双子ぷろでゅーーす!!!

nagiyoooo

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妹のマネージャーは楽じゃない

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 俺の目の前には小さなモニターがある。

 6人の芸能人がひな壇に座っていて、前列中央には二人の少女が座っている。

 「景ちゃんはなんで女優になろうと思ったの?」

 司会の男が片方の少女に聞いた。

 「うーん、小さいころテレビでドラマや映画を見ていて、そこに映ってた女優さんたちがとてもきれいで、私もああなりたいと思ったから?です」

 「なんでちょっと自信ないんだよ!」

 司会の男がツッコミを入れると、会場に来ている客の笑い声が上がる。

 「じゃあ千代ちゃんは?どうしてモデルになろうと思ったの?」

 そういってもう片方の少女に質問をする。

 「最初は知り合いから薦められて、正直あまりやる気はなかったんですけど」

 「いやそこはこのモデルさんにあこがれて、とか言っておくとこだろ!」

 再び会場で笑い声が上がる。

 しかし千代は常に変わらぬ笑顔でこたえ続ける。

 「最初に応募したオーディションに落ちたんです。それから自分の中のプライドというか、闘争心みたいなのが湧き出てきて、結局三回目のオーディションで合格してデビューしました」

 最後までとても愛らしい笑顔でこたえた。

 「へー、じゃあ二回受けて落ちてるんだ」

 二人の後ろに座っている男が、ほえー、と相槌を入れながらうなづく。

 「えーそれじゃあここらへんで、次のコーナーに移りましょう」

 司会の男がそういうと、いったんここでカットが入り、次のコーナーの準備が始まった。





 それから一時間ほど過ぎたとこで、収録が終わった。

 俺がモニターを見ている部屋は収録現場から少し離れているが、ドアの向こうからお疲れ様ですという声が何度も聞こえてくる。

 「姉ちゃん緊張しすぎだよ~」

 「だって私、あんなに速いテンポで進行すると思ってなかったし、あんなにお客さんがいるとも思わなかったもの」

 そんな会話をしながら二人の少女が俺のいる部屋に入ってきた。

 「よう二人とも、お疲れ」

 俺は二人に声をかけると、

 「は~疲れた~」

 という何とも力のない返事が返ってきた。

 「今日のスケジュールはこれで終わりだな」

 「それにしても千代ちゃん、どうしてあんなにすらすらしゃべれるの?」

 「うーん、才能かな」

 俺の話を全く聞いてない二人が、帰り支度をしながら会話をしている。

 「おいお前ら、聞いてんのか?」

 「え、何か言った?」

 景が真面目な顔で聞き返す。

 景は見た目はクールで真面目そうなのだが、少し天然なところがある。

 「まあいい、準備できたら帰るぞ」

 「はーい」

 「私おなかすいたわ」

 こうしてみると、二人とも本当に美少女だ。

 景は身長が高く、腰まで伸びたきれいな黒髪にスリムな身体をしているし、千代は景より身長は低いものの、大人っぽさとかわいらしさを両方兼ね備えたかのような雰囲気をしていて、金髪のショートカットがとても可愛い。

 「じゃあ何か食って帰るか」

 「あ!私肉が食べたい」

 「私も」

 「わかったよ、じゃあ焼き肉でも食って帰るか!」

 「やった!ありがとうお兄ちゃん!」

 「私、明日の現場で臭いって言われないかしら、兄さん」

 準備を終えた千代と景が、そんな会話をしながら部屋を出ていく。



 そう、俺はこの二人の実の兄だ。



 そして、二人の兄でありながら、マネージャーでもあるのだ。

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