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第三章、蠢く
T-12 オルクジャナスという少女
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『君の父、聖夜は立派な人だった。いつも周りに人がいて、強くて、尊敬されていた。僕と一度敵対してたこともあってね、その時はボコボコにされたよ。』
一度は敵だったのに今は味方ってなんだかロマンがあるなぁ。
そういえば母さんが呼んでくれた話にもそんな人が出てきてたな。
『最終的に聖夜は強大な力を持つ【終焉竜】との戦いで亡くなった、これが極夜の聞いた話だよね?』
「うん、そう聞いたよ。」
『それは大きな間違いだ。聖夜は今も生きている、しかしここにはいない。』
「いきてるの!?」
『あぁ、聖夜は終焉竜との戦いで敗れていない。正しくは自分を触媒にして終焉竜と共に封印したんだ。その封印が解ければ聖夜は解放されるが同時に厄災である終焉竜も復活してしまうんだ。』
「だから父さんは出られないんだ……。」
『そこで聖夜の愛剣ベルゼブブ、かつて僕と聖夜と共に冒険したアレイスター、聖夜の側近であり秘書のゼロ、今は亡き最強ミルドという剣士、そして過去から来た僕を含めた五人による聖夜の復活のための【プロジェクト:クリスマス】を遂行するため僕たち聖夜に忠誠を誓った【七食の守護者】で聖夜の復活を試行錯誤している。』
ゼロさんとミルドさんは今の王国騎士団団長のレイドさんと王立魔術図書館の司書さんのイレヴンさんの両親って聞いたな。
ゼロさんは今でも母さんのそばで秘書官として働いてるし。
ミルドさんは確か亡くなったって聞いている。
アレイスターさんは僕が入学した魔術学園サンクチュアリの学園長だ。
でもそんなお偉いさん達の話を僕が聞いてもよかったのかな?
「それ僕に言ってよかったの?」
『極夜なら大丈夫って結論に至ったらしい。』
アマハラはウィンウィンとアームを動かす。
『そしてこの【プロジェクト:クリスマス】の要は君だ。』
「ぼく?」
『あぁ、僕たちもできる限りのサポートはするよ。』
「ちょ、ちょっと待ってよ。なんでそんな重大な計画の要が僕なの?」
『極夜、君がこの学園で出会ったオルクジャナスという少女がいたね。』
「え、うん。仲良くなったよ。」
『彼女は【終焉竜】オルクジャナスの封印から漏れ出した魂が肉体を手に入れた姿だ。終焉竜としての記憶はないが彼女を辿れば聖夜の封印に辿り着くかもしれない。』
彼女が厄災の象徴、終焉竜…………。
そういえば魔力測定で水晶を割っていたような。
『別に彼女が終焉竜だからといってどうすればいいとかじゃなくて、僕らは彼女のデータが欲しいんだ。どこから魂が漏れ出したのかとかね。だから極夜が仲良くなりたいなら仲良くなればいいしそうじゃないなら遠くから見てるだけでいい。この相手のランクがわかるスコープをあげるからランクの変化を見てて欲しいだけなんだ。』
「…………わかった。」
僕は頭が混乱して訳がわからなくなり、落ち着くために父さんの墓へと向かった。
一度は敵だったのに今は味方ってなんだかロマンがあるなぁ。
そういえば母さんが呼んでくれた話にもそんな人が出てきてたな。
『最終的に聖夜は強大な力を持つ【終焉竜】との戦いで亡くなった、これが極夜の聞いた話だよね?』
「うん、そう聞いたよ。」
『それは大きな間違いだ。聖夜は今も生きている、しかしここにはいない。』
「いきてるの!?」
『あぁ、聖夜は終焉竜との戦いで敗れていない。正しくは自分を触媒にして終焉竜と共に封印したんだ。その封印が解ければ聖夜は解放されるが同時に厄災である終焉竜も復活してしまうんだ。』
「だから父さんは出られないんだ……。」
『そこで聖夜の愛剣ベルゼブブ、かつて僕と聖夜と共に冒険したアレイスター、聖夜の側近であり秘書のゼロ、今は亡き最強ミルドという剣士、そして過去から来た僕を含めた五人による聖夜の復活のための【プロジェクト:クリスマス】を遂行するため僕たち聖夜に忠誠を誓った【七食の守護者】で聖夜の復活を試行錯誤している。』
ゼロさんとミルドさんは今の王国騎士団団長のレイドさんと王立魔術図書館の司書さんのイレヴンさんの両親って聞いたな。
ゼロさんは今でも母さんのそばで秘書官として働いてるし。
ミルドさんは確か亡くなったって聞いている。
アレイスターさんは僕が入学した魔術学園サンクチュアリの学園長だ。
でもそんなお偉いさん達の話を僕が聞いてもよかったのかな?
「それ僕に言ってよかったの?」
『極夜なら大丈夫って結論に至ったらしい。』
アマハラはウィンウィンとアームを動かす。
『そしてこの【プロジェクト:クリスマス】の要は君だ。』
「ぼく?」
『あぁ、僕たちもできる限りのサポートはするよ。』
「ちょ、ちょっと待ってよ。なんでそんな重大な計画の要が僕なの?」
『極夜、君がこの学園で出会ったオルクジャナスという少女がいたね。』
「え、うん。仲良くなったよ。」
『彼女は【終焉竜】オルクジャナスの封印から漏れ出した魂が肉体を手に入れた姿だ。終焉竜としての記憶はないが彼女を辿れば聖夜の封印に辿り着くかもしれない。』
彼女が厄災の象徴、終焉竜…………。
そういえば魔力測定で水晶を割っていたような。
『別に彼女が終焉竜だからといってどうすればいいとかじゃなくて、僕らは彼女のデータが欲しいんだ。どこから魂が漏れ出したのかとかね。だから極夜が仲良くなりたいなら仲良くなればいいしそうじゃないなら遠くから見てるだけでいい。この相手のランクがわかるスコープをあげるからランクの変化を見てて欲しいだけなんだ。』
「…………わかった。」
僕は頭が混乱して訳がわからなくなり、落ち着くために父さんの墓へと向かった。
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