世界のためなら何度でも

つぼっち

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第二章、【黄の美貌】ミカエルと【預言者】

D-42 星の死

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星に死はあるのだろうか。



生物が全ての身体機能を停止した時、それは死だ。



干上がり植物が育たなくなった大地は死んだと言えるだろう。



汚染され生物の住めなくなった海も死んだと言える。



オゾン層が破壊され致死量の紫外線が常に降り注ぐ空は死んだと言える。



これら全ての『死』が起こった時、初めて星は死んだと言える。







聖夜達が大いなる空間と呼んでいるもの、すなわち銀河には星がいくつも存在する。



その中には人の住めないような星も存在すればまだ未発見だが人が文明を築いている星もある。



その人の住めない星、それは『死んだ星』だ。



もともとそうだったものもあるがその死んだ星のほとんどは一体の生物によって殺されたものだ。





【終焉竜】オルクジャナス





ビッグバンと共に生まれた全ての始まりである《神王》。



それと同時刻、離れた場所にその竜は生まれてしまった。



終焉竜に意思はない。



どこか適当な星に降り立ち、眠り、起きるとその星を殺してまた別の星へと向かう。



全生物の頂点に立つ竜なのだ。















「そ、そんなヤバい奴がこの世界、いや星に住んでるのかよ。」



『本来であれば後300年経たなければ起きはしないのだがそれをニヒトが無理やり起こそうとしている。それを止めなければお前達が元の世界に戻ることもできないだろう。』



「その竜を止めるにはどうすればいいんだ?」



『簡単なことだ。10の王天使を全て倒しニヒトを止めろ、ただし王天使を倒すのは一筋縄ではいかない。特にサンダルフォン、ガブリエルあたりが確実に今の貴様らでは勝てない。だからもう一つ条件がある、リモートコントローラーの力を手に入れろ。リモートコントローラーは



「いやその話知ってる。」



『………………ん?』



預言者は凍りつく。



「え、うそじゃん」って顔してる。



『あ、ありえないぞ!!私以外にこの情報を知っている生物は存在しない筈だ!!!!』



預言者は聖夜の肩を掴みガクガクと揺らす。



「ほんとに聞いたんだって、なんか辺な名前の会社の社長とか言ってたぞ。」



『いやありえないぞ、だって運命の書にそんな事象は書かれていない!!それにそのへんな会社の名前ものっていないぞ。』





ペラペラと必死にページをめくっている。



結局なんなんだあの会社は。



預言者は運命の書をバタンと閉じて頭を抱える。



『我が王の行動でさえ書かれているこの書に書かれてない事象があるなんて……これは六席と王に伝えなくては!!』



「ちょいちょい、先に願いを叶えてくれよ。」



『……わかった手短に済ませよう。同じ人間がこの石を使って生き返れるのは一度までだ、それだけ覚えていくといい。』



預言者はパッパとどこかへ走っていった。



それと同時に濃い煙がゆっくりと視界を埋め尽くしていく。



「ゲホッゲホッ!!やめろって言っただろ小僧!!」



煙たそうにするサタンやベルゼブブ、ミカエルの声が聞こえる。



それともう一人のうっすらと声が。



「聖夜、君ならできると信じてたよ。」



煙が外に漏れ出して薄くなっていく。



そこに立っていたのは王天使二体に爆殺された裸の天之川が立っていた。















天之川翔、生還。

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