行すべく学校は生徒たちで賑わいでいた。
それとは打って変わって、校舎裏はとても静かでまるで別世界だ。
「どうしてこうなってしまったんだ」
俺は一人校舎裏でぽつんと立っている。
後ろのほうには、校舎の陰に隠れている景がいる。
ファイト、とでも言いたいのか握りこぶしを掲げて俺を見ている。
「はあ」
ここまでくるとため息しか出ない。
先ほどから誰も来る気配がないが、もしかしたら俺がいるのを遠くから確認して、帰ってしまったのでは?
俺は腕時計を確認した。
「よし、後三分待ったら帰ろう」
そう決心し、指を三本立てて景に合図した。
おそらくよくわかっていないのだろう、景自身もなぜか指を三本立てて俺を見ている。
そんな謎のやり取りをしていると、背後から足音が聞こえてきた。
「き、きたか」
だんだん近づいてくるその少年は、金髪にシャツの出た制服、身長はおそらく俺より低いだろう、バッチの色からして景と同学年か。
「あれ、景さんのお兄さんじゃないですか」
お兄さんと呼ばれたことに少々腹が立った。
しかしここは大人の対応だ。
「ああ、そうだ。君が景の・・・」
「そうです! 俺、景さんのことが好きなんです! 妹さんを俺にください!」
「おいおい色々話をすっ飛ばし過ぎだ。落ち着け」
「あ、すんません。ところで俺は景さんを呼び出したはずなんすけど」
「あー、うん、それなんだが。景は誰とも付き合うことはできないんだ」
「えええ! どうしてっすか!」
「まあ、学校では天然でポンコツかもしれんが、知っての通り有名人でな。そんな時間もないし、変な噂が立っても困る」
「大丈夫です! 俺が景さんをしっかりお守りします!」
「いやそういうことではなくて」
俺はふと景の方を見たが、困っている俺を見るのが楽しいらしい。ニヤニヤしながら俺を見ている。
「じゃあ、どうすれば景さんと付き合えるんですか、お兄さん!」
「まずそのお兄さんをやめろ!」
「え?だめっすか。」
「ダメだ」
「仕方ないっすね。じゃあ先輩、妹さんを僕に下さい」
「だから! その妹さんって言うのもくださいって言うのもやめろ!」
「じゃあなんていえばいいんすか!」
「あーーー”、全部だめだ! とにかく景は誰とも付き合わない、以上!」
俺は嫌気がさして足早にその場を去った。
「俺、絶対いつかお兄さんにも認められる彼氏になって見せます!」
去り際、そんなことが聞こえたが無視しておいた。
「兄さん、珍しく困っていたわね」
帰り道、景が俺をからかうように言った。
「俺はああいうやつは苦手だ」
「普段仕事はそつなくこなす兄さんがあれだけわめくなんて、いいものが見れたわ」
「お前、やっぱり楽しんでたな」
俺は景の頭をぐりぐりと両手で挟んでやった。イタイと言っていたが可愛かったのでしばらく続けた。
乱れた髪を手で整えながら景が聞いた。
「兄さんは好きな人とかいないの?」
「好きな人? いねえよ」
「そう」
「なんだよ、いるように見えるか?」
「うーん」
景は顎に手を当てて考えている。
「板谷先輩とか」
思わず吹き出してしまった。
「俺が板谷を? ないない」
「そうなの? なんだかんだ仲いいし、マネージャーとしても受け入れたじゃない」
「まあそうだが、あいつにそんな感情はない」
「ふーん、私は先輩と兄さんが付き合うことになっても反対しないわよ」
「だからしないって!」
全く景は何を考えているのかわからない。
「兄さんは、私が誰かと付き合ったら、いや?」
夕日に照らされた景の顔が赤く染まっていた。
「ああ、いやだ」
「え、あ、そうなの」
なんだか驚いたような反応をする景。
「ああそうだ。こんなかわいい妹を誰かに取られるなんて嫌だな。全力で阻止するし邪魔する」
「相変わらずのシスコンぶりね。ちょっと引くわ」
「おい!」
隣を歩く景の表情は、少し笑っているように見えた。
それとは打って変わって、校舎裏はとても静かでまるで別世界だ。
「どうしてこうなってしまったんだ」
俺は一人校舎裏でぽつんと立っている。
後ろのほうには、校舎の陰に隠れている景がいる。
ファイト、とでも言いたいのか握りこぶしを掲げて俺を見ている。
「はあ」
ここまでくるとため息しか出ない。
先ほどから誰も来る気配がないが、もしかしたら俺がいるのを遠くから確認して、帰ってしまったのでは?
俺は腕時計を確認した。
「よし、後三分待ったら帰ろう」
そう決心し、指を三本立てて景に合図した。
おそらくよくわかっていないのだろう、景自身もなぜか指を三本立てて俺を見ている。
そんな謎のやり取りをしていると、背後から足音が聞こえてきた。
「き、きたか」
だんだん近づいてくるその少年は、金髪にシャツの出た制服、身長はおそらく俺より低いだろう、バッチの色からして景と同学年か。
「あれ、景さんのお兄さんじゃないですか」
お兄さんと呼ばれたことに少々腹が立った。
しかしここは大人の対応だ。
「ああ、そうだ。君が景の・・・」
「そうです! 俺、景さんのことが好きなんです! 妹さんを俺にください!」
「おいおい色々話をすっ飛ばし過ぎだ。落ち着け」
「あ、すんません。ところで俺は景さんを呼び出したはずなんすけど」
「あー、うん、それなんだが。景は誰とも付き合うことはできないんだ」
「えええ! どうしてっすか!」
「まあ、学校では天然でポンコツかもしれんが、知っての通り有名人でな。そんな時間もないし、変な噂が立っても困る」
「大丈夫です! 俺が景さんをしっかりお守りします!」
「いやそういうことではなくて」
俺はふと景の方を見たが、困っている俺を見るのが楽しいらしい。ニヤニヤしながら俺を見ている。
「じゃあ、どうすれば景さんと付き合えるんですか、お兄さん!」
「まずそのお兄さんをやめろ!」
「え?だめっすか。」
「ダメだ」
「仕方ないっすね。じゃあ先輩、妹さんを僕に下さい」
「だから! その妹さんって言うのもくださいって言うのもやめろ!」
「じゃあなんていえばいいんすか!」
「あーーー”、全部だめだ! とにかく景は誰とも付き合わない、以上!」
俺は嫌気がさして足早にその場を去った。
「俺、絶対いつかお兄さんにも認められる彼氏になって見せます!」
去り際、そんなことが聞こえたが無視しておいた。
「兄さん、珍しく困っていたわね」
帰り道、景が俺をからかうように言った。
「俺はああいうやつは苦手だ」
「普段仕事はそつなくこなす兄さんがあれだけわめくなんて、いいものが見れたわ」
「お前、やっぱり楽しんでたな」
俺は景の頭をぐりぐりと両手で挟んでやった。イタイと言っていたが可愛かったのでしばらく続けた。
乱れた髪を手で整えながら景が聞いた。
「兄さんは好きな人とかいないの?」
「好きな人? いねえよ」
「そう」
「なんだよ、いるように見えるか?」
「うーん」
景は顎に手を当てて考えている。
「板谷先輩とか」
思わず吹き出してしまった。
「俺が板谷を? ないない」
「そうなの? なんだかんだ仲いいし、マネージャーとしても受け入れたじゃない」
「まあそうだが、あいつにそんな感情はない」
「ふーん、私は先輩と兄さんが付き合うことになっても反対しないわよ」
「だからしないって!」
全く景は何を考えているのかわからない。
「兄さんは、私が誰かと付き合ったら、いや?」
夕日に照らされた景の顔が赤く染まっていた。
「ああ、いやだ」
「え、あ、そうなの」
なんだか驚いたような反応をする景。
「ああそうだ。こんなかわいい妹を誰かに取られるなんて嫌だな。全力で阻止するし邪魔する」
「相変わらずのシスコンぶりね。ちょっと引くわ」
「おい!」
隣を歩く景の表情は、少し笑っているように見えた。
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