優しい闇に抱かれて

日々の癒やしの中で…②

   「美味しい！」 

    オムレツを食べてすぐに感想を述べてくれた、ウィルの言葉に私の不安は喜びに変わった。凄く嬉しい！焦がさずに、ふんわりと仕上げるのに苦労したからホッとした。少し形が歪になったけれど味は悪くないと思うの。    

    後はこの世界には無い、おば様が絶賛してくれた唐揚げを食べて貰おう。喜んでくれるかな？唐揚げと丼物は、私の得意料理だからウィルが驚く顔を見たくて野菜サンドの横に山盛りの“唐揚げ”を差しだした。


「俺…こんなに美味い
    肉料理は初めてだ！」

「油で揚げているのに全然油っぽくないし、いくらでも食べられる。毎日でも食べたいくらいだ」      

    一生懸命作ったものを褒められ嬉しくて涙ぐみそうになる。今まで色々とお手伝いをして頑張っても、誰も褒めてはくれなかったから…本当に嬉しい。


    唐揚げを美味しく作るコツを丁寧に教えてくれた、お肉屋のおばさんに感謝をしたい。
    慣れない最初の内は、焦がして四苦八苦したけれど上手に揚げることが出来る様になって良かった。誰かに美味しいって食べて貰えることが、こんなにも嬉しいなんて初めて知った。

 
    お昼ご飯を、おしゃべりをしながら楽しく食べて一休みして
家路についた。