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終焉の章、絶望の権化・【終焉竜】オルクジャナス
D-75 思い出 〜追憶〜
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聖夜は立ち上がり、出口へと歩いていく。
長く、短い道のりを俯きながらゆっくりと歩いていく。
『はっはっは、別に俺は死んだわけじゃねぇ。俺の魂はおまえであり、お前の魂は俺なんだからな。またいつか会えるさ。』
ダークの薄れた声が道のりを照らす。
『お前だけが辛いんじゃないんだぞ、って言っても辛いのは一緒か。なら一緒に泣こうぜ、そのほうが一人で泣くより幸せだ。』
かつて方向性の違いで対立した幼馴染の一人である佐藤一さとうハジメの声。
『正義を信じればいつか報われる!!だから聖夜、前向いて歩こうぜ!!!!気合と友情があればなんでもできる!!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!』
ハジメと同じく方向性の違いから対立した幼馴染の国守正義くにもりセイギの声。
『あなたは私たちの良き先導者であり英雄です、あなたがいなくても我らの心に我が主あるじの心ありです。』
未来の時間軸で俺の側近であり良き相棒であったスケルトンのミルドの声。
『言っておきますけど私たちマスターに100年も待たされたことあるんですからね。あと帰ってきたらちゃんとし・ご・と、してくださいよサボり魔国王。』
未来の時間軸で俺の側近であり良き相棒であったゴーレムのゼロの声。
いつのまにか聖夜の目からは長年出なかった涙がボロボロとこぼれ落ちていた。
そして出口の目の前で足をぴたりと止める。
その止まった背中に抱きつくような人の温もりが。
『聖夜。』
この声は聖夜の最愛の女性、早乙女結衣だ。
『行かないでなんて言わない、早くなんても言わない。私は、いいえ私たちはあなたのことを心の底から愛してる。だから……。』
「………あぁ。」
聖夜は後ろを振り向かずに出口へと駆け出した。
「みんなありがとう、俺は絶対帰ってくる。だからもう少し待っててくれよ。」
出口を抜けると急な落下する感覚に陥る。
「……おい、いるんだろ。でてこいよ。」
「フン、何やら消えかけの魂の反応があるから来てみれば貴様か。」
落下する聖夜に話しかけたのは以前対峙した【死神】であった。
「一度経験した不穏な気配を感じたから呼んではみたもののほんとにいたのかよ。
「我は死を司りし神、死という概念が存在しない。故に我はここにいる。それより貴様、先程なぜ別次元の存在と交流していた。貴様にそんな力いると思えぬが。」
そうあれは幻聴なんかじゃない、本当に並行世界にいる大切な人たちの声を聞いていたのだ。
「それより貴様、もうすぐ地上だが我に何用だ?」
「お前神だよな、だったらちょっと力貸してくんね?俺の魔力だけだと足りない。」
「神王の魔力量で足りないだと?一体何をしでかすつもりだ。」
「…………。」
聖夜はズダン!!!と地面に降りちこう告げた。
「俺と共に終焉竜を封印する。」
「あの騒がしい竜を封印するだと?笑わせるな、たしかに貴様は我を倒すほどの実力を持っているがあれは規格外だ。」
「だから力貸せって言ってんだよ。」
「ちゃんとプランはあるのだろうな。」
「十二分にな。」
長く、短い道のりを俯きながらゆっくりと歩いていく。
『はっはっは、別に俺は死んだわけじゃねぇ。俺の魂はおまえであり、お前の魂は俺なんだからな。またいつか会えるさ。』
ダークの薄れた声が道のりを照らす。
『お前だけが辛いんじゃないんだぞ、って言っても辛いのは一緒か。なら一緒に泣こうぜ、そのほうが一人で泣くより幸せだ。』
かつて方向性の違いで対立した幼馴染の一人である佐藤一さとうハジメの声。
『正義を信じればいつか報われる!!だから聖夜、前向いて歩こうぜ!!!!気合と友情があればなんでもできる!!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!』
ハジメと同じく方向性の違いから対立した幼馴染の国守正義くにもりセイギの声。
『あなたは私たちの良き先導者であり英雄です、あなたがいなくても我らの心に我が主あるじの心ありです。』
未来の時間軸で俺の側近であり良き相棒であったスケルトンのミルドの声。
『言っておきますけど私たちマスターに100年も待たされたことあるんですからね。あと帰ってきたらちゃんとし・ご・と、してくださいよサボり魔国王。』
未来の時間軸で俺の側近であり良き相棒であったゴーレムのゼロの声。
いつのまにか聖夜の目からは長年出なかった涙がボロボロとこぼれ落ちていた。
そして出口の目の前で足をぴたりと止める。
その止まった背中に抱きつくような人の温もりが。
『聖夜。』
この声は聖夜の最愛の女性、早乙女結衣だ。
『行かないでなんて言わない、早くなんても言わない。私は、いいえ私たちはあなたのことを心の底から愛してる。だから……。』
「………あぁ。」
聖夜は後ろを振り向かずに出口へと駆け出した。
「みんなありがとう、俺は絶対帰ってくる。だからもう少し待っててくれよ。」
出口を抜けると急な落下する感覚に陥る。
「……おい、いるんだろ。でてこいよ。」
「フン、何やら消えかけの魂の反応があるから来てみれば貴様か。」
落下する聖夜に話しかけたのは以前対峙した【死神】であった。
「一度経験した不穏な気配を感じたから呼んではみたもののほんとにいたのかよ。
「我は死を司りし神、死という概念が存在しない。故に我はここにいる。それより貴様、先程なぜ別次元の存在と交流していた。貴様にそんな力いると思えぬが。」
そうあれは幻聴なんかじゃない、本当に並行世界にいる大切な人たちの声を聞いていたのだ。
「それより貴様、もうすぐ地上だが我に何用だ?」
「お前神だよな、だったらちょっと力貸してくんね?俺の魔力だけだと足りない。」
「神王の魔力量で足りないだと?一体何をしでかすつもりだ。」
「…………。」
聖夜はズダン!!!と地面に降りちこう告げた。
「俺と共に終焉竜を封印する。」
「あの騒がしい竜を封印するだと?笑わせるな、たしかに貴様は我を倒すほどの実力を持っているがあれは規格外だ。」
「だから力貸せって言ってんだよ。」
「ちゃんとプランはあるのだろうな。」
「十二分にな。」
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